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オンラインで式典配信③

前回と前々回は会場内での映像の伝送と音声の取り回しについての話題でした。今回は,ネットワーク環境について取りあげます。

ライブ配信では,安定した回線速度が求められます。普段の授業ではダウンロード方向の回線速度が重視されますが,配信の場合はアップロード方向の速度を普段から見ておく必要があります。回線速度は曜日や時間帯によって大きく変動するからです。回線速度の測定サイトはググればたくさんありますが,使うサイトは決めておいた方が傾向はつかみやすいと思います。私は以下の2サイトを併用しています。サイトによって測定値に大きな開きが出ますが,そこはあまり気にしていません。

インターネット回線は簡単に増強できるものではないので,普段の授業でどの程度の帯域が必要かを見極めて,計画的に整備する必要があります。ランニングコストも必要になるため,経費をどうしていくかも考えなければいけません。

本校では,英語の時間にオンライン英会話を実施するということがきっかけで,インターネット回線の増強を行いました。元々あった回線に加えて,2本の回線を新たに敷設し,冗長化をはかっています。そのようなこともあり,今回の配信では問題の無い回線速度を確保することができていました。その上でリハーサルを数回繰り返し,ATEM Mini ExtremeでエンコードしてYoutube Liveへデータを流すことを決めました。(ATEMのことは別にまとめたいと思っています。)

式典会場には無線LAN環境も整っているのですが,ライブ配信時は可能な限り有線LANで接続するようにしています。今回もCat6Eの長尺ケーブル(60m)を1本新調しました。回線速度の点でも有線LANのほうが勝っていますし,障害が起こったときにどこに問題があるかを切り分けやすいことがその理由です。当然,ケーブルやハブを準備する必要がありますが,その面倒さを天秤に掛けても,可能な限りネットワークは有線にすることをお薦めします。ただし,Ethernetのケーブルは100mが最大長とされていますので,それを超える場合は途中にL2スイッチを噛ませるなどの工夫が必要です。

まとめ
1Gbpsの回線を引いたから,といってもベストエフォート型であれば「最大1Gbps出す努力はしています」という約束に過ぎません。オンライン授業やライブ配信を行う場合には,回線速度等のネットワーク性能を事前に把握しておくことがとても大切です。

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