見出し画像

3年半交際した彼女との破局

意外と僕は強くできていて、少し涙は出たが、すぐに止まった。
こういう所から愛がなく人の考えを理解できていない人なんだと彼女に言われた理由がよーく理解できる。

貴方に指摘されて直した箸の持ち方、貴方から教えてもらったマイナーなバンドの曲、貴方に塗れと散々言われ、最近重い腰をあげて塗り始めた日焼け止め。色々な場面、グッズから貴方を思い出す。
僕は心臓を締め付けられつつ懐旧の情に耽る。

初めてのビールを飲んだ。初のビールは苦くてこれを飲んでいる大人はすごいなぁと感心した。

タバコもいつも通り吸った。気分を変えるためコンビニでロングピースを買った。
貴方はタバコを吸う人は嫌いと言ってたけれど、僕が隠れて吸ってたことがバレてとても怒られ、破局しかけた出来事をふと思い出した。彼女は隠し事をされたことにとても傷ついて、とても泣いていた。その時からもう自分たちの関係には微小な亀裂が入っていたのかもしれない。本当にごめんね。
とてもダサくてカッコ悪いエピソードを忘れるため僕はいつもより多くタバコを吸った。

やめられない自傷もいつもよりたくさんした。
自傷してできた傷が鼓動のリズムでチクリと痛む。
自傷している時はよくわからなかったけど徐々に僕の左指が酸化された赤銅色の血の色に染まっていて、本当に自分はダメであの子と付き合えたことが奇跡だったんだなと改めて再確認し、そんな奇跡を棒に振った自分にがったかりした。

色々と自分を痛めつけてみたけれど結局は自分を傷つけることで彼女に謝罪の態度をとっているようで、ただの自己満足でしかなくて、心底気持ち悪い。死ね、死にたい。

色々と自分を傷つけてみたけど当たり前だけど特に何も変わらなかった。何かは変わって欲しかったな。

その辺を歩いている頭頂部がハゲているジジイや老いを必死に隠そうとケバケバしいメイクをしているババアも、カバンをデコりまくっている声のデカいJKもこんな経験をしてきているのかなぁと想像、妄想してみると、自分の悩みがちっぽけに感じると同時に、札幌駅内を闊歩する人全員に敬意を払う。

朝起床し、ぼやーっとインスタを開いてヘドロみたいに大量に蓄積している彼女へのドロドロの未練から彼女のインスタを見る。彼女の投稿からは僕が全て消えていて、彼女のサブアカウントからは僕はremoveされていた。事の重大性と深い消失感からまた少し泣いて、そしてまたすぐ泣き止んだ。

けど泣いてたって色々自分を傷つけたって問答無用に明日は来るし、生活を行わなければならかった。落ち込む暇さえ与えない現実は少し心地よくて酷い悲哀を2秒くらい忘れさせてくれた。

自分の惨めさ、ダサさ、アホらしさにぺちゃんこにされないように僕は札駅6階の喫煙所でまた大量にタバコを吸った。「あ、うま。」

ちなみに復縁した。クズ男を自称するヤツを心底馬鹿にしていたけれど、僕も意外とクズなのかも。

ほんとにごめんね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?