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ニューヨーク:前を向いて歩く力

先週ニューヨークにいた。2019年の春にアメリカのサンディエゴで大学院生活をしていた頃に1度訪れて以来の3年ぶりの訪問だった。最もコロナの影響を受けた街であり、きっと街の雰囲気もがらっと変わったのかもしれないと思ったけれど、マンハッタンのレストランで会話をする人々やセントラルパークでランニングをしたり、散歩をするニューヨーカーを見ていると、本来の人間らしい生活を取り戻しているようでとても清々しかった。

セントラルパークを散歩する人々

私はニューヨークを訪れる前に、私が働く組織のリトリート(Retreat)に参加するためにニューヨークから車で3時間ほど離れた湖畔にいた。リトリートは日本ではあまり馴染みがないけれど、普段の日常から離れてリラックスをしたり自分と向き合ったり人間関係を深めたりすることで、欧米の組織では結構開催されるものらしい。私が経験したretreatは、130人の世界中にいる同僚が集まって組織の戦略を改めて理解したり、ワークショップを開催して考えを深めたり、アドベンチャーアクティビティを通じてチームビルディングを行ったりということでほどよく頭と体をバランスよく使った4日間だった。その一方で、コロナ禍で家族や親しい友達以外とほとんど会っていなかったこともあり、Retreat初日はマスクなしで大声で話す欧米のスタッフにはかなり引いたり、温度差は色んな場面で感じたものの、それ以上に対面で人に会えることの喜びや、遠慮なくハグが出来ることがとても嬉しかった。

そしてニューヨーク。カフェの店員とHow's going?から始まる会話や、電車の中で横に座った人とのちょっとした会話など、見知らぬ人同士であってもHave a nice day (良い1日を)!とお互いに言える軽やかな関係性がとても居心地が良い。宿泊したホテルがマンハッタンの中心で夜中鳴りやまないパトロールや救急車の音など、鎌倉の静かな夜に慣れている分あまり寝れなかったけれど、それでも人は順応力があるもので翌日は周りの騒音にもある程度慣れてしまった。

その一方でニュークの同僚からはニューヨークの地価高騰で1-2人部屋が住むアパートであっても月30万円ほどすることもざらで、とてもじゃないけど住めないと言われ、目を丸くしてしまった。マンハッタンでは、黒人の物乞いや不満を叫び続ける人を目にすることがあり、物価や地価高騰などのプレッシャーが立場の弱い人々をより社会の端っこに追いやっているのかもしれない。そうした社会の分断を垣間見つつ、それでも前を向いて歩くニューヨーカーと、そうした前向きな人々がコミュニティとなって作り出す街全体のエネルギーは、私の心をわくわくさせるのだった。今このブログを鎌倉の海を見ながら書いている。海の向こうの人々のことを考えながら、今度いつニューヨークへ行けるだろうかともうすでに考え始めている。

ウクライナの旗を掲げたアパートメント



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