27歳、甲状腺がんです

◆はじめに

ごあいさつ

健やかに生きてきたつもりでしたが、27歳にして突如「甲状腺乳頭がん」という診断を受けました。
進行は極めて遅い、予後良好、癌の中で最もおとなしい、とは言われても、この歳で体内にがん細胞がいる、という事実には衝撃を受けました。
今後の生活はどうなるのか?仕事は続けられるのか?好きな事は好きなだけ続けられるのか?など、尽きぬ不安や疑問を解消すべく色々と情報収集をしている中で、同じ病を経験された方のブログは非常に参考になりました。

自身の記録もどうせならネットの海に流して、誰かの一助になれば幸いと思い、noteに書き留める事にしました。

今後も定期的に更新します。
よろしくお願いします。

プロフィール

年齢:27歳(診断時)
性別:女(生物学的に)
職業:システムエンジニア
主な既往:アキレス腱断裂
親族の甲状腺既往:なし
親族のがん既往:あり(胃、大腸)

◆概要

診断

病名:甲状腺右葉 乳頭がん (大きさ11mm)
クラス(悪性度):Ⅴ
ステージ(進行度):Ⅰ (若年、遠隔転移なし)
前頸部付近のリンパ節に転移あり

検査

血液検査、頸部エコー、穿刺細胞診、造影剤付きCT

治療

手術:甲状腺全摘出、リンパ節郭清
※片側で反回神経麻痺が起きた場合、右葉半摘出に留める予定
入院期間:4泊5日(2日目に手術)

費用

術後の経過観察を含めると永遠に加算されるので、初診~手術までにかかった費用とする。
健康保険の高額療養費・付加金のおかげで入院・手術費用がかなり抑えられたのは有り難かった。
(それ以外の医療保険に加入していなかった事が悔やまれる)

  1. 初診:¥10,100

  2. CT+再診:¥10,120

  3. 入院前検査:¥10,570

  4. 入院前診察:¥4,630

  5. 入院・手術費用:¥24,200

合計:¥59,620

◆2023/01/13 健康診断

会社の健康診断にて。
内科の触診で、一瞬スルーされたものの「やっぱり首の右側にしこりがあるわ。精密検査に行ってきてね。」との事。
自覚症状は全くなく、ネットで調べると「ほとんど(9割)良性」と書かれていたので、大した事にはならんだろうと思っていた。

◆2023/02/18 検査

某甲状腺のクリニックにて。
まずは血液検査のために腕から採血。注射大好き。
その後エコー検査+穿刺細胞診を実施。
首に針を刺されて痛みを感じた直後に失神・痙攣したらしく、気が付くとベッドに寝かされ、主治医・看護師に見下ろされていた。
てんかん持ちではないので、恐らく何回か経験のある迷走神経反射の可能性が高い(注射起因は初めて)。
1時間ほど休んで穿刺再チャレンジ。2か所を刺された。

血液検査とエコー検査の結果は即時に出たが、良性/悪性の判定は細胞診の結果がないと出せないとのことで、この日は終了。
血液検査の結果はサイログロブリン値が高めだと言われたが、どうせ良性であろう、と思っていた。

費用:初診料+検査料 ¥10,100

◆2023/03/04 検査・診断結果

朝イチでクリニックとは別の検査機関にて。
造影剤付きのCT検査を行い、データを受け取りクリニックへ直行。空腹。

診察室に入って早々、「甲状腺がんの疑いありですね、リンパ節の転移もありそうです」とあっさり告げられ、病態と手術の説明が始まる。
がんである、という事実による瞬間的なストレス+空腹のストレスのせいか視界が暗くなってきたため、医師に説明の中断を申し出た(恐らく迷走神経反射)

1時間ほどベッドで休憩した後、説明再開。
癌は手術で摘出して病理検査で確定するまでは断定できないのだそう。
自分の場合、腫瘍は甲状腺の右葉にあるが、首の中央部のリンパ節に転移の疑いがあるため、甲状腺の全摘出とリンパ節郭清を勧められた。
半摘出+リンパ節郭清も可能ではあるが、いずれにせよメリット・デメリットがあるのと、手術の後遺症(反回神経麻痺、気管切開、低カルシウム血症など)に怖気付き、次回診察までに方針を決める、という事で保留。
手術日は、主治医の直近の予定に空きがなく6月下旬になった。
進行が遅いので期間が空いても問題はないらしい。

費用:CT検査¥8,990 + 再診料¥1,130 = ¥10,120

◆2023/04/28 診察・入院前検査

クリニックではなく、主治医が非常勤として在籍する総合病院にて。
この日は手術で摘出する範囲を決定した。
全摘か、半摘かでギリギリまで悩んだが、「再発のリスクは排除したいが、気管切開のリスクを負ってまでの全摘は避けたい」という自分なりの結論を出し、前述の通り条件付きの全摘出+リンパ節郭清とした。

診察後に入院前の各種検査(採血、エコー、肺活量、胸部レントゲン、心電図)を実施した。

費用:初診料 + 検査料 = ¥10,570

◆2023/06/02 入院前の診察

総合病院にて。
前回に実施した入院前検査の結果は特に問題なく、手術可能との事。
主治医に診断書作成のお願いと、摘出する甲状腺の画像を貰えないかの確認だけして診察は終了。
診断書は「退院日から2週間程度の自宅療養を要する」としてもらった。
甲状腺の画像は、病理検査中の画像ならOKとの事。

その後、看護師、薬剤師との面談を行い、入院前の生活における注意事項、入院中や手術の流れなどについて一通り説明を受けた。

費用:再診料 + 診断書発行料 = ¥4,630

◆2023/06/22~2023/06/26 入院・手術

総合病院にて。
結果的に甲状腺を全摘出したものの、想定より身体的負担は少なかったように思う。(飲み込む際の違和感、首を伸展・回旋する動きや咳・くしゃみで痛みが出る、などはあったが…)
詳細は別ページにまとめました。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 50㎍×2錠

  • アルファカルシドール:1日1回 1㎍×2錠

  • 乳酸カルシウム:1日4回 1g×2包

費用:¥24,200
(入院・手術費¥89,500 - 健康保険の高額療養費・付加金¥65,300)

◆2023/06/30 術後の経過診察その1

術後1週間。総合病院にて。
創部に貼っていたテープを取り、薬(チラーヂン、アルファカルシドール、乳酸カルシウム)を処方してもらった。
乳酸カルシウムのみ、定期服用から手足に痺れが出た時のみの服用に変わった。
主治医に首を可動域ギリギリまで伸展・回旋させられたが、痛みは感じなかった。(恐らく、遠心性収縮(首を伸展しながら力を入れる動き)で痛むと思われる)
動かさないと固まって可動域が狭くなるため、今後は積極的に動かし、運動も痛みの出ない範囲で再開して問題ないとの事。
また、抜糸について尋ねたが、縫合に吸収糸(溶けるタイプ)を使用したので抜糸はしないという。有り難き医療技術。

看護師さんに新しいテープ※を貼ってもらいながら、貼り方を教わった。4~5日に1回貼り換える必要があるらしい。
(余談だが、看護師さんに「今まで見た傷の中で一番きれい」と言われた。確かにアキレス腱縫合の傷より遥かに細く、ほぼ見えない)

※マイクロポアテープとアトファインMサイズで選べた。
前者は安いが(1ロール440円)、適度な長さに切って数枚を重ねて貼る手間があるので、1枚で簡単に貼れそうな後者(1枚330円)を採用した。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 50㎍×2錠

  • アルファカルシドール:1日1回 1㎍×2錠

  • 乳酸カルシウム:手足に痺れが出た場合(以後、服薬しなかった)

費用:再診料 ¥430+ 処方箋料¥750 = ¥1,180

体調メモ

  • 首の可動:力を入れると痛むが、伸展・回旋が出来るようになった

  • 首の皮膚感覚:知覚鈍麻や引っ張られる感覚は残っている

  • 嚥下:違和感が弱まり、以前の食事スピードに戻った

  • 発声:日常会話は問題ないが、高低音・大きな声・ロングトーンは難しい

  • 体力:2時間は歩行できた

◆2023/07/10 術後の経過診察その2

術後2週間半。クリニックにて血液検査を行った。
サイログロブリンの値が正常範囲まで下がったので、ひと安心。
創部の治り具合も良好で、特に問題はないがテープの貼付はまだ継続。
また、この日まで休職扱いのため、健康保険の傷病手当金申請書の医師記入欄に本件の内容を記載してもらった(有料・保険適用)。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 50㎍×2錠 → 1日1回 100㎍×1錠

  • アルファカルシドール:1日1回 1㎍×2錠 → 1日1回 1㎍×1錠(減薬)

費用:再診料 +検査料+書類交付料 ¥5,240 + 処方箋料¥760 = ¥6,000

体調メモ

  • 首の可動:痛みはなく、可動の制限は殆どなくなった

  • 首の皮膚感覚:創部付近の知覚鈍麻や引っ張られる感覚は残っている

  • 嚥下:問題無し

  • 発声:日常会話は問題なし、歌唱面では音域の狭さや不安定さが残る

  • 体力:マシントレーニングを再開、30分程度のランニングが可能

◆2023/07/18 復職

術後約1ヶ月。
復職にあたって異動や特別な手続きもなく、関係者に復職の挨拶だけして元の担当業務にそのまま戻った。
デスクワークな上に過酷な残業を強いられる現場ではないが、今後は一病息災無理厳禁を個人的標語として掲げ、身体にやさしい働き方を続けられればと思う。

体調メモ

創部付近の皮膚感覚や疲労感を除き、手術前の状態とほぼ変わらず

◆2023/08/01 術後の経過観察その3

術後約1ヶ月半。クリニックにて。
血液検査は異常値なし。
摘出した甲状腺・リンパ節の病理検査結果が出たので説明を受けた。
端的に言うと「甲状腺右葉部の乳頭がん・リンパ節への転移が確定」という結果だった。
摘出したリンパ節16個のうち、13個にがん細胞の所見が認められたらしい。
確かにがん細胞があったとはいえ、サイログロブリンも正常値なので、今回の手術でほぼ全て取り切った事になる。(超微小なヤツがいる可能性はあるが)
今後は甲状腺ホルモン関係の数値を調整しつつ、経過観察を続けていく。
また、創部のテープは不要となり、血行促進・保湿用のクリームを塗布するだけとなった。

体調についても特に問題はなくなった。
酒も飲めるし、筋トレの頻度を週2に増やしたら体脂肪率が少し落ちてきているので、手術前より健康体かもしれない。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 100㎍×1錠(継続)

  • アルファカルシドール:1日1回 1㎍×1錠 → 1日1回 0.5㎍×1錠(減薬)

  • ヘパリン類似物質クリーム:外用薬、1日2回塗布

費用:再診料 +検査料 ¥4,430 + 処方箋料¥820 = ¥5,250

◆2023/09/05 術後の経過観察その4

術後から2ヶ月半。クリニックにて。
血液検査の結果は特に異常なし。
待望の病理検査の画像データが届いたようで、見せてもらった。
甲状腺自体は腐った生肉のような薄めの赤茶色で、その中に真綿のような真っ白な癌細胞が付いていた。
癌細胞=悪=黒というイメージを持っていたため、予想外の白さに驚いた(染色処理によるものかもしれないが)
残念ながら画像データを貰う事は許可されなかったので、気が向いた頃に数千円を払ってカルテ開示請求をしようかと思う。
引き続き創部にクリームを塗布し、投薬量を調整していくこととなる。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 100㎍×1錠(継続)

  • アルファカルシドール:1日1回 0.5㎍×1錠 → 1日1回 0.25㎍×1錠(減薬)

  • ヘパリン類似物質クリーム:外用薬、1日2回塗布(継続)

費用:再診料 +検査料 ¥4,430 + 処方箋料¥750 = ¥5,180

◆2023/10/10 術後の経過観察その5

術後から3ヶ月半。クリニックにて。
血液検査の結果は特に異常なし。
今回よりアルファカルシドールの投薬がなくなり、チラーヂンのみを服用し続けることになる。
創部へのクリーム塗布は継続。

【薬】

  • チラーヂン:1日1回 100㎍×1錠(継続)

  • アルファカルシドール:1日1回 0.2.5㎍×1錠 → なし

  • ヘパリン類似物質クリーム:外用薬、1日2回塗布(継続)

費用:再診料 +検査料 ¥4,420 + 処方箋料¥790 = ¥5,210

続く?


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