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蝉の話

今日は短歌関係ないです。蝉の話です。
この記事は虫が苦手な人は読まないほうがいいかもです。あと、オチが無いです。

これは今年の一月の僕のツイートです。しばらくこのことは忘れていたのですが、今日ふと思い出して、こんなことを考えました。

「夏から1月まで脱け殻が幹から落ちない可能性と、あやまって冬に蝉が羽化してしまう可能性、どっちが大きいだろうか。」

そう、ツイート時点では、冬に蝉が羽化する可能性を考えていなかったのです。なんだか急に気になってきました。で、ためしに「蝉 冬 羽化」で検索をかけてみると、以下のような記事が出てきます。

おお、冬でも蝉が羽化することはあるようです。

普通に考えれば、蝉の羽化条件として最も可能性が高いのは気温の変化でしょう。ツイートの日付は2020/1/18ということで、気象庁の過去のデータから2019/10~2020/1/20ぐらいの期間の東京の気温をざっと確認してみます(ツイートの写真は都内でした)。

これ本当にすごいデータですね。夏休みの日記の宿題で天気とかわかんなくても、これ見りゃ最終日に全部書ける。

結果ですが、うーん、10月初旬に30度前後の日がある。それから11月にも23度くらいになっている日があります。ただ、結局蝉の羽化条件としての正確な気温が分からなければ意味がない。

文献をネットで探すこととします。そこで分かってくるのですが、蝉の羽化条件についての信頼に足るような記述がほとんどないこと。どうやら、地中で育つ虫であること、幼虫期間が数年にわたり、飼育も難しいことなどから、こんなに身近にいる生き物にも関わらず、蝉にはいまだ謎が多いようです。

いろいろ検索したところ、ようやく関連のありそうな文献を見つけました。
「セミの羽化時期決定要因4 - あすなろ学習室」より。

結論から言いますと、明確にどういう条件で蝉が羽化するのかは、はっきりとはわかりません。だからこそこの研究があるといったところか。
ただ、読んでると面白い。温度だけでなく、地中の湿度とも関連が疑われたりしているし、そもそも同じ種でも雌雄で羽化時期がずれているなんて初めて知りました。論文内のグラフを見ると(アブラゼミとクマゼミの場合ですが)雄の出現のだいたい1週間後に雌が出現するようです。

ちなみに、この論文にはこのような記述があります。
「気象庁のデータからは地温と土壌含水率は分からない」
そうなんです。蝉の羽化に関係あるのは、正確には気温ではなく「地温」。楽してネットで分かることなんて本当に限られてますね。これ以上なにか得るのは難しそうです。

その後もネットを右往左往していたのですが、朝日の記事「冬の異変~」に出てくる蝉の写真がツイッターからのものだったなと思いだし、元ツイートを見てみることにしました。

ほい、これですね。まあ記事以上の情報は無いのですが、こんなリプライがついていました。

こういう引用ってどうなんでしょうね。僕はあまりされたくないです笑。ごめんなさい。
この方はプロフィールを見ると研究者だそうなので、専門家の見解と言えそうです。
前半の記述からは、単純に気温を見るようなやり方ではわかんないですよ、ってことがうかがい知れますが、「温水を流す下水管」というのはまた想定外の視点で面白いと思いました。なるほどなあ。そういえば見つけたのは川沿い(隅田川)だったので、地中に何らかの排水機構があってもおかしくないような気がします。まあ、川なんてなくても上下水道は家があればあるでしょうが。僕は高校が河口に近かったんですけど、下水処理場があって、そこからの排水は冬でも少し温かかったんですよ。それで冬でも魚が釣れたりしたんですが、そんなことを思いだしました。一度現地に行く必要があるかもしれないですね。

とまあ、ここまで風呂敷をひろげておいてなんですが、「蝉 冬 抜け殻」とかで検索すると、「冬なのに抜け殻が残ってた」系の記述が、冬に羽化した蝉の事例の数倍はヒットします。実際見ていくと、どうやら冬に羽化したのではなく長く幹に付いたままになっている抜け殻は意外とあるようです。
結論としては、冬に蝉が羽化する可能性はあるものの、脱け殻が長く残ってただけという可能性の方が高そうだ、ということになります。

この記事の本旨はこれで終わりなんですけど、過去に蝉の「鳴き声」についても、考えたことがあったのを思い出しました。これも詳しい方がいたらぜひ情報が欲しいなと思っているので、載せておきます。

また過去の俺です。ようは、種によって鳴き方がちがうのは、同種の異性を見つけなければいけないからだよな。ということを言っています。で、こう続きます。

「アブラゼミとミンミンゼミが同時に鳴いているとき、ちゃんと聞き分けられるのは、変えたほうが互いにとって有利だからで、そう思うと、日本で同時期に出現するミンミンゼミとアブラゼミという二種の鳴き声は、相互作用しながら発達して今のかたちになっているという可能性も考えられて」

我ながら面白いと思います。アブラゼミとミンミンゼミは、同時期に同地域に出現しますから、鳴き声が似ていると困るわけです。いまの鳴き方に落ち着いているのは、お互いに聞き分けができるように相互作用しながら変化してきた結果ではないか、と、こう考えられるのではないでしょうか。
これも楽をしようと思い、ネットでいろいろ調べたんですが、いい文献は見当たりませんでした。調べ方が悪いのかもしれませんが、なにか情報があれば、ぜひ教えていただきたいです。

最近は温暖化の影響で、クマゼミも、アブラゼミやミンミンゼミと近い場所で聞くようになりました。一万年くらい経ったら、これがそれぞれの蝉の鳴き声に影響してこないとも限らない・・・ような気もします。妄想。

以上、本当に短歌と関係ない話でした。

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