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オペアンプの本質(1)

オーム則は自然現象なので、なぜそうなるかの説明が難しい。しかしオペアンプは人が設計した物なので、その動作をロジカルに説明する事ができる。

オペアンプを理解するポイントはイマジナリショート(仮想短絡)だと思う。
オペアンプの内部がそのような(仮想短絡になるような)ロジックになっているのではない。 
外部回路構成が、仮想短絡するよう仕組まれているにすぎない。
オペアンプ自身のロジックはコンパレータと全く同じである。

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仮想短絡する理由をオペアンプの動作で説明する。
(動作はコンパレータと同じであるので、ロジックはコンパレータとして考えて頂きたい)

① ー端子が+端子電圧より大きくなる(ー端子>+端子)
    ↓
② 出力は低電圧に向かう(↓)
    ↓
③ ー端子が+端子より小さくなる(ー端子<+端子)
    ↓
④ 出力は高電圧に向かう(↑)
    ↓             
⑤ ①に戻る

この無限ループを繰り返す。 いわゆる負帰還である。
つまり発振している事になるが、反応速度が非常に速くオーバーシュートしな為、
一定電圧に固定してる様に見える。
その固定して見える電圧は、上記ロジックから分かる様に+端子電圧と同じ電圧である。ー端子電圧が、+端子電圧を超えたり戻ったりするのが、+端子とー端子が同電位になる理由である。 

オペアンプの本質は「発振している」という事である

例えば車を運転していてまっすぐ走らせたい場合、初めは左右に微調整して、まっすぐになったところでハンドルを動かすのを止める。 しかし電子系のフィードバック回路は、このオペアンプの動作の様に、目標値になったら停止させる訳でなく、常に上か下かの動作をし目標値を行ったり来たりさせている。 つまり動作としては上にいく下にいく しかないのである。 

最終目標値に対して、低ければ上げて、高ければ下げる。 このような制御は中身がブラックボックスで良いのが利点だと思う。 途中に抵抗があろうが、温度特性でトランジスタのゲインが変化しようが関係無い。
参考までに、オペアンプとコンパレータの違いは位相補償機能の有無です。前述通りオペアンプの使い方は発振の恐れがあるのでそれを防止する為です。

オペアンプの本質2 もご覧ください。
完結編として作成しましたオペアンプの基本原理もご覧ください


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