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−浅縹− 東大生の勉強法?

たまには東大院卒らしい記事を。
自分が今まで経験したこと、考えたことが誰かの役に立ったらいいなと思うので、
勉強と学びについて書いてみます。


自己紹介

ぼくは現役で東大に合格した。
卒業後そのまま東大院に進んで修士号を取った。

あと、大学院生時代に初めて受けたTOEICで満点を取った。
(自慢してみたかったのです笑)

こう書くとなんかすごそうだな。
でもぼくは、くだらないことが好きな、いたって普通の人です。

ところで巷には、「東大生の勉強法」だとか「TOEICで○点を狙うテクニック!」だとか、勇ましい謳い文句がなんやかんやと溢れている。
別にそれに文句つける気は毛頭ないし、それを見て東大に受かったりTOEICで○点とれたりするなら大変喜ばしい。

ただ、そんな勉強法を知って実践したとしても、もうそこには勉強の醍醐味のうち「酉」1つ分くらいしか残っていないと思う。

どういうことか、具体例をあげながら見ていこう。

丸つけは緑色のペンで!

仮にぼくの勉強法を訊かれたら、真っ先にこれを挙げる。
高校時代にずっと実践していた勉強法だ。
まあ実際にオススメではあるので、赤ペンをやめて緑ペンで丸つけしてみてほしい。赤より緑の方が、なんだかやる気が出るのだ。

ただ、ぼくが東大に合格した要因は、「緑ペンで丸つけしていたから」ではなくて、「緑ペンで丸つけするに至る思考回路を持っていたから」だと思っている。

ぼくが緑ペン丸つけに出会ったのは、高校の実力テストの、英語の長文問題だった。
「丸つけするときのペンの色を変えて実験してみたら、赤よりも緑や紫を使ったほうが成績がよかった。赤は本能的に戦闘モードに入ってしまい、頭が働きにくいから……」みたいな文章だった。

ぼくはこれを読んで、面白そう、試してみよう!と、早速その日から緑ペン丸つけを始め、見事に策がハマったのだ。
でも、周りはみんな旧態依然として赤ペンで丸つけしていた。あの文章みんな読んだはずなのに、なんでやってみないの?ってぼくは思った。

日頃から、試行錯誤することへの感度を高めておくこと。
気になったらとりあえず試してみること。

これが大事だ。


返し縫い暗記法

ぼくの高校時代の愛読書は、英単語帳。
ぼくは試行錯誤の末、初見の単語でも2回見れば覚えられるというテクニックを身につけた。

自分で編み出したテクニックとして誇らしく思っていたんだけど、のちに世の中には同じことを考えついた人が何人かいることが分かった。
彼ら曰く、このテクニックは「返し縫い暗記法」というらしい。
というわけで、詳しい方法が知りたい方は検索してください。

ここでぼくが言いたいのは、返し縫い暗記法で覚えよう!ということではない。
別に、覚えられるのなら返し縫いだろうがまつり縫いだろうが、ほつれようが絡まろうがなんでもいい。
肝心なのは「返し縫い」にたどり着くまでのプロセスなのだ。

ぼくが「返し縫い」し始めたのは、新しい単語を覚えようとしても、1個覚えたら1個忘れてしまう、という悩みに端を発する。
じゃあ、1個覚えたら、それをもう一度確実に頭に押し込んでから次に行けば良いんじゃね?と思ってたどり着いたのが「返し縫い」だったわけだ。

もしぼくが、「自分は記憶力悪いから」と能力のせいにして、覚えては忘れ覚えては忘れのニュートン振り子を漫然と繰り返すようなマインドの持ち主だったとしたら、東大には受かっていないと思う。

うまくいかなかったら、それは能力のせいじゃない。
うまくいかない原因を分析して、それを解決する手法を考えること。

これも大事。


勉強の醍醐味

特に高校までの勉強は、自分なりの学びのプロセスを探し出すのが醍醐味なのだと思う。
だから、「東大生の勉強法」を知って真似したところで、大してありがたみはない。

喩えるなら、あなたが数独を解いていたとして、「そこは3でここは5やで」と誰かに教えられてもありがたくないでしょう、ということ。
「この列には3はダメで、ここは1か5で……うーん」と自分で頭を悩ませるからこそ面白いし、その試行錯誤が貴重な経験なのだ。

そうして勉強の醍醐味を味わっておけば、いざ自分が腰を据えて学びたいことに出会った時に、自由自在に学べるようになる。

ぼくが東大に現役合格したりTOEICで一発満点を取れたりしたのも、記憶力が良いからとか英才教育を受けていたからとかではなく、たくさん頭をひねって手を動かした経験のおかげで、自分なりの学びのプロセスが明確になっていたからだ。

世の中には、「勉強だけできてもしょうがない」みたいなことを言う人もいるけれど、「勉強ができる」というのはこの上ない能力だと思う。
勉強ができれば、何者にでもなれる可能性を秘めている。


そういうわけで、勉強をしている人たちは、ぜひ思う存分自分の頭と手を動かしてみてほしい。
その先に、自由自在な学びの世界があるはずだから。


【浅縹】あさはなだ
浅く染めた縹色。
東大のスクールカラー「淡青」に近い伝統色をチョイス。



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