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ファッションスタディーズを読んで思うこと

ファッションスタディーズ
私と社会と衣服の関係
蘆田裕史、藤嶋陽子、宮脇千絵 編

洋服を結構買います。ただ最近はコロナとかもあってよく行くお店にいけていないです。そのお店では1つのブランドの説明を15分しちゃう定員さんがいるので否が応でもファッションの知識が入ってくるのですが、最近はその講義を受けれていないので、たまには自分でファッションについて勉強しようと思い、購入しました。

本の説明

本の内容はファッションに関する理論、事例、分野別の関連書紹介、となってます。[クリティカル・ワード]は、現代社会や文化および芸術に関わるさまざまな領域を、[重要用語]から読み解き学ぶことを目指したコンパクトな入門シリーズとのことです。多岐にわたる分野や視点で書かれているので、改めて気づくことが多いと思います。一つづつは短い文章なので、気になるところを読んでいけるところもいいところです。

付箋結構貼りました。

編集者(蘆田さん)の言葉

ファッションはきわめて日常的なものである。日常的なものについて改めて考えることをしない。そのため、私たちはさまざまな疑問を無視しながら生きている。少し立ち止まって考えるならば、ファッションに関して私たちは無数の「なぜ」を発見することができるはずだ。ふとした瞬間にそうした疑問を抱いたことがある人も少なくないだろう。本書はそんな人たちに向けられて編まれている。

ファッションスタディーズはひとつの学問体系ではないため、入門書として必要なのは一本の筋を立てることよりも、多様な視点やアプローチを提示することだと考えた。行き届いていない部分もあると思われる。そこにあなたが気づけたとしたら、その疑問を大切にして、考え続けてほしい。

読んでのまとめスケッチ

8項目の中で気になった項目をまとめました。

勉強してみて思ったこと

大きく8項目あり、「流行」「消費」などは思っていたことや想像していたことが書かれてた項目もありましたが、新しい発見があった項目もありましたので、それをピックアップして書きたいと思います。

メディア

昔というか10年ほど前は雑誌を買ってきて、どんな服がいいとか考えたことがあります。ただ最近はファッション雑誌を買わなくなりました。大体普遍的な(大外れしない)洋服がわかったことと、とりあえずお店に行っておすすめを買っちゃえばOKということもありますが、行かない今でも雑誌を買わないのは、スマホで簡単に調べられちゃうからで、メディアが変わったからなんだなと改めて思います。読む本は買いますが、見る本は買わなくなってきました。

ジェンダー

うちの子供を見ていると、長男次男は車や電車が好きで、長女は人形や可愛いものが好きです。服も好んで着る服は長男が黒や青(時々黄色やオレンジもあります)で、長女はピンクが多いです。次男は1歳なのでまだ特に主義主張はなさそうです。(なんでも嫌がる時はあります)

そういうところを見ているとやっぱり男女で違うんだな思う一方で、その違いから服を記号的に使い、男女の区別にしてしまうことは違うのだと思います。好みの色から区別するのではなく、好みの色から個人の特徴を認識するのが良いのかと思いました。

トイレも日本だと男性用が青で、女性用が赤で表示されることが多いですが、海外だと色がなかったり、調べてみるとオールジェンダートイレなどもあるそうで、そういうところからも日本のジェンダー認識の海外との違いを感じたりしました。

コミュニケーション

ジェンダーの区別とは逆ですが、記号的な表現として、服を使うということについて書かれています。スーツを着ることで社会人だったり、作業着を着ることで現場の人だと伝えていることだと思います。あまりゲームをしてないですが、本に書かれているようにバーチャルなセカイだと自分のアイコンに何を着せるかでジブンが何者かを表現するのがしやすそうです。「身体」も自分と違うので表現の自由度、より表現に合わせたジブンに合わせた服で伝えたいことの解像度が上がりそうです。相手に服から伝えることがより簡単でより重要なセカイだと思います。現実世界だと、色や線の本数でその人の役割を伝えるヘルメットが記号的に使われていて、職長ヘルメットや緑線の本数とかで役職を伝えて、コミュニケーションの仕方を変えちゃってたりしそうです。

アイデンティティ

作業着にも大成建設の社員ということを伝えるコミュニケーション以外でも、汚れても着替えられるようにということ、だけでなく、服による差異化を防ぎ、同一化することでその差を見極めるということもあると知りました。お金を出して豪華な服を着て、優位に立つことをできなくしているという感じです。リクルートスーツを着て面接しているのもそういう意味もあるのだという考えで、なるほどなぁと感じました。そういう意味では社会人になってからは、自分らしさは洋服ではないところで出していかないといけない世界にいるんだなと感じました。(社会人の住む世界は、自分らしさや個性が要らない世界なのかも知れないですが。)

服のどんなディテールがカッコイイとか、ここがこの服のスゴイところとか、いつもお店で店員さんとしていたようなことは当然ながら載っていなかったので、そこらへんの「趣味」については今度またお店に行って話を聞いてこようと思います。

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