見出し画像

任天堂キーボードは最強のキーボードなのか?

 2011年4月発売のDS用ソフト「バトル&ゲット!ポケモンタイピングDS」には任天堂純正の外付け無線キーボードが付属する。単なるDSソフト専用の周辺機器かと思いきや、DSとの接続にBluetoothを使うということで、このキーボード何と!当然の権利のようにPCやタブレット、スマートフォンなどと接続して使うことが可能だ。

 キーボードの好みは千差万別。ある人にとって最高のキーボードが、別のある人にとっては並以下となりうるし、逆もまた真だ。つまり利用する人が1,000人いれば1,000人それぞれに最高のキーボードがある。みんな違ってみんないい。それがキーボード道と言える深い道なのだ。

 話を戻して、こちらの任天堂キーボードだが、一部で非常に評判がいい。中にはこのキーボードこそ、モバイルキーボードの中では至高!と言い張る人もいるが、正直なところ10年以上昔の代物であり、ある意味骨董品でもあり、今更これを継続して使うより代替の良い製品がないものか、と現在の市場で購入可能な製品がないかどうか、チェックしてみた。

手持ちだと1番右の任天堂キーボード(電池式)と1番左のAnker製の無線キーボード(充電式)しかなかったので、急遽真ん中のロジテック製無線キーボード(電池式)や、この写真に入っていないHP製無線キーボード(電池式)も追加して、計4台を比較検証してみることにした。

やっぱ最強は任天堂キーボードだったわ!

 いきなり結論を先に言ってしまおう。特定タイトルに向けて作られた贅沢なオプション品ということもあり、任天堂キーボードの特徴やメリットに注目した上で、市場をチェックしてみたが、これを上回る小型無線キーボードは存在しない!そのため、以下は現行他社製品と比較しつつ、任天堂キーボードが如何に最強かという点についてあれこれと語っていこうと思う。

 任天堂キーボードが最強なポイントの1つ、それは前述の通り、特定タイトル向けに作られたオプションということで、キー数が非常に少ないことだ。少なすぎてPCなどで使うには物足りないという向きもあると思うが、キーボードという製品においては、キーが少ない事がメリットに繋がる場合がある。それはキーピッチやキーサイズにゆとりが生まれたり、本体をより小型、軽量化できるという点だ。

 コンパクトなキーボードはどうしてもキー数が少なくなる。それでも無理に詰め込もうとすると、どうしてもキーのサイズやキーピッチ(キーボードのキーとキーの間のスペース)、本体サイズが犠牲になってしまう。任天堂キーボードはPCのことを一切気にせず作られたことが、ゆとりのあるキーピッチとキーサイズの実現、そして何より本体の圧倒的な小型軽量化に成功したのである。これが他社のモバイルキーボードでは、どうしても最低限のキー数を確保したいと、かなり詰め込んだ製品が主流となっており、このポイントだけで任天堂キーボードを選択する人がいても不思議ではないほど個性的な作りなのだ。

 ところがキーピッチについて実際に測定してみると、任天堂キーボードのキーピッチは17.5㎜なのに対して、日本HPとAnkerが18.5㎜、そしてロジのは18.0㎜となっており、実は他社の無線キーボードと比べると最もキーピッチが短い。つまり、任天堂キーボードは実際のキーピッチが短いのに、キーにゆとりが感じられるくらい余裕のある作りになっているのだ。

任天堂キーボードのキーピッチは17.0㎜と比較した中では最も短い
Ankerは18.5㎜とかなりのキーピッチ
日本HPも18.5㎜とかなりキーピッチを確保している
ロジテックは18.0㎜ながら、丸型キートップがゆとりを感じさせる作り

 キーの少なさによる恩恵はどちらかというと本体サイズや重量に出ていると言えるだろう。本体サイズをチェックしてみると、任天堂キーボードが実測で263x112mmであるのに対してAnkerが実測284x127㎜、ロジが公称279x124㎜、HPが公称282x122㎜となっており、いずれも任天堂キーボードがかなりのコンパクトボディになっているのが分かる。

 重量についても任天堂キーボードが電池込み実測260gなのに対して、Ankerは304g、ロジが418g、日本HPが357gとなっており、バッテリー内蔵で軽量化したAnkerですら電池内蔵の任天堂キーボードにかなわない。お前がナンバー1だ!

任天堂キーボードは電池込み実測260gと圧倒的な軽さ
バッテリー内蔵のAnkerは電池式と比べれば軽いがそれでも300gオーバー
コンパクトな感じと思っていたロジは重量がイメージよりも重い
日本HPのは思ったよりも軽い印象だがそれでも350g以上

 続いての最強ポイントの1つ、それはキータッチだ。DS用タイピングソフトということで、子供から大人まで、幅広い層が使うキーボードとして作られた任天堂キーボードはキータッチが非常に柔らかい。このほどよい柔らかさこそ、他社にないふんわりタッチとして任天堂キーボードの最強ポイントと言える。

 最強ポイントの3つ目は単3電池駆動という点だ。これだけだと現行製品の中にも電池駆動の製品は多数存在する。任天堂キーボードにおける電池駆動のすごいところは、電池収納スペースをスタンドとしても使用するところだ。この浮かせ具合が絶妙な点も任天堂キーボードの最強ポイントといえる。

任天堂キーボードの電池収納部は半円柱の形状で、これがスタンドとして機能する

 というのも、一般的なモバイルキーボードでは、薄型化を目指すため、底面部はフラットな作りになっている。そのため、どうしても置いた時の傾斜角が浅くなってしまうのだ。

任天堂キーボードを真横から見たところ。電池ボックスのスタンドでかなり傾斜が付いている
Ankerキーボード。かなり傾斜が付いているが、任天堂には及ばない
ロジキーボードはかなりの傾斜を感じられる作り
日本HPのキーボードの傾斜は緩やかめ

やっぱり任天堂しか勝たん!

 えぇい、任天堂のキーボードはバケモノか!ということで4製品比較してみたが、やっぱり任天度しか勝たん!というしょうもない結論に落ち着いた。

 というか任天堂キーボードは、やはり特殊な環境下で偶発的に生まれた製品でもあるので、これに対抗する製品を出してどこまで需要があるかなど考えると、なかなか各社出そうとは思わないだろう。なので任天堂キーボードが至高!な人はデッドストックなどを探して大量に確保してみてどうぞw

 ちなみに、筆者個人の最強キーボードは当然の事ながら、有線、無線、ノートPC問わずThinkPadトラックポイントキーボードなので、今日も赤ポチを愛でながら快適なキーボードライフを過ごしている。赤ポチはいいぞ。

赤ポチしか勝たん!(オチ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?