マラソンへの最適化
先日の北海道マラソンではどう考えてもサブスリーなんて余裕だろうと思える知り合いのランナーが何人も討ち死にしていました。原因は人によってさまざまですが、彼らに共通するのはJogのペースが比較的速くて練習強度が全体的に高めだったことです。このやり方ではマラソンに対応できないタイプのランナーが一定数いるのだろうと改めて感じたので考察します。
練習で強くてもマラソンで結果を出せない場合、恐らくパフォーマンスを発揮できる距離が5kmからハーフくらいに最適化されているのだと思います。普段の練習はその強度にするのが効果的だと思いますが、やはりマラソンで結果を出すためには最終的にはその能力を42kmに最適化させる必要があります。それが自然にできるランナーであれば問題ありませんが、全員がそういうわけではないように感じます。
最適化をしないと
「ペースが遅すぎてリズムが合わない」
「快適なリズムで走ると最後まで持たない」
ということになるのだと思います。要は身体が1時間程度でエネルギーを使い切る仕様になっているため、それよりも長いマラソンだとポテンシャルを発揮できないのだと考えられます。
ではどうすればいいのかと言えば、エネルギーの使い方を変える必要があります。Jogのペースが速いとエネルギーの燃焼が活性化しすぎて、マラソンには向かなくなってしまうように思います。
トラックは「80%の力感で90~100のスピードを出す」イメージだと思いますが、マラソンは「40~50%の力感で80のスピードを出す」競技になります。スピードを出すためのアプローチが根本的に違うので、レース当日までにそこを切り替える必要があります。
そのための方法として推奨したいのがLSDです。LSDは人によって解釈が違うと思いますが、私の考えるLSDとは「重心移動だけで前に進む走り方」のことです。これによって「力感ゼロで走る技術」を獲得でき、それがマラソンでのエネルギーの使い方に生きてくるように感じます。よく「何時間以上走らないとLSDとは言わない」と議論になることがありますが、私にとってLSDとはあくまでも「走り方」のことなので、別に2時間走らなくても30分でもこの意識で走ればそれはLSDです。
それを続けていくうちに身体の燃費が変わり、「楽に速く」から「ゆっくり長く」走れるようになります。それがマラソンへの最適化の第一歩です。また、LSDだけでなく、時には距離走でもマラソンを意識してあえてペースを落として走るのも有効だと思います。そうすることで走りがマラソンに最適化されていき、パフォーマンスを発揮しやすくなるように感じます。
あまり科学的なエビデンスのない理論で恐縮ですが、走力の割にマラソンで結果が出せないという人は試していただければと思います。
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