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疼痛緩和のパラドックス

痛みがあると、筋緊張が誘発され、過覚醒となり、それがさらに痛みを増長させてしまうことはよく知られています。

慢性的に疼痛を抱えている方々の多くは、全身が慢性筋緊張状態で、ある種の感覚過敏にもなっています。

ですので、実は疼痛緩和には痛み止め、麻薬、抗うつ剤、抗てんかん薬、筋弛緩剤などの他に、ベンゾジアゼピン系やエチゾラム系やフルニトラゼパム系の精神安定剤や睡眠薬が効いたりしちゃいます。

緊張緩和や感覚過敏に良いわけですね。
しかし、これらは依存性が高いので気をつけないといけません。

このように疼痛緩和には慢性的な過緊張を緩めることが効果的なのです。

……で、お薬以外の対策として鍼灸マッサージ(トリガーポイント治療と重なります)や、マインドフルネス、リラクゼーションなどが有効と言われています。

実はマインドフルネスや様々なリラクゼーションは、その効果がイメージに働く人と身体感覚に働く人がいて、それによって疼痛緩和に効く場合とそうじゃない場合があるんだね。

もうひとつ効果的なのが運動です。

疼痛があると動くことに直接支障をきたしますが、疼痛により活動性を奪われ慢性的過緊張から疲労が蓄積し、抑うつ状態になったり、不安や恐怖が増大してしまい、さらに動けなくなってしまいます。

このことが、さらに慢性的筋緊張につながり疼痛を増長させてしまいます。

ですから、動く、動く、ひたすら動く……という運動療法が有効になりますが、コレは特に最初の頃は痛みが……

なので、なかなか続けられないのですが、継続的に運動をすることが良いのです。

ひとり孤独にやるのは難しいので一緒にやってくれる人がいるといいですね。
さらに、どうせなら楽しく続けられる運動がよいですね。

さて、ここまでが前振りです(^_^;)

疼痛にはリラクックスが有効ではありますが、多くの慢性疼痛患者さん達はほぼ自動的になにかの活動(家事、育児、仕事など……)をすることで疼痛を紛らせながら生活をしていて、その間は疼痛を抑制しているんですね。

……で、活動から開放されると、つまりリラックスしちゃうと痛みがひどくなる……という方々が多数です。

だから、のんびりゆっくりとか、だらだらとか、お風呂とか、寝るとかがダメなんだね。

それで、ほとんどの慢性疼痛の方々は慢性疲労症候群やうつを抱えることになってしまいます(*´Д`)

リラクゼーションが疼痛緩和に効果的なのに、リラックスすると逆に疼痛が増長されてしまう……という、全くどうすりゃいいのさ?というダブルバインドというかパラドックスのなかで苦悩しているのです。

さらに……
痛いの嫌なんだけど、痛みを探しにいっちゃう(痛み探索行動)んだね(^_^;)

実は、私たちは自己防衛のために嫌悪刺激(痛み)には過敏になり、ソレをいち早く感知して避けるべく嫌悪回避行動をしようとするのですが、やっかいなことに嫌悪(痛み)回避のための行動が「嫌悪(痛み)探索行動」となり、習慣化されてしまうのです。

さらにさらに、痛くなったらどうしようという不安や怖れが痛みを呼び起こす……ということにもなるのです。

また、「痛み」は援助希求や対象希求の手段にもなるわけですが、このことが身近にいる人との対人関係にも影響し、こじらせてしまうこともあるのです。

「痛み」というのは痛いということのみならず、いわゆるADLをはじめ、様々な支障をきたしてしまうのですね。

で……、どうすりゃいいのさ?

ウチにおいでよ(^_^;)

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