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9か月本気で生成AIの事業作りに向き合って見えてきたこと

株式会社Algomatic(アルゴマティック)で法人向けChatGPT「シゴラクAI」のカンパニーCEOをやっている池田です。

■この記事のサマリ
・複数事業やってるAlgomaticだと、生成AIの課題のタネ・技術のタネ、シェアし放題
・生成AIは絶対に来る。そのチャンスを逃さない
・顧客課題と技術の探索をやる
・ユーザーファーストに泥臭く向き合う
・事業成長に本気で向き合う組織を目指す

この記事では、「なぜAlgomaticでの事業作りが面白いのか」「シゴラクAIが今向き合っていること」について書いていきます。


なぜAlgomaticでの事業作りは面白いのか

以前のnoteで、Algomaticが複数事業をやるメリットとして、「黎明期に多くの魅力的な領域に事業を展開できる合理性」を挙げました。
実際に、9か月事業を進めてきて、「別テーマを掘っている仲間がいること」が事業開発していて新しい体験です。

例えば、こんなエピソードがあります。

池田 「マッチング系の事業者が生成AIで業務をラクにしたいそう。これシゴラクAI(法人向けChatGPT)のチャットUIじゃなくて別UX定義した方がよさそう。どうしよう」

お隣のカンパニーCEO 高橋さん 「池田さん、それなら業界特化LLM提供しているうちの知見、使ってください。最近ちょうどその業務テーマ掘ってたんですよ」

池田 「うおおおお、マジで助かります。。。」

https://twitter.com/dory111111

※Algomaticは「スタートアップスタジオ」型で複数の事業を立ち上げています。各事業は各CEOに任せられています。

私は「シゴラクAI」をやってますが、顧客要望でも技術動向でも毎日新しい事業の種が出続けています。
嬉しい反面、自分ひとりではキャッチアップしきれてません。

でもAlgomaticの好きなところは、「毎日隣で知見を貯めている仲間がいて、最速で解きたいイシューを後回しにすることがない」こと。

「めちゃくちゃ優秀な方々と同じテーマで働けること」のは、最大の福利厚生だと思ってます。

生成AIの事業は次の時代を作るという確信

シゴラクAIの事業に向き合う上で大事にしているのが、「生成AIの普及に価値がある」という確信です。

生成AIはまだ多くの人にとって「ChatGPTがちょっとすごそう」という印象で、自分の業務がどう変わるかまではイメージできていないと思います。

なので一見Algomaticは「将来の芽が出るか分からない未知の領域に賭けている」事業に見えるかもしれません。

しかし、インターネットの黎明期に、現在のSaaS市場の盛り上がりを想像できた人がいるでしょうか。こうした基幹的な技術は、人々が価値を認識するまでに時間がかかります。

そのなかでも生成AIはこの1年で行政への導入も進んでいるほど急速に普及しています。生成AIは「絶対に来る」技術なのです。

私の大好きな『イシューからはじめよ』の安宅さんも次のように言ってます。

「スマホの登場に近い基盤的な変化でありhype cycleで扱えるような代物ではない。自然言語で計算機と直接やり取りできるようになった世界は元にはもう戻れない。」

「追記)これを書いた数日後、某社のアドバイザー会議で今のLLMはガートナー社によるハイプ・サイクル(hype cycle)のどこにあたるのか、という質問が出た。僕の答え「スマホの登場に近い基盤的な変化でありhype cycleで扱えるような代物ではない。自然言語で計算機と直接やり取りできるようになった世界は元にはもう戻れない。スマホは登場後、幻滅期などなかったはずだ」。きっと読者の方々の多くも同意してくれるのではないだろうか。」

https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2023/12/16/142532

自然言語で計算機が動くUX、絶対に戻れないです。

生成AIが「来ない」リスクを議論するよりは、「来た」ときにキャッチアップできていないリスクを考えて事業作りに向き合っています。

シゴラクAIチームは顧客課題と技術を探索している

現在シゴラクAIでは、「顧客課題の探索」「技術探索」の2つに注力しています。

立ち上げからの9か月で、約500人のお客様に会って、ヒアリングを重ねています。一日6商談、3顧客ミーティングすることもあります。

直近まであまりにも需要が顕在化していたため、法人向けChatGPTというUIを提供していましたが、本来、生成AIはソリューションでしかなく、顧客課題解決の主要な武器になる必要はないし、チャットUIで全面に出る必要は必ずしもないです。

実際、この手のUIを手放したくないと思っているユーザーの割合は5%未満じゃないでしょうか。

「面白いから触る」「不安だからキャッチアップしたくて触る」などを除けば、ワークフローに入って使っているユーザは決して多くないでしょう。

だからこそ、顧客企業課題・ユーザ課題に合わせたUXを探索する必要があり、面白いんです。

また、技術探索も重要です。そもそもAPIでできること、RAGなど盛り上がっている技術、テキスト生成以外の生成AIとの繋がりetc。毎日アップデートがあり、毎日ニュースシェア会をしてます。

技術探索のコツはこれです。
「とにかく知って、とにかく自分が触って、UXと技術に詳しくなること」

これ毎日続けているとチームがめちゃくちゃ強くなります。techでもビジネス課題に触れ、bizでもtech課題を説明できます。仮に他社と同じ事業アイディアをやることになっても、新規参入プレイヤーには負けません。

例えば、先日のOpenAI DevDayで新しいAPIがリリースされたときも、当日中にプロダクトに組み込まれていました。私は風邪でお休みしてました。翌朝、プロダクトがアップデートされててビビりました。笑

ユーザーファーストなプロダクト作り

Slackさん「日本はAIへの期待が世界最高だが、AIツールの活用は最下位だよ」

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1556430.html

え、日本なんで。。。

例えば、シゴラクAIの現場は、こんなイメージです。

顧客「ドリルが欲しいです」「ただ、ドリルを渡してもらっても穴を掘りたいのかどうか分からない。ドリルを使えないです正直なところ」
シゴラクAI CS「だからドリルを持っていって、穴のところまで一緒に歩いていって、代わりにドリルで掘ってあげて、顧客にドリルを持たせて掘らせます」

現場では、顧客も事業者も結構泥臭いことをやってるんです。

それはまだ、顧客側に生成AIの使い方やUXコンセプトが受容されていないから。
顧客は、「copilotが良いよね」とベンダーが言っても、「そうらしいね(ほんとは良く分からない)」という状態です。

「①市場に受容されるコンセプト」「②市場に受容される機能」の二つが揃って始めてPMFするので、まだ、生成AIに特化した製品でPMFしているプレイヤー・ベストプラクティスのUXは数えるほどだと思います。

シゴラクAIカンパニーで働くメンバー

こうした事業作りにあたって、メンバーの力は強大です。
今一緒に働いているメンバーは、誰もが徹底的に「こと」に向き合い、ユーザーへの貢献を目指しています。組織のカルチャーとしても、事業と技術に向き合いたくて集まっている人が多いです。

一例:
CS「世の中の仕事をもっと減らせるかどうかが自分たちに掛かっていると思うとオモロイ」
PdM「技術アップデートのニュースが毎月ないと、もう耐えられない身体になった」

なので、「生成AIを自分で試したい」「興味がわいて仕方ない」という人は相性がいい組織です。黎明期である生成AI領域で、早い段階からこの船に乗り、数年かけて事業を作っていきたい方がいれば、ぜひ一緒に挑戦しましょう。
プロダクトを本気で成長させていく視座を持った方と働きたいです。シゴラクAIでは、COOやPM、PMM、ビズデブといったロールを募集しています。

その中でも、大きな事業を作りたいと考えている方にはカンパニーCEOに挑戦してほしいです。自分一人で起業するのではなく、Algomaticで事業を作る理由は、これまで書いてきた通りです。生成AI領域のスタートアップを一人で興すとなると、調達できるアセットには限界があります。Algomaticであれば、仲間も資金もナレッジも豊富な環境でトライすることができます。

Algomaticは今後も事業の芽を増やしていく予定です。生成AI領域では、まだまだビジネスサイドの方と話す機会は少ないです。なので、「生成AIの領域ってどんな課題があるの」「少し興味あります」くらいの温度感でも、ラフに声をかけていただけたらうれしいです。カジュアル面談で何でもお話したいと思っています。

Twitter : @ikeda_haruki_
Facebook : https://www.facebook.com/haruki.ikeda.501

また、この記事は、先日のPodcastの内容から編集・補足したものです。PodcastではCEOの大野さんと対談で語っているので、気になる方は聴いてみてください。

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