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子どもを育てられるなんて思わなかったを読んで思うこと

子どもを育てられるなんて思わなかった
LGBTQと「伝統的な家族」のこれから
古田大輔(編)

LGBTQのQって何?というところに、恥ずかしながら疑問に思ったので読みました。Qとはクイアやクエスチョニングでした。(本ではなくネットで検索しました。)「クイア」は元々は侮蔑語でしたが、今は規範的な性のあり方以外を包括する言葉として使われており、「クエスチョニング」は特定の枠に当てはまらない、わからない人を表す言葉となります。LGBTQ+という表現もあるそうで、性的マイノリティーを表す総称の一つとして使われていることがあります。知らなかったということで、日本のジェンダーギャップ120位(156カ国)という不名誉な結果に私自身も貢献してしまっているなと思っています。

表紙です。

本の内容と構成

古田さん含め4名の方が取材を行い、「多様な“かぞく“を考える」ことが書かれています。1〜3章はLGBTQのかぞくの話、3章が支援団体のこと、4章が司法や政治の状況、5章が日本の現状と課題についてが書かれています。各章に取材を終えてからのまとめが書かれているので、そのまとめと序章とあとがきを読むと大筋の内容が理解できると思います。

編集者の思い

『子どもを育てられるなんて思わなかった』という書名には、どれだけの道のりを歩んできたか、取材した当事者たちの思いを込めた。子育ての素晴らしさにLGBTQかそうでないかは関係ない。そして、素晴らしい子育てにも、LGBTQかそうでないかは関係ない。持ちたいと思う人たちからその選択肢を奪ったり、持てないと思わせてしまう社会側に問題がある。それは社会を構成する私たち一人ひとりが変えていくべきもののはずだ。
 登場する家族、そして、これから子育てを始めようとする全ての家族にも祝福を読者の皆様にもそう感じてもらえたら幸いだ。

読んでのまとめスケッチ

光とプリズムと6色で書いてみました。

読んで調べて感じること

全章を通じて
・子どもを大切に思う気持ちは同じ
・「伝統的な家庭」の否定ではなく「家族」として認めてほしい
・子どもを可哀想と思うのはそう考える社会側の問題
・結婚できて、子どもを育てられるという選択肢を誰もが持てる社会としたい

という考えを感じました。

ダイバーシティ、LGBTなどの言葉が知られるようになり、異性以外と結婚をする、家族を持つことに反対する人は少なくなってきていると思っています。実際に20代、30代は同性婚に80%賛成しているそうです。ただ70代以上で賛成37%が求めるべきではないの41%と逆転するそうです。
 同性婚に関する批判の根源は「伝統的な家族観を壊す」ことにあると知りました。「お父さん、お母さん、子ども」といった家族を構成する形を大切に思ってのことなのかもしれないです。ただ、少し昔はサザエさん的な2世帯が多かったのかもしれないですが、今は核家族が多いし、子どもを持たない家族ももちろんあります。編集者の古田さんは、家族は形ではなく「」が大切だと書かれていましたが、私もそう思います。「大切に思うこと」が家族をつなぐものだと思いました。

変わっていく世の中で変化を嫌う人は、前までのルールをそのまま守ることを盾にすることがあると思いますが、そのルールが今の状況を想定していなかった前提で作られているので、そのまま守ることでは、作った人の思いや意図とずれてしまうこともあるのではないかと感じています。そんなことを憲法の24条や14条の札幌地方裁判所の話を読んで思いました。
 これからまた劇的に世の中が変化していくと思いますが、まだ日本は戦後77年で現在の平均寿命よりも短い年月なので、今の段階でどのような形が伝統的と言っていいかも正直よくわからない気もします。(私自身が朝寝ぼけながら、妻に「すみませんが、お願いします」と「行ってきます」の代わりのセリフを伝えて、妻と子ども3人よりも先に家を出てきています。そんな私は全時代的には代表的な家族と言えるかもしれないですが。)
 今回の本を読むことで、知識欲とはまた別の知らないことを知ることの重要性を知りました。

うちの子どもは長男、長女、次男になるのですが、「きょうだい」を変換するのに悩んだりします。兄弟、兄妹など姉弟などどれでもかけるし、どれでも当てはまるので悩みがちです。最近はひらがなで「きょうだい」と書くこともあるそうです。そうすると今は夫婦と漢字書いていて、夫は男性、妻は女性を表していますが、「ふうふ」と書くことが起きるのかもなと思います。

全然関係ない話ですが、漢字で書ける文字をひらがなで書くときに思い出すことがあります。
 国語の授業で先生が似た漢字をどちらで書くか迷っていたとき(“会う”や“合う”などです)、ひらがなで書けばいいと提案したことがあります。教室のクラスメートからは称賛され、先生からは注意を受けました。それ以降極力漢字を使うようにしていますが、意図的にひらがなを使うのは良いのかもしれないと思い直すことにしました。

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