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オンラインで式典配信②

前回は,カメラからの映像信号を式典会場内で長距離伝送するにはどうするかという話題でしたが,今回は音声信号について取りあげます。

今回の式典はハイブリッド型(ハイフレックス型)でしたので,会場内でも音声を拡声しつつ,その音声をオンライン上へ流さないといけないというパターンでした。この場合は,会場既設のミキサーから音声を取り出さないといけません。会場にあるミキサーは様々あるので,一概には言えないのですが,以下の2パターンが考えられます。既設ミキサーの説明書や,端子部の写真なども見ながら検討してください。

①Group OUTがあるミキサー
ミキサーにGroup OUT端子がある機種(例:ヤマハMGシリーズのCH数が多い機種)の場合は,この端子から音声を取り出してオンラインに送るのが手っ取り早いです。どのCHの信号をどのGroupに送るかをミキサーのプッシュスイッチで決めてやる必要はありますが,会場側の音声レベルとGroup OUT(=オンライン側)の音声レベルを別々のフェーダースイッチで制御することができます。

②REC OUTがあるミキサー
ミキサーにREC OUT端子がある機種の場合は,この端子から音声を取り出します。ただし,音声信号レベルは会場音声レベルと同じになりますので,会場側とオンライン側の音声を別々に制御することはできません。会場では音声を流したいけど,オンライン側には流したくない(流す必要が無い)という制御がこのままではできません。

本校のホールに既設のミキサーは,誰でもスイッチを押せばマイクで拡声できることを第一に設計してあるので,REC OUT端子しか備わっていませんでした。よって,②の方法を採用せざるを得ませんでした。しかし,式典の第2部で学校紹介ビデオを流す場面では,②の方法を採用するとオンライン側に音声が重複して流れてしまいます。(会場からの音声と,ビデオにエンベッドされている音声が二重にオンライン側に流れてしまう)したがって,REC OUT端子から撮りだした音声を,別立てしたミキサーに入力して,オンライン側への音声制御をそのミキサーで行うようにしました。(会場既設のミキサーRECOUT→手前のミキサーCH1/CH2→ST OUT→ATEM miniのMIC IN)

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音声端子はさまざまな端子形状がありますので,事前に必要なケーブル長と端子形状も含めた配線計画が必要となります。手元にそのケーブルがない場合は,サウンドハウスのオンラインストアにいけば大抵は揃います。長さ・形状(XLR/フォン/3.5mm/RCA)・オスorメスを間違わないように揃えるのは意外と骨が折れます。

まとめ
ミキサーは会場既設のものを流用することがほとんどだと思います。型番や端子部分の写真をスマホなどで撮っておくと,いちいち会場まで足を運ばなくても,その写真や説明書(たいていはダウンロードできます)を見ながら配線計画を事前に立てられます。

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