40代主婦がウデマエXになった話【スプラトゥーン2】

新型コロナウィルスの渦中、私はウデマエXになった。

Nintendo Switchのソフトにある『スプラトゥーン2』というゲームに出合ったのは、2年10ヶ月前になる。品薄だった本体を買うためにようやくゲットできたのが、本体とこのスプラトゥーン2の同梱版だった。そもそもNintendo Switchを買うのも、夫と子どものためであったので、自分は後ろでゲームする2人を見ようと思っていたのだ。それもスプラではなく、別ゲームを。ただ、この同梱されたゲームを触った夫が勧めてきた。

「このゲームは女の人も向いてると思うよ、やってみたらー」

確かに、イカやタコを模したキャラクターはかわいい。出てくるキャラも個性的なウニやネコ。ゲーム内で「ギア」と呼ばれる服装(これがまたデザイン豊富)を組み替えることでゲームプレーに影響がでる。ゲームを上手くしたいと格好悪くなりそうで、センスをくすぐってくる。
そんな見た目の楽しさがありつつ、自分が操作するイカやタコが各々好きなブキを使ってインクを掛け合って、特定のルールに基づいて勝敗が決まるのがこのスプラトゥーン2である。勝負はルールにより3分もしくは5分。4対4の対人戦が基本。
ギア作ってネットで対戦して…と楽しんでいると、友人とプレーするとさらに楽しいというネット情報を目撃した。一緒に話しながら敵が右だの左だの言って楽しむらしい。ゲームフレンドなんていないけど、mixiやFBを使いこなしたSNS世代、ちょっと同じ境遇の人をネットで探せばすぐに見つかった。同じ時間帯で遊ぶフレンドの輪はあっという間に増え、右だの左だのいいながら、自分も入れた4人の味方で通話をし、毎晩のようにゲームを2~3時間遊び、プレー時間はどんどん増えていった。

さて、対人戦が基本のこのゲームには、プレイが上手下手の客観的基準がある。これが「ウデマエ」システムだ。要はレベルのような実力クラス分けのような。ウデマエを上げることはひとつの目標になるし、客観的評価と自尊心UPへと繋がる。ゲーム時間が増えれば経験値が上がってレベルアップする…というものではなく、ガチマッチと呼ばれるバトルに一人で挑み、ランダムに集められた同じウデマエ帯の8人で4vs4に振り分けられ勝たないと、勝ち続けないとこのウデマエは上がらない。

ウデマエは以下で評価される。
 X>S+9…S+0>S>A+>A>A->B+……C>C-

スタート時は全員C-。そこから勝ち進めていって最高峰はウデマエX。ちなみにウデマエXになると今度はXパワーという数字評価が付き始め、天井はない。このXに到達することが一つの目標となり、ウデマエXになると「すげー」って言えるし思われるのがスプラトゥーン2の世界である。

話を自分の事に戻すと、プレー時間が増えていく中、フレンド同士チームを組んで遊ぶ楽しさにすっかりハマり、ウデマエなんてどうでもいい、となっていたのだけど、フレンド同士のチーム戦である「リーグマッチ」でメダルが欲しくなってきた。このリーグマッチは客観的に「リーグパワー」という数字で表現され、その時間に遊んでいるチームの相対割合でメダルが付与される。上位50%ならブロンズ、20%ならシルバー、5%ならゴールドだ。ちなみにそれ以下だと「ランクなし」と評価される。
最初は当然ランクなしで4人でワイワイ遊ぶ楽しさが中心だったのだけど、強いフレンドと知り合いになりブロンズが取れるようになると、今度はシルバーが欲しくなる。いつかはゴールドと夢に見る。こうしてまたゲーム時間は増えていく…気づけば2500時間をスプラトゥーン2に費やしていた。日数にして800日近い。

さて、先に話したウデマエであるが、これを上げるとフレンドとのリーグマッチにも影響がでる。当然いいメダルのためには自分もウデマエを上げる必要がある。その日その日でフレンドを探して遊んでいるうちはウデマエはあまり気にしなくていいのだが、気づけば顔なじみで遊ぶ面々が増え、さらに同世代でグループも作り、さらにさらに固定で毎日のように遊ぶフレンドもできてしまった。こうなると、昨日よりいい色のメダルを、パワーを、同世代グループでもみんなで研鑽し合ってより上を、と目指すようになる。毎日のように遊ぶフレンドは優しい。別にウデマエなんて気にしてないよ、と言う。しかし初めてシルバーやゴールドを取ったときはそれはそれは喜んだので…やはり私がウデマエを上げることが必要かなと思ってはいた。

しかしガチマッチは一人で挑まなくてはいけない。フレンドと遊ぶ時間を削って一人で入りマッチングした4人と戦い、勝つプレーをしなくてはウデマエは上がらない。私はS+0というウデマエで1年間ガチマッチを拒否した。ここからXを目指すには、S+のウデマエ帯で10回レベルを上げる必要がある。ちなみにS+0からS+1になるには約10回勝たないといけない。この間に負けたら降格もあり得る。S+0の状態からXになるには、約100勝しなくてはいけないのだ。それも勝ち先行で。試合は5分、100勝するには…そういうことだ。

勝つプレッシャーと自分の能力を信じての戦い、私は基本的にチキンプレイヤーである。どう挑むべきかとぼんやり考えていたところ、3人のフレンドが背中を押してくれた。1人は最近遊ぶようになったX2500近いフレンドで(スプラをやってる人はこれが上位勢と気づくでしょう)、数回遊んだだけで「あなたはXになれると思いますよ」とさくっと勧めてきた。もう1人もここ数ヶ月遊んでオフでもご飯を食べたフレンドだ。ウデマエはX、上手い。「チーム戦やっててもいつも結果いいし、いくんじゃないですかー?」とこれまた軽い口調だった。この私が強いと思う2名が、あまりにも軽く当たり前のように「Xになれると思う」と発言してくれたことは大きなきっかけになった。
これに加えてもう1人、1年半も毎晩のように遊んでいるフレンドがいる。ウデマエはX。それだけ遊んでいるので私のクセもメンタルもまあよく知っている。何か月前からだろう、「Xになれると思うよ」とぼんやり言われてはいた。だが毎日遊ぶのでおだてているだけであろうと思っていたのだが、上の2名と一緒のときに「だから何度も言ってるじゃん」と一言。ああ、ずっと言ってたのはマジだったのかとここで気づいた。てことは、やってみるしかない、と一念発起した。

時はコロナ禍、家に籠ることが多くなり、外出予定が一気に消えた。つまり多少夜更かしができる環境が整った。フレンドと遊びたいから2時間は一緒に通話プレーで遊ぶ。その後で一人でガチマッチに挑んでウデマエを上げる時間ができたのだ。

4月23日だった、初めてS+1になったのは。緊急事態宣言の渦中だった。そこからガチマッチをプレーするたびにウデマエは上がった。気づけばGW終わりにはS+8になっていた。あと2ランクUPでウデマエX。ここでちょっと停滞する。ここで頼ったのが、私と同じプレースタイルでウデマエの高い学生の子だ。「師匠」と呼ばせてもらっている。同じプレースタイルなので質問も絞って相談できる。そしていつも、相談すると丁寧に答えてくれる。

実は学生の彼に出会う前に、辛い目に遭ったことがある。同じプレースタイル(と思っていた)人に知り合い、何でも教えるよという言葉で色々質問していたら、「お前は一生Xになれない」と吐き捨てられたのだ。その時はXになるための質問ではなく、プレーのことやブキのことを聞いている途中で突然言われたのだった。このゲームの界隈では、時に上手下手でマウントを取り合うことがあるのだが、私はこの人に思いっきりマウントを取られ、足蹴にされたのである。実際当時はかなり下手だったので悔しいとも見返してやるとも思わなかったのだが、スプラをやめようかとは思った。そんな中で同じプレースタイルを好む師匠に出会ったのはラッキーだったとしか言い様がない。結果、師匠の動画や攻略法を頭に叩き込み、スプラをやめることはなかった。

閑話休題、この師匠に、自分のプレーの悩みを相談した。録画できる環境もあったので、自分のプレーを見てもらった。そして師匠はいつも厳しく時に優しく答えてくれた。録画もチェックしてくれ(見てコメントつけるとおそらく2時間程度費やしてくれていたと思う)、その後の軌道修正にも大いに役立った。おかげでS+8からS+9に昇格ができた。
師匠をバックに、フレンドの言葉を励みに、いざS+9まできての昇格をかけた2時間が始まった…この2時間、前述の毎日のように遊ぶフレンドが通話で付き合ってくれた。付き合うと言っても私が「ダメだ」「ナイス」「無理」「勝った」とかいう独り言に相槌を入れる作業である。暇な人しかできないはずだが、どうやらドラクエやりながらちょうどよかったらしい。そしてこの昇格を賭けたS+9の試合はドラマティックにあと1勝できればX、負けたら再チャレンジ確定というところまできた。

最後の1試合、スケジュール的にもこれがラストのマッチング。ガチマッチへいきますか?「はい」とAボタンを押す…
(ここからはスプラを知る人に臨場感を味わってもらうため専門用語入れます)ガチエリア、チョウザメ造船、2060パワー。ここのところずっと2050前後のパワー帯だったので自分の適正帯なのだろう。私の使うブキ、ホクサイ・ヒューのような短射程には少々不利なステージ構造。私が得意とするジャンプビーコンもこのルールとステージの組合せはあまり刺さらない。ただ師匠から打開と抑えのポイントは聞いていた。序盤押されてしまい人数不利が続く。「試合が終わる判定が出るまでは何があるかわからないよ」通話のフレンドも言う。相手にリードされているが、やることは基本に忠実。まずはスペシャルのマルチミサイルを使う、自分の向かうルートでビーコンを置く。4人でラインを上げていき打開が無事成功。その後の抑えは慌てずに相手の動きを見て、エリアに関与させないよう立ち回る…成功。しかしまた打開される。こちらも慌てずに打開する。徐々にこちらのカウントが押していく。逆転成功。ラストカウントがいいところで相討ちデスをしてしまった。抑えの人数減は試合に響く。マップを見ながら祈る、味方がんばれ…!気づいたら味方がオールダウンを取ってくれた、そこでゲームセット。「勝ってしまった」と口から出た記憶がある。つまりは、ウデマエXに昇格したのだ。最終戦は8k5d。私の使うブキではちゃんと試合に貢献した個人リザルトだったと思う。

ウデマエXになると、画面でも「ガチマッチの頂点へたどり着いたキミへ! ウデマエXへの昇格おめでとう!」と出てくる。そう、頂点に行けたのだ。公式にもお祝いしてもらえたのだ。40代でゲームがこんなに楽しいと初めて知った。40代でも勉強して遊べばXになれると知った。
名前を挙げた面々にはもちろん、グループで一緒に切磋琢磨した仲間たち、たくさん遊んでくれた皆さん、味方でも敵でも戦ってくれた皆さんには感謝しかない。この場を借りてお礼を、本当にありがとうございました。なお、ウデマエXになった翌日、ランチはお寿司にしたり、夜はちょっといいお肉を買って焼いたりした。子どもは「お肉おいしーい!」と言うので、めでたいことがあったんだと伝えておいた。

以上が私のコロナ禍のウデマエXへの道。正直、スプラトゥーン2をプレイする人には今更なタイミングでのウデマエUP。だけど、そこまでしても嬉しいのがウデマエXという称号なのだ。
さて、あと3ルールのXチャレンジもあるが…挑むかどうか含めて、それはまた別のお話で。

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スプラトゥーン2プレイヤー。40代主婦。 スプラ2では主に深夜帯にホクサイ・ヒューを振りビーコンプレイを楽しんでる。 https://html.co.jp/ikabento