授業維新塾in福岡

4月初旬だっただろうか、こくちーずを覗いたときに目を惹かれたセミナーがあった。

あの田中博史先生が福岡に来るんや、と思いすぐに申し込んだ。
田中博史先生は、これまで実際にお目にかかったことはなかったが、書籍を通し教師としての考え方に共感する部分が多く、憧れの先生の一人であった。
気付けば自宅の本棚には、田中先生の著書が5冊あったこともそれを表しているだろう。

余談であるが、九州で有名な講師を招いた講演会やセミナーが催されることはめったにない。
おそらく諸々の費用がかさむのと集客の関係からだろう。
だから、今回のような地元での対面セミナーは本当に貴重である。
やはり対面でしか学べないことがある。

今回学んだことの中から一つに絞って振り返る。

私が学んだこと、それは

初学者を経験する大切さ

である。

教師は「授け手」として子ども相手に授業をすることが仕事の基本であり、教師自身が「学び手」になる機会は少ない。あっても研修ぐらいだろう。

今回のセミナーでよかった点は、教室での子どもと同じように、初めて出会う教材を使って学ぶ時間があったことだ。

教師の立ち振る舞いを目で追ったり、発問をきいたり、個人で考える時間、ペア・グループで話す時間、全体発表があったりと、普段授業で子どもがやっていることを体験できた。
その過程で「子どもの感情を味わえたこと」これが一番の収穫である。

恥ずかしい話だが、セミナーで取り扱われた学習材は中・高学年のものだったのに、「むずっ!」と感じる場面が何度もあった。
しかし、これが逆によかったと振り返る。
なぜなら、普段教室で困っているであろう児童の感情を経験できたからだ。

先生の発問をきいて、「どういうこと?」
先生と目が合って、「当てないで当てないで」
ペアで話してと言われ、「展開早いて、まず一人で思考させて。すぐにペアで話させないで」
グループで考えてと言われ、「何考えたらいいか全くわからんのやけど…」
発表者はじゃんけんで決めましょうと言われ、高鳴る鼓動。

様々な感情体験ができた。

模擬授業後、田中博史先生の言葉で印象的だったものがある。

「子どもは日々、結論を知らない中、学んでいるんだよ。」

たしかにその通りだと思った。
知らないことを学ぶとき、学び手の中には「怖さ」がある。
今回私が感じた「怖さ」を子どもたちは日々味わっているのだ。
この前提に立ち、もっと子どもたちに寄り添う授業づくりをしていかなければならない。

今日体験した学び手感覚を忘れないように、鈍っていかないように、
これからも時に初学者として学ぶ機会を意図的につくっていきたい。

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