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LEGOを読んで思うこと

LEGO レゴ
蛯谷 敏(著)

新宿のファーストブックにふらっとよって普段行かない場所をうろうろしていましたが、なかなかこれといったものが見つからず、何も買わずに出ようかと思う中、最後にふとレジ脇に置いてあるこの本に目がいきました。面白そうだなと思って手に取りました。

買って読みましたが、買って正解でした。

背景はうちにある本物のブロックを使いました。

どんな本か

レゴの歴史が書かれています。その歴史にもかなりの浮き沈みがあり、思っていた以上の上下の時に差がありました。不動のおもちゃ会社と思っていましたが、そうではなくって結構意外でした。歴史以外にもインタビューやレゴブロックの工場の紹介が書かれているので、いろいろな発見があります。

2X4ポッチのレゴブロックは2つで24通り、3つで1060通り、6つで約9億通りもの形ができるそうです。

筆者の思い

あなたのバリュー(価値)は何か。もし、この問いが漠然としているなら、「あなたが会社を去ったら、会社は何を失うか」と言い換えてもいい。

「我々は何を成し遂げたいのか」「どんな価値を社会に提供できるのか」「レゴがなくなったら、社会は何を失うのだろうか」。レゴが常に投げかけ続けているこの問いは、「自分がいなくなったら、会社は何を失うのか」と読み替えることで、これからの時代を生き抜く私たちすべてに向けた問いにもなる。レゴの興味深い経営の軌跡を通して、読者のみなさんが、「あなた自身の価値とは何か」を知るための一助となれば幸いである。

読んでのまとめスケッチ

この背景もブロックを積んで下絵として使いました。

読んでまずは書いてみる

「ブロックを使って、実際に手を動かして組み立てると、自分の頭の中にあるイメージを、より明確に浮かび上がらせることができる」という点がレゴのメリットと書かれていました。なんとなくのイメージを持ってから、実際に手を動かしてソレを作り出してみる。そんなことがレゴだとよくあります。イメージをぼんやり持ちながら作りながら考えて、また作っていくと思ってたモノや思っていなかったモノや思ってた以上のモノができたりします。

まずは手を動かしてみる」と「思いを形にできる」のにレゴが適していて、レゴシリアスプレイ(レゴを活用した企業向けのワークショップ)などがその筆頭かと思います。ただ、それはレゴだけではなくて、ここに書いている文章やスケッチなども実はそうで、全てを考えてから書き出すのではなくて、大体の思ったことをなんとなく書き出すことで形になっていきます。まずは手を動かすことが重要で、そこから思ってた以上のモノになるには手元に使えるパーツがいくつあるかが重要になります。そういう意味で、日々の知識や使える技術を増やす必要になるので、学ぶことは大切だと思いました。

それ以上にも慣れも必要だと思います。レゴシリアスプレイも慣れてくるとうまくできるようになるそうです。僕はレゴに自分が子供のころから慣れ親しんでいるので、なんとなく手を動かしてモノを作り出していくことが割とうまいのかもしれないです。僕が子供の時にレゴは家にありましたし、お互いの実家にもまだありますし、当然今の家にも結構な数があります。ちなみに、僕の兄弟の家にもあります。そんな子供が成長する中で必ず通るところに置いてあるのでレゴは強いんだなと思ってました。

うちのブロックたちです。

うちには大きめなデュプロから、通常盤まで多くあります。最近のブロックにはL型でつなげられるパーツがあって、ブロックを直角につなげられ、作れる形がかなり多いです。ただそれを使うと心なしかズルをしている気分になります。

話がずれましたが、子供の代表的なおもちゃとして、個人的には常に売れているので本の帯にもあるように、常に勝ち続けているイメージがありました。ただ実際はそうではなくて、多くの危機があったことを知りました。単純なブロックなので正直誰でも真似しようと思えばできるし、コモディティ化と価格競争が激化する未来が簡単に予想できる商品です。実際にその通りで、他のおもちゃの出現、特許切れからの価格競争、経営の多角化からの失敗、企画のヒットとその代償、大企業化による社内処理の複雑化、リストラと再建、と大方思い当たりそうな内容が書かれていました。

何年もかけての再建とその後の成長は創造を絶する辛さかと思いますが、その中で軸を変えずに変化し続けることで、レゴに新しい価値を与えて成長してきたと書かれています。変化しないことが最大のリスクと言われる現代で変化は必要なのは聞いたことがあると思いますが、レゴから学べることは変えない軸があったと言うことだと思います。その軸は会社と社員とで繋がっていて、そのつながりはパーパス(Purpose)を共にすることで実現できています。それが世界一のブランドになっている理由だと思いました。

社員が朝起きて、今日も一日仕事を頑張ろうと心から思えるか。社員が存在意義を理解し、オーナーシップを持っていれば、大半の社員が明確にイエスと答えられる。それが理想の姿だ」CEOのクリスチャンセンの言葉です。

そういえば、品川駅から品川シーズンテラス(高輪口の反対側)に向かう回廊に「今日の仕事は楽しみですか。」という広告が流れて、炎上したそうです。

炎上させたい・したい気持ちも正直わからないでもないですが、それを出した広告主や日本の勤務形態を問題視するのではなくて、多くの人が今日の仕事を楽しみに思っていない理由を考えることが建設的だと思います。その理由は個人のパーパスと会社のパーパスがずれているために起きているということが答えの一つだと本書を読んで思いました。

パーパス(Purpose)は目的とか意図とか訳されますが、今回は存在意義と訳されています。僕は建設業で働いているので、仕事の「目的」は、「工期内に適切な建物を安全に作ることで利益を出すこと」だと思ってます。毎年の課題設定にQ(品質)C(コスト)D(工程)S(安全)を書いてます。

今回の本を読んで、会社のパーパスって何かと思って確認した企業理念は、僕が思っていた「目的」とは違ってました。綺麗事や建前のように感じていましたが、パーパスのためならイエスと言って頑張れそうだと感じました。改めて働かれている方は会社のパーパスを見てみるも良いのではと思いました。


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