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その2倍は本当に2倍ですか?

2倍と聞いたら、普通はそこそこ凄い増量だと感じます。
しかし、確かに2倍だけど、意味のある2倍と無意味な2倍が存在します。
別の言い方をすると、本当の2倍と、ほぼ変化がない嘘の2倍が存在します。
何でそんな事になるのかを説明します。
(この話、2倍でなくて何倍でもいいのですが、シンプルに2倍としてるだけです。2に特別な意味はありません)

東京ドームの昨日の入場者数は2万人で、本日は4万人でした。
これは2倍増えた事になります。

では、これはどうでしょう。
東京ドーム、昨日の入場者数は1人で、今日は2人でした。

これも2倍には違いないです。しかし先出の2倍とは意味合いが違います。
もし、これを集客対策の結果として使ったら、2倍という数字は詐欺同然でしょう。

そもそも東京ドームの収容人数は約5万人ですから、1人、2人は誤差であり
倍と表現するのは変だと気づくわけですが、実際の人数を伏せて2倍とだけ言えばそれに気づけません。 

普通はこのようなケースで2倍などと表現をする人はいませんし、もしそう表現したとしても2倍って何人よ? と誰もが疑問を抱くでしょう。

しかし、私たちの勘が働かない分野では、時として変な2倍を鵜呑みにしてしまう事があります。 例えば有害物質が1ppm から2ppmに増加したとします。
人によっては、これを2倍と表現するでしょう。しかし、もし基準値が10000ppm(10000ppm以内ならOK)である事を知ったらどうでしょう。

恐らく2倍という表現はおかしいと感じます。測定誤差の範囲内で、ほぼ変化無しと考えるのが正しいと思うでしょう。

もし基準値が10000ppmではなく、10ppmであったら、1ppmと2ppmの違いは正に2倍と言えるのでしょう。

つまり、勘所のない分野で、倍とか、半分とか、何%増加とかの数字を安易に信じてはいけないのです。

銀行の普通預金の金利は0.001%くらいです。
10万円預けて1年後に貰えるのは1円です。
0.002%の銀行だと2円貰えるから、そっちの方が得と感じるでしょうか。
数字上は確かに2倍ですが、これを2倍とは言いたくないです。どっちも同じ様なものですから。

でも100億円預けている人にとっては、この差は意味があるかもしれません。利子はそれぞれ10万円と20万円になるわけで、この場合は金利の2倍をまさに実感できます。

2倍とか、半分などという数字には意味がない場合がある事を認識して下さい。
前提の違いによって、2倍の意味は全く違うものになるのですから

重要な局面で、このような数字がでてきたら、ぜひそれだけで判断せず、その背景にある実際の数字も含めて意味を考えて下さい。


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