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「表現とこころ賞」に参加してくれた記事まとめ⑥(最後)

梟さんが企画した「表現とこころ賞」
その全作品のまとめ記事も本日で最後です。

バックナンバーはこちら

その①

その②

その③

その④

その⑤

それでは行ってみましょう。

※ナンバリングは前回の続きから
 敬称略


47、猫野サラ/今夜は月が綺麗ですね

小説のような、それでいて確かに愛情を感じるエッセイ作品です。
パートナーとの会話からも恋愛を超越した信頼が見て取れます。
遠く離れた場所から、同じものを眺め、綺麗だと言い合える関係。大きく直接的な言葉は必要ないのでしょう。
I love youを月が綺麗ですねとした夏目漱石の逸話はあまりにも有名ですが、きっと我々日本人のこころに響鳴するものがあるのでしょう。
思わず月を眺めたくなる素敵な作品でした。


48、西谷 こまい/手をのばしたら、触れる距離でいたい。

自身が抱く表現やこころとの関係性を綴られたエッセイ作品です。
「書くことは、生きてきた全てを活かせるんだよ。」
このたった一言に強く胸を打たれます。
表現には様々な方法があります。その中でも書くことは我々にとって最も身近で親しみやすい表現です。自分とこころとを繋ぐ表現に言葉があり、のばした先にあるものもやはり言葉です。こうして西谷さんのこころの一片に触れられること嬉しく思います。


49、Sae/「っぽい」は、こそばゆいけれど

すっかりおじさんになった僕は冒頭でかなりギクリとしました。
けれどこの作品の本質は言葉の奥にいる人に向けられています。
皆が同じ日本語を使用しているのに、読むと書き手のイメージが想像できるのは言語としての表現の幅はもちろん。書き手のこころが言葉に宿るからだと考えています。
「っぽい」は確かにこそばゆいです。けれどこの「っぽい」が読み手に与える表現者としての自分の一つの完成形なのではないでしょうか。
感性だけはなるべく若々しくありたいものです。


50、ことふり/流れるときをピンでとめる / 「表現とこころ賞」ピックアップ10選

人は過ぎていく時間の全てを留めておくことが出来ません。
だからこそ悲しいことや辛いことを乗り越えて前に進めるわけですが、綺麗で美しい感情も忘れてしまうのは少し寂しい気がします。
表現とはそれらを形として残すことが出来ます。ことふりさんのように文章を綴ったり、写真として切り取ったり。
振り返った時に、過去に触れられること。今との対比として、新しい感情や気づきを得られること。
繰り返す今を少しでも残しておきたいと思える作品でした。


51、夕月 檸檬 (ゆづき れもん)/市民ギャラリーで新発見

普段見慣れた景色が、写真という切り取られた表現に収まった時の目新しさは視点の変化を与えてくれます。
写真の魅力は、言葉を用いないのにも関わらず、雄弁に語りかけてくることでしょう。そしてその向こう側に撮影者の顔や心情を汲み取ることもできます。誰かの作品から創作意欲を掻き立てられるというのは、表現者どうしの交流のようなものです。巡り巡って夕月さんの表現や作品も、誰かの創作意欲を掻き立て、表現の好循環が生まれるのだと思います。


52、ルピナス/強い気持ちは表現を広げる

自身の表現の幅を広げるためには、こころの中で生まれた激流のような強い感情を上手く乗りこなす必要があるのかもしれません。
それは決して劇的な人生経験だったり、壮絶な恋愛や人間関係からのみ生まれるものではありません。
日々のちょっとした物事の中からも得ることが出来、それこそがこころなのではないかなとこの作品を読んで考え込んでしまいました。
素敵な表現を掴んでいって欲しいと思います。


53、たなかともこ・・・et moi/年齢じゃない、誰もが世界に責任がある

この作品内で書かれているニュース、実は少しだけ知っていました。
けれど自分とは完全に遠い無縁のことと決めつけ、忘れてしまっていました。アメリカの若年層による薬物使用は以前から問題にはなっていましたが、実際に在米されているともこさんの話を読む限り、本当に深刻なのでしょう。自分の行い一つがどれだけの影響力を持ちうるのかを想像するために必要なのは知識です。歴史は繰り返すという金言があるように、我々はどれだけ過去から学んでも何れかの形で繰り返していく生き物です。
それを無学な人間のせいだと切り捨ててしまうのは簡単です。
バタフライエフェクトは良い方向で起こしたいものです。そのためには良心と間違いない知識を得ることが大切なのだと再認識させられる作品でした。



最後に

というわけで、「表現とこころ賞」に参加して頂いた全作品をご紹介しました。
皆さんの作品を読んでの感想は、既に書いたので
特に長ったらしいことは書きません。

誰かの作品を読んで感想を書く。ということを今まで一切やってこなかったツケなんでしょうが、非常に語彙力が不足しています。果たしてこれで書いてくれた人に伝わったのかちょっぴり不安です。
最近だとこの賞にも参加して頂いた嶋津さんが自身開催の「教養のエチュード賞」の全作品に感想をつけておられますが、レベルが違いすぎて落ち込むどころか凄いとしか思えない程です。

けれど他人と比べても仕方のないことです。
僕は僕なりに、「表現とこころ賞」に参加して頂いた全ての作品に対して真面目に向き合いました。
そうして皆さんの作品から得られたもの、感想を書いて再発見したものは秘密にしておきます。僕はミステリアスな男になりたいのです。ちょっと違う? まあまあ。

今回、僕は「表現とこころ賞」に参加しませんでした。
そんな僕を協賛者として迎え入れてくれ、こうしてまとめ記事を書くことを快諾してくれた梟さん。
本当にありがとうございました。

スキをつけてくれた方、コメントをくれた方、Twitterでこのまとめ記事シリーズをシェアしてくれた方、こっそり読んでくれた方。
ありがとうございます。

是非、皆さんの作品を読んでみてください。
きっとあなたにとって新しい気付きや心情が得られます。

おしまい

貴方のその気持をいつか僕も 誰かに返せたらなと思います。