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画像認識プログラムを作ってみよう - 第一章「画像認識の技術について」 - 第一次人工知能ブーム(推論と探索)

 まずは、第一次人工知能ブームからみてみましょう。
人工知能(AI:Artificial Intelligence)という言葉が最初につかわれたのは、今から60年以上も前で、1956年のダートマス会議(学術における研究分野を発表する場を設けるための会議)でJohn McCarthy(ジョン・マッカーシー)博士の発言とされています。
John McCarthy博士は、人工知能研究の第一人者で、プログラミング言語「Lisp」の開発者です。
 第一次人工知能ブームは、1950年から1960年代に起きました。第一次人工知能ブームは、「推論と探索」がキーワードです。つまり、コンピューターがパズルを解くためのアルゴリズムが人工知能と呼ばれていました。パズルを解くためのアルゴリズムと言えば、最近では2016年3月に、Googleの「アルファ碁」(AlphaGo)が、囲碁の世界最強プロ棋士と謳われた韓国の「李世ドル(イ・セドル)」を4対1で破って勝利したのが有名です。
 第一次人工知能ブームの特徴は、「推論と探索」です。これは、ゲームやパズルを解くために必要なアルゴリズムのことで、つまりは答えが確定している問題に対してその解答を導き出すためのものです。現実世界の問題を解決するには程遠く、「トイプロブレム」(Toy Problem)、要は「おもちゃの問題」を解くためのものだと揶揄され始めました。
第一次人工知能ブームに開発された人工知能は、人工知能と呼ぶには程遠く、次第にそのブームは終焉を迎えます。

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IBM 702: 第一世代のAI研究者が使ったコンピュータ
Wikipedia - 人工知能の歴史
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

 ただし、第一次人工知能ブームで考案されたアイディアについては、現在の第三次人工知能ブームにも強く影響を与えています。例えば、「パーセプトロン」(Perceptron)という技術は、視覚と脳の機能をモデル化したものであり、パターン認識を行います。パーセプトロンは、「人工ニューロン」(Artificial neuron)や「ニューラルネットワーク」(Neural network)の一種であり、人間の脳の構造や神経回路を模して考案されたものです。
この「パターン認識」(Pattern recognition)とは、多くの情報のなかから、ある規則性を見つけ出し、識別するための技術です。後ほど第三次人工知能ブームについての説明を行いますが、第三次人工知能ブームはこの「パターン認識」が非常に重要な役割を担っています。

・人工知能(AI:Artificial Intelligence)という言葉が最初に使われたのは、1956年のダートマス会議で、John McCarthy博士が最初とされている
・第一次人工知能ブームのキーワードは、「推論と探索」。ゲームやパズルを解くためのアルゴリズムが人工知能と呼ばれていた
・第一次人工知能ブームでは、「トイプロブレム」(Toy Problem)と呼ばれ、つまりは「おもちゃの問題」を解くためのものであり、実用性に欠けていた

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