見出し画像

「対話型AI」の回答は既存情報の平均値である(凄い回答を期待するなら分析型AIが必要)

対話型AI(ChatGPTやBARD等)に何かを教えてもらう場合、何を期待するでしょうか? AIなんだから突出した素晴らしい回答を出してくれるのでは、なんて思ってませんか。

他のAIならまだしも、「対話型AI」にそんな能力はないです。
だから、「AIに聞いてみた!」とか「AIが教えてくれる◯◯!」
みたいなものは、全て既存のしかも平均的な回答しか返してくれません。

何故そう言えるか。それは簡単です。
AIがどの階層の学習をしているかを考えてみればいい事です。
対話型AIは言語を学習しているだけです。言語は人間が出したOUTPUTです。
つまり、人間が考えた結果を学習しているにすぎません。

その結果を利用して更なる良いアイデアを出すなんて事もありません。
AIの学習とは、典型パターンを覚えこんで全てをそれに当てはめるだけですから。我々が考える学習とは「理解する事」ですが、AIの学習はそうではありません。

従って、誰かが考えた結果以上の事を回答してくれる事はないのです。
AI(対話型AI)が独自で考えた素晴らしい回答などないのです。

その誰かが考えた回答でも、その人だけが思いついた素晴らしい回答をAIがパクってきてくれるなら素晴らしいです。
しかし、その回答は少数派意見なので切り捨てられ、専門家が考えた一般的な回答が採用されるだけです。

AIがどの回答をパクるかは、多数意見を正とみなし決めるわけです。勿論、多数意見とは我々凡人が考えたものではなく、専門家が考えたものなわけですが、それを我々凡人たちがパクってネット上に配信するために、結果的に多数意見となるわけです。 


では、人間を超える回答を出してくれるAI(分析型AI)は何が違うのでしょうか?
先述した「どの階層で学習」しているか が対話型AIとの差です。

つまり、人間が解釈する前の「生のデータ」を学習する事が、対話型AIと分析型AIとの決定的な差です。 

例えば「少子化対策」を対話型AIに聞いたところで、恐らく政府が発案した様な内容が返ってくるだけです。それは前述のとおり誰かが発した言葉を学習しているだけだからです。

しかし、もしデータだけで分析型AIに少子化対策を考えさせれば、別のアイデアが出てくるかもしれません。 

ただ問題は、どんなデータを見せるのかは人間が考えているわけで、そこから導き出させる回答は、結局人間が考えたものと同じになる可能性があります。
つまり、データの提供には人為的な要素を排除する事はできないので、そこに限界があります。

それに対して、将棋や囲碁の場合は、関係データを不足なく100%提供できる為、AIの能力がフルに発揮できると言えるでしょう。

殆どの問題は複雑です。 経済、景気問題にしても、感染症にしても、複雑すぎてそもそもどれだけのデータがあれば正しい分析ができるのかも分かりません。

まとめとしまして、
対話型AIは、定説を聞くのが正しい使い方です。新しいアイデアを問うものではありません。(キャッチコピーの様なアイデアは別です)。
定説以上の結果を期待するならば「分析型AI」が必要です。
しかしパラメータが100%明確な分野でない限り、有効活用するのは難しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?