泥酔の女(2020.9.24)

大好評(?)ダメ人間シリーズ、今回も不要不急のお話です。

あの、期せずして、元TOKIOの人の事件が起きてしまいましたが・・・、本稿の読者さんとしては、アルコール依存症ではなく基本的には楽しく飲んで時々羽目を外す、そういう酒の付き合い方をしている人を想定しております。私はアルコール依存症になる蓋然性(こういう時に蓋然性って使うんだな)がたぶん結構高いので、ならないようにしたいという思いから、休肝日を設けたり、理性が働いてる時は無理に飲まないようにしてます。依存症になると一生断酒です。一生です。それがイヤなので、意識的に酒を控える日を作ってはいます。とはいえもちろんアルコール依存症で治療中の方を貶める意図はありません。何かを書けば必ず傷つく人がいる。。。むずかしいですが、忘れないようにせねば。。。


「泥酔からの二日酔い」

一度でもなったことがある人ならお分かりいただけると思いますが、これこそ人類史から根絶すべきことの一つです。
宿酔いとも書きますが、確かに・・・含蓄のある漢字だよ・・・宿酔いの宿は宿痾(しゅくあ:長く治らない病気)の宿かもしれぬ・・・。


そして、このループを何度も繰り返す人がいます。
お酒飲まない方から見たら信じられないと思いますが、実際います。
私です(泣) 

▼でいすいは 百害あって 一利なし

二日酔いというのはその前段階に「深酒」からの「泥酔」という状態があり、そこまで飲むと、間違いなくあらゆる面で損をします。得はひとつもありません。

▼カネをなくす
→終電までに帰れば電車賃だけで済むのにタクシー代をかけて帰ることに・・・(でも全国の深夜タクシーの運転手さん、ありがとうございます!!!あなたのおかげで今日も家に帰れました!!!!)
▼モノをなくす
→先日は靴のバンド(靴が脱げないよう巻くゴムバンド)、なくなってました。片方だけ!! どこ行った!! 他にもなくしてる物があるかもしれないがもはや「何を失くしたかわからない」状態。貞操だけは死守。あんなに気持ち悪くては何もできない・・・。
▼記憶をなくす
→どうやって帰ったのかわからない。タクシーの人にお金払ったかどう怪しい(レシートがあったので多分払ってる。あと払ってなかったら目覚めたら留置場)。
▼時間をなくす
→「何もできず唸って寝ているしかない」時間がひたすら続く。貴重な時間がなくなっていく・・・。
▼信用をなくす
→酔っている間に暴言を吐いてないか心配。(私は嫌な奴とは酒飲まないので喧嘩はしないが、楽しくなっちゃって悪気なく放言してしまいそれが相手にとっては不快なことだったという可能性はある)


あとは、
・とにかく気持ち悪い
・身体のそこら中が痛い(悪心で筋肉が緊張してるのと、知らない間にコケたりぶつけたりしているため)
・頭も痛い
・酒の缶を見るだけで気持ち悪い
・とにかく気持ち悪い


です。。。


▼実録! 二日酔いからの生還

私は酒はそれほど強くはない。
弱い人から見たら強い方だと思うが
本当に強い人から見たら弱い。
その程度である。

なのに楽しくなって飲んでしまう。

するとこうなります。ある日の実録。

・電車の中で「おや?」となる(すでに気持ち悪い)
・すぐ降りて駅員さんに万が一の時のための袋をもらう
・袋を口元に当てつつまた電車に乗る(全乗客がどん引きする)
・タクシーを拾う(最寄りまでの電車はもう終わっている)
・タクシーの運転手さんは優しい
(気分が悪くなったらすぐ言ってください!と言ってくれる)
(車内汚損しないよう、こちらも最後の気力を振り絞る。ヘタすると運転手さんの一晩の仕事をブチ壊すので)
・やっと家に帰れた!
・瞬間寝る(電気もつけっぱなし・・・)
・気持ち悪い波状攻撃で起きる
・何時間もその状態。唸る。
・二日酔いの原因物質アセトアルデヒドを体外に排出するため、お水を飲まないといけないのだが、水飲むと気持ち悪くなるため、慎重に・・・。
・そもそも水を汲みに起き上がれない(起き上がると気持ち悪い)
・ひたすら耐え抜く。その間に昨夜の出来事を思い出そうとするが思い出せず恐怖(何かしてないか自信がない)
・スマホを見るとお叱りのメッセージは来てないので、やや安堵
・昼過ぎくらいになると、ちょっと起き上がれる
・水とフルーツジュースを飲む→気持ち悪くなる
・ラジオを聴く(お昼のラジオも乙なものである)
・気力を振り絞ってシャワー→気持ち悪くなる
・午後くらいになると、ちょっとお腹が減る
・しじみのみそ汁(インスタント)と豆腐を食べる。しじみは二日酔いにいい。が、胃に物を入れるとまだ気持ち悪くなる
・寝てるしかないのでテレビを見る。相棒の再放送がやっている
・夜。ようやく座ってられるようになる。
・夕飯はあったかい蕎麦だな。


・・・この壮大な時間の無駄がお分かりいただけたでしょうか。
帰る寸前まで周囲の人に多大な不安を与えまくり。
袋を持って歩く姿はもはや妖怪であっただろう・・・。


▼お酒は悪くない! 悪いのはアタシ! 

「酔っていたから」という言い訳は一切通用しない。

このことは酒飲みなら肝に銘じておきたいところである。

酒席の非礼は後日ひたすら謝るしかない。
ただ、
「酔っていて(いろいろやらかして)すいません」
とは言えるが、
「酔っていたので(いろいろやらかして)すいません」
とは言えない。

私の考えではあるが、酔っている時に「やりたくないこと」はしない。
酔いは理性のタガを外す。酔ってる時に残業はしないし、酔ってる時に上司のヨイショはできない。

酔ってる時に思ってることこそが本音・本心なのである。

酔っていても、もともとやりたくないことはしない。本当に全く思ってもいないことは言わない。
酔っていてやらかしたこと、は、理性で抑えられていただけで、もともとやりたいという意思があったのだ。

酔っていてチカンするやつがいるが、もともとチカンしたいと思っていなければ酔ってもチカンはしないと私は思う。

だから泥酔した方が「酔っていたから」と言うのはタブーだと思う。

ただ、非礼をされた側が、憤懣やる方ないけどどうしても許さないといけないという時に限って、「まあ、酔っていたし仕方ないですね」と使うことができる。それだけである。ほんとはそんなこと思ってない。思ってるわけないのだが、手打ちである。

というわけで、これからは、日ごろから悪いこととか悪口とか考えないようにしておこう・・・。


▼あった! 泥酔から学ぶこと。

ズバリ、ニッポンの駅員さんは、酔ってる人にめちゃくちゃ優しい!!!!(外国で泥酔したことないけど)
駅員さんてなんであんなに優しいんだろう。
たぶん本音は「車両と駅舎を汚さずに早く駅から出てほしい」だと思うが、袋くれるし、終電がもうないことも懇切丁寧に教えてくれるし、親切である。

一度など、地元の駅で、終電が過ぎ去った後、私がベンチで死んでいると(気持ち悪すぎて動けなかった。意識はある)、車いすで駅の外まで出してくれてタクシーを呼んで乗っけてくれた。
「どうしても動けないとなると、警察を呼ぶしかないですね」と優しく諭されたので、私もおとなしく車いすに乗りました。
お客がいると、駅舎が閉められないんだそうだ。

そして、こういう時に乗るタクシーの運転手さんも、私は優しい人にしか会ったことがない。タクシーを汚損したこともありません。
いやいや・・・全国の駅員さん運転手さん、いつもありがとうございます! 

あと、かの『徒然草』の兼好法師は「酒飲みに優しくできるのは二日酔いの苦しみを知っている酒飲みだけ」という趣旨のことを書いていたような気がします。それも一理あるかも・・・。兼好法師もお酒好きだったようで、『徒然草』には酒にまつわるいい話がいくつもあります。


▼お酒は「ほどほど」「ほろ酔い」が一番楽しい。

私がまだ酒が飲めなかった頃、数々の作家が小説やエッセイに「二日酔いの地獄の苦しみ」を書いているのを読んで、ちょっと憧れたものだ。
なんか、ちょっと「不良ぽくて」カッコよく見えたのだ。

しかし実際なってみると、「私もようやく憧れの二日酔いができるようになれたな、大人になったな」などという感慨とか、そういうもんはない。一切ない。

ただ

ひたすら

気持ち悪い。

不良というか、「体調不良」である。


▼もう二度と二日酔いにはならないぞ~!

(もう酒は飲まない、とはなれないところが哀しいが、いや、だから酒が悪いんじゃないから!!)

お酒は自分の適量以内! 
酒を飲んだら同量の水! 
水を飲むのは恥ずかしくない! 
自分の身とお金と時間を守れるのは自分だけ!

というハタチの時に教わったことを18年経っても噛みしめるのでありました。

▼今、二日酔いに苦しんでいる方へ

全国の二日酔いのみなさん。二日酔いの時に一番効くのは、「同じ二日酔いに苦しんでいる人たちの呻き、後悔」ですよね(笑) 存分に使ってくださいm(__)m どうかお大事に~!

これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m