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ローマ教皇イラク訪問と中東のキリスト教徒

ローマ教皇フランシスコが今日3月5日から8日までイラクを訪問します。

アラブのニュースチャンネルも、トップで手厚く報道しています。

フランシスコ教皇は「イラクのキリスト教徒との連帯を示すため」にイラクを訪問すると述べ、今回の訪問は歴史的なものだとされています。

しかし受け入れ側のイラクの体制は、非常にものものしいものとなっています。スカイニューズ・アラビーヤによると、教皇訪問のため、テロ対策部隊のエリート部隊を含む数千人の兵士が動員され、警備に当たっているとのこと。

なぜかというと、イラクにはカトリック教会の頂点にたつ教皇を憎悪し、殺そうとする輩が確かに存在するからです。

イラクは国民の多数派がイスラム教徒ですが、様々な宗教的マイノリティも暮らしています。キリスト教徒もそのひとつです。

イラクには紀元1世紀からキリスト教徒が暮らしていますが、歴史的に様々な宗教、民族の支配下におかれ、時に残虐な迫害にさらされてきました。

近年でいうならば、独裁者として悪名高いサダム・フセインの統治下ではキリスト教徒は案外平和に暮らしてきました。

フセインが世俗政策をとっていたからです。

ところが2003年の米軍侵攻でフセイン政権が打倒されると、

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