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ワークライフバランス2.0

この1年、コロナによってデジタル化が急速に進み、リモートワークや時差出勤など働き方も随分多様性が認められるようになってきたな、と感じています。
経営陣もなにかとコンプライアンスが気になり、多様性を認めざるを得ない状況なのかもしれません。
この急速なデジタル化がもたらす変化は働き方だけでなく、仕事のやり方、更には仕事に対する考え方をも大きく変えていくものになりそうだと感じています。
ビジネス本やネットニュースなどでよく言われるオンラインとオフラインの境目がなくなっているという大きな話に留まらず、割と身近なところでも境目が曖昧になってきているなぁと感じます。
ここ数年騒がれてきたライフワークバランスとはまたちょっと違うような…気がして具体的にどんなものの境目が曖昧になっているのか考えてみました。

仕事着と普段着の境目

我が社でも仕事着がスーツから徐々にカジュアル化。ノーネクタイのみならず、スニーカー、襟なしも正式にOKに。まだまだ僕にはハードルが高いですがジーパンで会社にくる人間も珍しくはなくなってきました。
これまでは週末に着る普段着とスニーカー、ボーナスのタイミングで新調するスーツや革靴は当たり前ですがそれぞれ別々に購入しなければならず、家計を圧迫するひとつの要因にもなっていましたが、テレワークも週に2〜3日するようになって益々、仕事着としてのスーツ&革靴セットの出番が少なくなってきました。
ぼく自身、ここ数年はユニクロやGUがビジネスにも適用出来そうなお手頃価格のパンツやビジネスシューズぽい靴などを活用し、ジャケパンなど比較的カジュアル傾向に移行してきていた部分もありますが、もはや時代は普通のサラリーマンでも普段着と仕事着を両立させることができ、洋服もある程度ならプライベートと仕事もマルチタスク化が可能ということに。
これまでスーツを着ることで仕事のスイッチが入る人や普段着のセンスに自信がない人、毎朝服を選ぶのが面倒な人は継続してスーツを着るのも自由。
それぞれがTPOをわきまえてさえすれば、自分の価値観で各自が判断する。
自由度が高い一方で、各自に判断が委ねられるのでそれぞれのモラルや常識に左右され、それを嫌う人もいるかもしれません。

仕事の仕方、考え方の境目

仕事の仕方というか、考え方にも価値観が変わってきたような気がします。
新しいことをやり続けなければ成長はできないというのはもっともですが、逆にその雰囲気から仕事を断れず仕事量が増える若手が我が社では続出…!
新しいことに取組むのももちろん大切だけど、それによって業務がパンパンになって通常業務に支障が出ては本末転倒。
気合と根性でこれを乗り越えることが成長に繋がる…なんてのはさすがにもう時代遅れで、どうすれば新しいことに取り組みながら現行業務を回せるかということが考えられる人材がこれからの時代は重宝されるのではないかと思います。
こんなこと言うと、なぜか業務量が増えることを嫌がっていると誤解をされることも多々ありますが、これってよく考えたら同じクオリティを継続的に提供できる、ってこと。
ぼく自身、ひとつ前の担当していた商品企画の仕事では、製造工場の監査に委託している監査法人と同席することが何度かあり、そこで聞いたことが自分の仕事に対しても活かせる内容だなーと感じたことがありました。
よくよく考えるとちょっと違った角度で同じような仕事をいくつもやっているのに、自分自身ではなかなかそこに気づくことができなかったりするものです。昔から行っていた作業、資料を見直すことで他の業務にも転用出来たり、そもそもひとつの仕事にまとめられたり、不要だったり…ということも少なくない気がします。
食品の製造工場では、トラブルの種類にもよりますがトラブルが発生すると原因究明、改善策がしっかり出来ないとそのラインを使うことができないことも対応に人員を増やすなどの対策は結局その場しのぎてしかなく、コスト含め負荷が大きくなるだけで長続きしない。だからこそ、出来るだけ負荷を少なくした対策を考えないといけないということを聞いて、これってまさに我々の業務でも同じことが言えるな、と感心した経験からこの考えに至っています。
こういった好循環を生む仕組みはSDGs的な考え方にも近いのかな、とかなんとなく自分の中で繋がった気がしてかなり納得感がありました。
一時の努力やリソースを割くことで改善、解決を図るのではなく、持続的に改善し続けるためになるべく負荷を軽くできる仕組みを構築する。これからの時代はそんな仕組みを作れる人間が強い、自分もそういう人間になりたいと思っています。

仕事とプライベートの境目

ぼくが社会人になった10数年前頃からほんの数年前までは”デキル人像”は、仕事とプライベートをきっちりと切り分けられてどちらも充実させることができる人でした。
”ライフワークバランス”という言葉も、当社の新卒説明会などでは今でも出てくるワードでもあります。
ただ、このリモート環境の中では”ライフ”と”ワーク”の切り分けが難しくなってきており、むしろ仕事とプライベートをきっちり分けたい人にとってはつらい状況になってきてしまっているようにも思います。
ぼくはというと、元々仕事とプライベートを分けて考えることができず、有給のときでもメールや電話がくると気になって折返しちゃったりします。
ただ、ぼくの場合は仕事=辛いものではなく、楽しむものと思っていますし、常に頭の片隅に仕事のことを考えているからこそ普段の買い物の中やYou Tubeなどの動画を見てるとき、読書をしているときにでも仕事のアイデアが浮かんだりするものなのかな、とも思っています。
元々そんな状態だったので、僕にとってはリモートワークは移動時間の削減にもなり生産性が高まったのですが、そんな感じで仕事とプライベートの境目が難しい世の中にもなってきているように感じます。
ぼく自身、就職活動をする際に思っていたことがあり、”1日の1/3の時間を費やす仕事が楽しめないと地獄…。だから自分が楽しめる仕事を見つける”ということを何より意識していました。その想いは、転職を経ても同じ気持ちで、”ワーク”も”ライフ”の一部という感覚です。
とはいえ、家族との時間ももちろん大切ですし、我が家の3人の子どもたちの成長を楽しむ時間も重要。ON/OFFのように頭の切り替えをきっちりと切り替えなくとも、なんとな〜く、ゆるやか〜に仕事モードからプライベートモードに切り替わっていくみたいなところがぼくのとっては最良の”ライフワークバランス”なのかなと思っています。

自由の広がりは自己責任の上で成り立つ

これら3つの具体例はどれも全て自由度が大きくなる一方で、細かな判断は各自に任されいます。つまり、TPOをわきまえた服装、仕事の生産性、自分の仕事に対する責任感などこれまで会社がある程度決めてくれていた部分を全て自分自身で判断しなければならない分、その責任も大きくなるように感じます。
ぼく自身の働き方としては、自分の裁量の中で責任もって仕事に取り組んでいるつもりなので今の働き方は結構合ってるな〜と感じていますが、会社の方針に従って自分の業務に徹するだけだったり、決められた作業をこなすだけで責任を負いたくない人にとっては厳しい社会になりつつあるようにも思います。
AIに代替されないようにする為にも、自ら主体的に事業の方向性を会社に提言していけるような、創造の部分を強く持って仕事に取り組んでいかなければと改めて感じています。

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