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「言われた事しかやらない社員」 ん?

近頃の若い社員は「言われた事しかやらない」という意見がある。
これは一見わかりやすい意見に感じるが、冷静に考えると、何を言ってるのかわからないところがある。

この言葉をそのまま受け取れば、言われてないのにやらなければならない事が存在すると言う事になる それが何かを自分で考えてやれという事だ。
そのやらなければならない事は、どの程度必要なものなのか? 必須なのであれば言わない方がおかしい。成長させようとあえてそうしているのなら、「言われた事しかやらない」という指摘も意地悪な言い方だ。

勝手な期待をかけて、やらなかったからといって不満を言う。
全くおかしな話だ。 自分は偉いんだから忖度して仕事してもらわないと困る。
なんでこちらからいちいち指示しなければならないんだ、ということなのか。

確かに、仕事の内容によっては、全てを事細かく指示する事ができないとか、個人の裁量に任されているようなものもあるだろう。
しかしそれだって、一回やらせてから自分の期待値に足りない所を教えてやれば良いだけの話だ。

抽象的な話ばかりではモヤモヤするので、いったいどういう事例に対して上司は怒っているのか、調べてみた。 (といっても、お金をもらってこれを書いているわけではないし、時間も浪費したくないのでざっと調べただけです。)

殆どは、抽象論ばかりで具体的事例がなかなか無い。とりあえず一つ(2ケース)見つけたので紹介する。

事例1

会議に使う資料の印刷をお願いした。プレゼン用の資料とその根拠となる詳細データ資料の2種類を10部。出来上がった資料を若手が持ってきた。あ……これ、全部A4で印刷しちゃったの? データの資料は文字が小さいからA4だとめちゃくちゃ読みづらい

りそなCollaborare

こんなの、あなたが指示し忘れただけでしょう。だから本人が考えてA4にしたんでしょう(選択結果の良し悪しは別として)。 そもそも、こういう類のリクエストは、細かくするべき。 見栄えなんて人それぞれの感性の問題なんだから。
例えばパワポ資料等を作ってもらう時、細かく指示するのが常識。文字サイズなんて最たるものだ。 何も指示せず出来た物を見て、大量の修正をフィードバックするなんて馬鹿げた事はしてはいけない。 部下もたまったもんじゃない。

事例2

お願いした報告書が上がってきた。「まとめ」のページが空白だ。確かに「『まとめ』はこっちがやるからいいよ」とは言った。まだ今回の報告書の総括を任せるのは早いから。でも「1回、トライしてみたので見てもらえますか」とか、そういう感性もあってほしいんだけどなぁ……。

りそなCollaborare

はぁ? これを「言われたことしかやらない」と言ってしまうのですか?
やらなくてもいいよって言われたのに、その通りにしたら、向上心があればやってみるべきだろ、と言われる理不尽さ。

これらは「言われたことしかしない」事例というより、指示不足の事例というべきだ。 事例1は、もし気をきかせて印刷サイズはどうしましょうと聞いたら、それは任せるよ、と回答する人もいるでしょう。
その事がまた、自分で考えず「人に聞く…」という不満になるのでしょう。

全く参考にならない事例ばかりだったが、結局この問題の本質は主体性・積極性を持たない仕事のスタンスが問題である、ということらしい。 

それはそれで正論である。しかし、正論を抽象的に言う事は意味がない。 それを言う人は、総論賛成各論反対という言葉をもっと認識した方がよい。

抽象的な正論があって、それは否定の余地がない。
しかし、だからと言って各論も正しいとは限らない。 抽象的な正論というものが、どれだけ意味がない事なのか。

まとめに入ります。
私が感じた事は、主体性・積極性とは何なのか? +αをする事なのか? やる気を見せる事なのか? と言う疑問。

「言われたことしかしない」なんてあまりに曖昧な言葉で、何がそれに該当するのかも分からない。

またこの手の話には、「質」の要素がない。
言われた事だけをするにしても、期待以上の完璧な質でこなしたら、多分それだけで意欲があると受け止められ、主体的・積極的な社員とみなされるだろう。

結局何が言いたいのかよく分からなくなってきたが、兎に角、「質の高い仕事」さえしていれば、言われた事しかしなくても、あらゆる文句を跳ね返す事ができるはずである。 空回りの主体性・積極性なんかよりも、そちらのほうが遥かに重要ではないか。


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