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恋人と私

私の恋人は、とても優しい。

私の名前を呼ぶ声も、髪を撫でてくれる手も、
言葉が、仕草が、全部が優しい。

きっと、いろんな優しいをかき集めてできた人なんだと、私は思っている。

彼は、付き合った日にお花をくれた。
私は、これまでの人生で、男の人からお花をもらったことなんてなかったから、とても嬉しかった。

一緒にいるだけで、声を聞くだけで、
ニコニコニコニコしてしまうし、
何度会っても、目が合っただけでときめいてしまう。
私は彼のことが大好きだ。

突然だが、私は上の歯を見せて笑うこと
(女優さんのような素敵な笑顔)が苦手だ。
素敵な笑顔をしようととすると、
前歯を見せびらかしたい人のような顔になってしまう。
前歯を見せびらかしたい人などあまりいないと思うが、そんな顔になってしまう。

けれど、彼とデートした時の写真には、
(私にしては)素敵な笑顔で写る私がいた。
「上の歯を見せて笑ってる!!!」と思った。

嬉しかったので、早速友人にこの話をすると、
「口角がいつもより上がっているのかもね」
と言われた。

私は、この人といるだけで、口角が上がってしまうのか!と思った。嬉しかった。大切にしようと思った。

彼のことはもちろん大好きだが、
彼と出会ってからは自分のことも好きになった。
私は今、彼といる自分のことが、とても好きだ。

これからも一緒にいたいし、色んな話をしたい。
私にしか見せてくれない顔をたくさん見たいし、
彼にしか見せない顔をたくさん見てほしい。
たくさんたくさん笑い合いたいし、
たまにちょっぴりケンカもしたい。

彼と出会ってから、
カルテットのすずめちゃんが言っていた、

「ちょっと
 ちょっとだけ頑張るときってあるでしょ
 住所をまっすぐ書かなきゃいけない時とか
 エスカレーターの下りに乗る時とか
 バスを乗り間違えないようにする時とか

 白い服着て ナポリタン食べる時
 そういう時にね
 その人が いつもちょっと いるの
 いて エプロンかけてくれるの
 そしたら ちょっと頑張れる

 そういう 好きだってことを忘れるくらいの 
 好き」

がわかった気がした。

すずめちゃんが、別府さんの左手に恋をする気持ち
がわかった気がした。


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