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他人と比べないこと

ご訪問ありがとうございます。
はじめです。

昨日よりちょっとだけ良い人になるための日本思想
今日のテーマは「他人と比べないこと」です。

鎌倉時代に北条重時という人がこんな言葉を残しています。

いかなる大善根をするとも、我はよくしたりと思ひ、又人にをとらじとおもふ心候はゞ、天魔のけんぞくとなりて、罪はかさなるとも、ちりほども利益あるべからず。業をかさぬるなるべし。

北条重時 『極楽寺殿御消息』

他人と比べて優越感に浸っている内はどんなに良いことをしても罪が重なるばかりで全く報いは無い。

筆者による意訳

人が自分と他人を比べてしまうのは安心したいからです。

不安だから自分より悪い状況の人を見つけて「あの人よりはマシだ」と思いたいんです。

他の人を見ているようで実際は自分の心を慰めているだけですね。

他人との比較が行き過ぎると、他の人に自分を良く見せるために善行を行うようになります。

どんなに良い行動を取っても見せかけの善行には真心がこもりません。
真心が無いことはなんとなく相手に伝わってしまうものです。

逆もまたしかり。
真心のこもった行動や言葉はしっかり相手に届きます。

せっかく良い行いをするなら、自分の真心が相手に届くようにしないともったいないですよね。

他人と比べず、昨日の自分と比べてより良い人間になれてるかどうかをチェックしていきたいですね。

参考文献
小澤富夫編集・校訂 『増補改訂 武家家訓・遺訓集成』 2003年 ぺりかん社


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