仙川「湯けむりの里」に行く

 今日から1/2までスポーツジムが休館日で風呂に入れない。家の風呂は倉庫と化しており、荷物を出すのが面倒である。
 そこで仙川の入浴施設に行くことにした。
 あのハリケーン・ヨーコに釣銭をむしり取られて渡された「入浴券と岩盤浴券」を使う。ネットで調べたら年末年始営業で祝日料金で100円を追加、岩盤浴が半額券なので350円追加と、最低450円は払わなくてはならない。
 これが「追い銭」にならないことを祈っている。

 今になって「ヨーコ旋風」の凄まじさを思い起こしている。
 ニューヨークはコロナでカラオケなど営業できない。日本は歌えるから、ぜひ行きたい、というので地元に連れてきた。そしたら自粛期間で22時閉店だった。

 ヨーコは即座にスマホで調べ出して、「ガールズ・バー」を見つけ出した。「ここが歌えるみたい」とGPSに導かれて行った。
 怪しいビルだったが、店内は広くカラオケの巨大画面やダーツなどの施設が完備されていた。

 イーズカとヨーコの元にも女性が一人ついた。
 ヨーコは女性の相手など、まるでしない。早速歌い出し、踊りまくっている。そこには別テーブルの男性客も遠征してくる。
 イーズカはヨーコの相手をしなくても済むので、これ幸いに女性と話しながら眺めていた。

 女性から「お連れの方を放っておいてイイのですか?」と訊いてくるので「まったく構わない、むしろありがたい」と答えた。
 入場料が男性3000円、女性2000円で2時間なのでカラオケ・ボックスと同料金程度であった。

 午前2時ころ、イーズカは「もう寝るわ」と帰宅した。ヨーコは「アンタの家はGPSで分かるから、玄関を開けておいてね」というので、了解して別れた。
 その後ヨーコは1000円だけ自分で払って、朝まで歌って騒いでいたらしい。

 朝6時、イーズカが起きるとリクライニング・チェアでヨーコが丸まっていた。
 イーズカは7時出勤なのでベッドから抜け出した。その瞬間、ヨーコがベッドに潜り込んだ。
 「温かいわ~、じゃあ行ってらっしゃい、お休みなさい~」とすぐに寝落ちした。

 イーズカが昼過ぎに帰っても、まだ寝ていた。
 コーヒーを飲ませて、昼食を一緒に済ませた。午後はヨーコが用事で出掛けて行く。「また、あのガールズバーに行きたいから、用事が済んだら連絡するわ」と言い残していった。
 そして翌晩も似たようなパターンが繰り返される。バーの店長から「ヨーコさんは、男性客のあしらいが上手いから、入場料だけで朝まで遊んで行ってください」と言われたらしい。なおかつ「酒は筋肉をダメにするから、殆ど飲まないの。ウーロン茶やジュースの飲むくらいなの」とかほざいていた。

 2晩泊りながら、ベッドを時間差利用しているだけで「ベッドを共にしたことはない」。肉体関係など成立しようがない。

 簡易宿泊所として利用されている。2拍目の昼など、帰ったらスマホで電話していた。スペインの彼氏と話していたようだ。
 「彼にイーズカさんに挨拶して~、簡単なスペイン語は喋れるから、と言ったの。でも恥ずかしいから、と代わってくれないの」とのことだった。

 東京宿泊所の大家・イーズカである。

 コイツに仙川の「しゃぶ葉」で奢らされて、お釣りまで奪い取られた。この入浴券を有効期限の12/31までにどうしても使い切りたかった。

 今日は大晦日なので、岩盤浴でダラダラと読書しながら一日を過ごす。

 ハリケーンが去ったあとの、リハビリテーションである。


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