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負けられない戦い

まさに今この瞬間、私は負けられない戦いのさなかにいる。就活に本腰を入れ始めて早数か月。いまだに内定は0。選考が進んでいる会社は片手で数えられるほどしかない。そして今日が本命企業の一次面接。絶対に負けられない。

しかし、ここで私の雨女力が発揮された。小中高のイベントはほとんど雨。これまで誰かのせいにしてきたが、実は自分自身に責任があったのかもしれない。今日だって夏日が多い最近では珍しい 90% 以上の雨予報。それも終日。数日前から何度も天気予報を調べたがどうやら変わることはないようだ。

私が雨をことさらに嫌っているのには理由がある。髪の毛である。湿気によりうねりが極限に達し、早起きして丁寧に整えた前髪は、最寄り駅までの 40 分で見る影もなくなった。駅のトイレで鏡に映る自分と向き合う。がっかりだ。「萎える」とはこのことを言うのだろう。ブラシでとかそうと、ヘアクリームで固めようと(前髪を固めるわけにはいかない)、手の施しようのない頭部。もはや落ち武者である。スーツを着てパンプスで闊歩する落ち武者。こんなはずではなかったのに――。

面接は第一印象が大切 だというが、これでは「身だしなみさえ整えられない残念な子」という烙印を押されてしまう。朝寝坊したと思われるのもしゃくである。仕方がないから諦めて内面で勝負したが、同情点も欲しいものだ。

数日後に結果が出る。真の落ち武者にならないことを祈るばかりである。

うねり髪がグローバルスタンダードになる日を夢見て


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