やさいはまるい
「野菜ってね、丸いんだよ。角がないの。」
これは前の記事で話した相棒が話してくれたこと。駅で合流してぶらぶらしながらお昼のこと考えてたら、急にその子が「野菜巡り好きなんさ」って言ってきて。
野菜巡り??初耳だった。彼女が野菜好きであることも野菜巡りなる概念があることも。とっさに笑って聞き返してしまったけれど、その理由がとーっても素敵だったのだ。
彼女曰く、野菜は丸い。確かにトマトもジャガイモもタマネギも、私の大好きなカボチャも角がない。思わずググってしまった「野菜一覧」。感動した。本当にみんな丸いのだ。ビーツもウコンもビキーニョ※も。強いて反例を挙げるなら、めちゃくちゃ尖った根菜類の先っぽ…だろうか。とにかくまあ、だいたいは角張っていないと言える。
彼女との思い出話で出てきたことの一つに野菜作りがある。保育園の時に自分たちの手で一から育てた。細いあぜ道上って、泥だらけになって、帰る時には並んでしゃがんで手を合わせて。目をつむって魔法をかける。
「大きくなあれ、おいしくなあれ」
収穫は何よりも楽しかった。ラディッシュをマヨネーズにつけて生で食べたり、焼き芋をしたり。苦手だったマヨネーズを初めて美味しいと思えたのがこの時だった気がする。思えば私たちは園歌的なものも野菜作りの歌だったし(グリーングリーンの替え歌)、手作りおみこしも野菜だった。
後で知ったことだが、担任の先生が裏で奔走してくれたらしい。カット野菜では気づけないことに気づけるのはこの体験があったからかもしれない。この時の記憶が今の私たちにつながっているのかなと思うと嬉しい。感謝している。
やさいはまるい。それがいい。そう感じる友達がいることがとても嬉しい。
※ビキーニョ…ブラジル原産のトウガラシ
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