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おもいで

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モノクロームの想い出に色を点けたもの。
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2022年2月の記事一覧

−黄檗色− 生き別れスーパーボール

子供の頃、ぼくのお気に入りのスーパーボールがあった。 暗闇でもんやり光る蛍光イエローで、小さくてよく弾む。 ある日、そのスーパーボールを、家の階段で跳ねさせる遊びを兄とやっていた。 最初の3、4段目までは1段ずつ跳ねながら降りていくけれど、だんだん大きく弾む。 ぼくが2階から落として、兄は1階でキャッチ。 しばらくしたら交代して、兄が落としてぼくがキャッチ。 非常にシンプルな遊びだが、2人で夢中で遊んでいた。 事件は突然起きた。 うちは年季の入った家で、階段の側面に

−若草色− ドアノブ損壊・幽閉事件

中学生の時。ある日の掃除時間。 ぼくはトイレ掃除担当だった。 予備のトイレットペーパーが少なくなっていたから、「保健室行って、もらってくるわー」と、トイレを出ようとした。 (※個室から、という意味ではなくてトイレ全体を指す) ドアノブを回して、ドアを引こうとした、その時!! ドアノブだけが引っこ抜けた。 !!?? 生まれて初めて見る、単体のドアノブである。 みんなで笑い転げた。 まあヒョイっとまた取り付ければいいんでしょ、と、そのときのぼくらは甘く見ていた。 原

−水浅葱− 理科室ムーンウォーク

みなさんは、理科室でムーンウォークをしたことがありますか? ぼくはあります。 中学校の理科室は、なぜかとにかく床がツルツルだった。 理科室に入った瞬間に漫画のように滑ってコケた人は、3年間で1人や2人ではない。 中学最後の理科の授業の日、友人と「この床で記念になんかしとこう!」ということになった。(なんの記念かはよくわからないが) 協議の末、この床ならムーンウォークめっちゃできるんじゃね?となった。 ぼくらはマイケル=ジャクソンになりきって、理科室でムーンウォークを楽し