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FM音源にまつわる話

楽器、特にシンセサイザー関係について、/jamwさんという人をnote上でフォローしてテキストを勝手に読んでは時々興奮しています。

※ご本人に無断でリンクを貼り付けてしまいますが、都合悪かったらおっしゃってください。

正直難しい話が多くて半分も理解できないんですが、FM音源回路を取り寄せてそれを楽器にできないかみたいなことを書かれていて、なんという激アツな・・・と興奮極まりました。

FM音源っていうキーワードが心に刺さります。

ということで、私は全く詳しくないんですがFM音源にまつわる話っていうのが今回のテキストです。

なにぶんにも古い音源の話なので、テキストを書くにあたって参考にしようとネット上を漁ってもマニアックなページしか見つかりません。

読んでもほとんど理解できないんで参考にするのは諦めて、私の知る限りの、私の印象での、私の記憶や思い出の中のFM音源っていう話になります。


FM音源

FM音源は80年代くらいに出てきたシンセサイザーの音源で、キーボード型の楽器とか、ゲーム機、ちょっと後の時代になると携帯電話の着信音とかにも使われてたと思います。

FM音源っていうのはFrequency Modulation音源の略なんですが、それまでのアナログ・シンセサイザーとの決定的な違いは、金属的なガチャガチャとかカキーンみたいな音色とか、ブラスっぽい音色とかがけっこういい感じで再現できるというところです。

昔のゲーム機でいうと、ファミコンに積んであった音源がPSG(Programmable Sound Generator )っていうアナログ・シンセで、メガドライブとか、ちょっと良いパソコンとかに載ってたのがFM音源です。


FM音源の音色のサンプル

YouTubeにメガドライブのゲーム動画があって、この動画で流れてる音が典型的なFM音源っぽい音色です。曲がひどくて最悪ですけど、音色的にはFM音源のサンプルとしてこれぞって感じです。

他には、実際にFM音源によるものなのか確認取ってませんけど、昔のゲームセンターにあったセガのUFOキャッチャーで流れてたソニックの曲とか、あれなんかもいかにもFM音源っていう感じのサウンドです。


FM音源との出会いと触れ合い

ホビーパソコンに搭載されていたFM音源

以前のテキストでも書きましたけど、中学生当時に父が持っていたホビー用パソコンを勝手に触っていて、そこで初めてFM音源というか、シンセサイザーというものに出会ったんです。

そのホビーパソコンはNECのPC-6001mk2SRっていう機種で、ゲームとか遊びメインのホビーパソコンの中では安価なものでした。とはいえ定価は9万くらいだったようですが、父は中古品を3万円くらいで買ったそうです。

当時のパソコンって、今と違って電源を入れると、勝手にBASICっていう言語でプログラミングできるエディタが立ち上がるようになってたんです。

手引書を読んで簡単なプログラムを書けるようになったんですが、比較的簡単で楽しく遊べたのがBASICでの音楽作成です。今で言うデスクトップ・ミュージック。当時はデスクトップなんていう言葉も概念もなかったですけど。

歌謡曲とかをテープに撮って繰り返し聴いて、耳コピーとアレンジをやってパソコンで鳴らすっていう遊びに夢中になってました。

ちなみに、BASIC言語で昔のシンセサイザー風の音を鳴らして遊べるサイトを見つけたので、それを使ってつい最近当時と同じ遊びをやりましたよ。びっくりするくらい反響ないですけど(笑)

それにしても今思うと、ものすごいオタク中学生です。

名機ヤマハDX7

FM音源が搭載されたシンセサイザー・キーボード、登場当時かなり革新的だったようで、そこまでシンセサイザーに詳しくない私でもその名前は知ってたくらいです。

今調べたら定価25万くらいだったみたい。私が入手したのは高校生の時なんですけど、そんな高いヤツだったのか!・・・っていうのもタダでゲットしたから。

私はパソコンで音楽鳴らすみたいことに熱中したり、家にこもってギター弾きまくるみたいなオタク寄りの学生だったんですけど、バイク乗り回したりしてるちょっとヤンキーっぽい友達がいて、何故かそいつと妙にウマが合ったんです。

毎日のようにゲームセンターとか釣り堀とかに行って遊んでたんですが、彼がDX7を持ってたんです。高校生で中型バイクを持ってるし、DX7も持ってるくらいだから、彼は家が金持ちだったんです。

彼からDX7を借りて家で鳴らして遊んでたんですけど、ある日「もう飽きて使わないからあげる」だって。なんというラッキー。ただ、高価な楽器だとは知ってたけど25万もする代物だったとは。どんだけ金持ちなんだよ。

そのDX7は高校の時やってたバンドメンバーに貸したり、大学の軽音部で備品的に使ったりして、自分で弾くことはあんまりなかったんだから贅沢な話です。そして大学卒表時に、軽音部の倉庫に置いてきちゃいました。

その軽音部は30年ほど経った今でも存続してるようですが、もし倉庫に古いDX7があったら、それは私のだからね。後輩諸君、伝説的なレトロ名機を大事に使いたまえ。とっくに捨てられてるかな。


FM音源の音色をいじる

FM音源の音色作りの仕組みは、当時も少し勉強しようと思ったけど難しくてとてもじゃないけど私の手におえるものじゃなかったです。

なんとなく当時の記憶を辿ってザックリ言うと、FM音源には波形を出力するオペレータだかキャリアみたいな名前のものが複数個入っていて、それらを組み合わせたり、並列だったり直列だったり並べ方を変えることによって多彩な音が作れるみたいな感じ。書いてて思った、やっぱりわかんねえ。

で、PC-6001mk2SRに入ってたFM音源はキャリアが4つ。DX7の方はキャリアが6つ・・・だったような。キャリア数が多い方がより多彩な音が作れるっていう理屈。

ただ、私の知識や技術では自分で自在に音が作れるなんてことはなくって、PC-6001mk2SRの方では、誰かが作った音楽プログラムのソースを見て、その数値をいったんそのまま使って、それを適当にいじって自分が欲しい音に近づけるみたいな。

音色そのものに関しては本当に手探りで、数値をちょっとずつ変えてみて試すみたいな感じ。アタックとかサスティーンみたいなものは割と自由にいじって想定通りの感じにできてたように思います。

パソコンの方は、当時アーケードゲームの音楽をパソコンで再現みたいなコーナーがBASICマガジン(パソコン雑誌)にあって、そこに掲載された投稿プログラムのソースが音づくりの元として非常に役立ちました。

ところがDX7の方にはそういうものはありませんでしたから、せいぜいプリセット音色のサスティーンをちょっと伸ばすとかその程度しかいじれませんでした。せっかくの6キャリア音源、もっと自由に使えてたらなあって思います。

令和の時代にFM音源

そんな懐かしのシンセサイザー音源、それを今現在あえて使って音楽作成をしようとチャンレジされてる/ jamwさんのような人の活動は応援したいし、注目していきたいと思っています。

似た音だったら今の技術だったら簡単に作れると思うんですが、あえて本物の音源を使ってやるという部分に激アツさを感じますし、古い音源ゆえの制約を乗り越えてやるという部分の価値は何にも代えがたいものがあります。

私は回路をMIDI機器で使えるように改造するみたいなことは知識も技術もないんでどうにも出来ませんが、当時の古いパソコンを入手して、ソフト上で使うっていうことはできないこともなさそうです。

でも、楽器として使うには、現在の機器や楽器を使って作ったリズムパートとかとのシンクロっていう部分で非常に高い壁がありそうです。当時のパソコンって、音鳴らすだけでも処理落ちしてテンポが微妙に狂ったりするんで大変だったんです。

たとえば6声しか同時出力できないパソコンを2台並べて12声同時出力の豪華な音楽を鳴らすみたいな試みを中学生当時に見に行ったイベントで見たことがあるんですが、曲が進むにつれてどんどんズレてっちゃうっていう。

そういう大変さはありますが、作品として残すかどうかは別として面白い体験ができそうではあります。

ただ、当時もののパソコンって本体はそこそこ買えそうな値段でオークションとかに出てはいるんですが、記録媒体(フロッピーディスク)とかモニターなど周辺機器、それに使うケーブルとかの入手が大変そうです。

そのあたりでちょっと尻込みしていて何年も経過しちゃってる状態です。

自分でやるにはそういったハードルがあるんで、/ jamwさんみたいな人の活動に注目して日々楽しみにさせてもらってるんです。

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