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介護複合施設らぽーず 竣工

静岡市にて「介護複合施設 らぽーず」が竣工しました。
施設名は、フランス語で「憩いの場」「やすらぎの場」を意味します。

1階に訪問看護ステーションと看護小規模多機能型居宅介護、
2階にサテライト介護老人保健施設、
3階に通所リハビリテーションを備えた複合施設です。

外観


明るい空間

エントランスは窓が取れないため、内装によって空間に変化を与えることを意識しました。真っ白い空間とせず、テンポよく配列した天井の梁型、横ラインを強調した巾木と手すり、そして突き当りをアイストップ壁とすることで、前方へ意識を持たせた誘導的な空間としています。
またコントラストを強調することで、メリハリのある明るい空間となるよう相乗効果を狙いました。

エントランス

居間・食堂・機能訓練室は、テーマカラーを設定し、1階は青、2階は緑、3階は白としました。入所者の方々が居心地よく過ごせるよう、明るさの中にも落ち着きがある色合いとしています。

看護小規模多機能型居宅介護 居間・食堂
サテライト介護老人保健施設 居間・食堂・機能訓練室
通所リハビリテーション

通所リハビリテーションは、写真を見てわかるとおり、空間の真ん中に柱があります。
構造上、どうしても抜けない柱…どうせならインパクトがあるクロスを選ぼう!と、お施主様が選択されました。よくみると、森の中にたくさんの動物たちが隠れているかわいいクロスです。



厳しい敷地条件のなかに詰め込む要望

本物件に限らず、恵まれた敷地環境や資金があるプロジェクトは少ないため、いかに与えられた条件の中で要望に応えることができるか検討することは、設計者に課せられた課題です。
特に今回は厳しい条件が重なり、法的にも構造的にも悩みました。すべてが叶えられた訳ではありませんが、お施主様にご理解いただきながら形にすることができました。



設計者の遊び心

設計者の性ですが、建物にオリジナル性を出したくなります。そのひとつが、1階看護小規模多機能型居宅介護の入口ドアです。
箱の重なりをイメージした立面図をデフォルメし、図案化した組子風の木板を2枚のガラスの間に挟んでいます。組子自体は和柄ですが、和風色が強くならないようバランスに気をつけました。このような細かい部分のデザインが一番楽しい時間です。


前回ブログに引き続き、高齢者福祉施設のご紹介となりましたが、弊社では法人様のご要望に寄り添い、法人理念の実現のため、対話を大切にして設計を進めて参ります。

最後に、
本物件にご尽力いただいたすべての皆様に心より御礼申し上げます。

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