引き算.
人は引いた方が合理的にもかかわらず、まず付け足すことを考えるらしい。
家でゴミを捨てる時に、多くの人はゴミ箱を用意しようと考えるが、そもそもゴミを出さないようにしよう!と考える人は少ない。
旅行に行く際、荷造りを考える時も「とりあえず入れておこう」と考える。
荷物は少ない方が断然、合理的であっても。
因みに、情報量が多ければ多いほど付け足す傾向にある。
確かに足すことは悩まない分引く事よりも簡単かもしれない。
自分への安心感や満足度も高くなる。
これは何処かで、見たのか聞いたのかは忘れましたが、携帯のメモ機能に残っていた文章で、決して私が思いついた事ではないのだが、庭造りや建築においても同じことが言えるな、と思い書き残したことだと記憶する。
家や庭造りを見ていると、あれもこれもと足してデザインと機能性が渋滞しているのをたまに見かける。SNSなどが発達した今、それは仕方のないことだし、時代の流れなのかもしれない。決して悪いとも思わないのだが、たまには引き算も必要ですよという事は思い出してほしいと思う。
庭も、引き算を多用した方が断然合理的な事は間違いない。
引く事で、空間の色が抑えられ、物の素材感がきわだち、本当に見せたい物の存在感が出てくると思っている。本当に必要な物は何か?見せたい物は何か?
昔、「アプローチは入口だから、素材にもこだわりたい」という事をよくいわれて、自分もそう思っていた時期があった!
確かにアプローチは入口で一番よく人目につくので、その気持ちも分からなくはないが、入口という意味で言うと、入口は建物の玄関なわけであって、そこが一番目立つことがより大事だと思う。玄関を際立たせるために、アプローチはシンプルな方が逆によかったりする場合も多い!
門柱・ポスト・表札なども同じことが言える。何を見せたいのか?何が必要なのか?引き算で作る庭造り。時代とは逆行しているかもしれませんが、私の作る庭は、今後もそういう意味をもってデザインしていこうと思う!
KATO
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