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モノ・ローグ CONTAX T2

実は、私のT2は二代目である。最初は1993年の12月に買った。渋谷のさくらやで84000円だった。まだ「絞りとシャッター速度」「露出補正」が分からなかった頃のことで、しかも感度50のポジなどを詰めていたので、ブレていたりアンダーだったり、散々な写真を(今思うと)撮っていたのだが、当時はそれすらよく分かっていなかった。その後1997年に綜合写専に入って色々教わり、分からなかったことについては分かった。卒業後はT2をあまり使わなくなり(というより、Nikon F100でないと仕事にならなかった)、2005年に、もうこれからはデジタルから銀塩に戻ることはなかろうと判断し「銀塩カメラに値段がつくうちに売ってしまおう」ということで、中野のフジヤカメラに17000円で売ってしまった。

なんというもったいないことを!

T2を再び手に入れたのは2014年。ヤフオクをうだうだと見ていたら、25600円で出ていた。で、何となく落札してみた。かつての撮影失敗が念頭にあったので、感度1600のネガを詰めてみた。シャドウが出過ぎて眠い写真になりやすかった。感度800のネガとか凄い綺麗。空の色とか。感度50のポジは、やっぱりどうしてもアンダーに撮ってしまいやすい。感度50だと三脚立てないといけない場面が多くなる。それだと「コンパクトカメラ」としての機動性が失われる。三脚立てるなら4×5持ってけよ、と。

その後、銀塩カメラが値上がりして、T2がヤフオクで5~6万付くことは珍しくなくなったようだ。これは予想外だった。

このカメラは、よく「ピント合わせに失敗しやすい」と言われる。それはある程度事実。でも、カメラのせいばかりにも出来ない。中央1点のフォーカシングエリアは、どうやらかなり狭いみたいなのだ。それで、フォーカシングエリアが被写体にぴしゃりと合っていないとピントを外しやすい。あと、レンズのボケを活かしたいとか言って絞りを開くと被写界そのものが浅くなるのでピントが合いにくくなる。慎重にピントを合わせて、AFロックで構図を変えて撮るということをしている限り、意外に失敗は少なくなる。

もしこれから、このカメラを「撮影用に」買いたいと考えている方は、ちょっと考え直した方がいいかもしれない。今時6万円あれば、OM-D E-M1の中古ボディがオークションに出ている。レンズはツァイスでないけれど、ZUIKO DIGITAL十分綺麗。フォーサーズでも絞りを開けばそれなりにボケる。
どうしても浅いピントとボケにこだわらりたいなら、EOS 5D Mk2ならフルサイズ、これに明るいレンズを付けるとか。悪いことは言わない。デジタル一眼にしといたほうがいい。

でも、T2でないと表現出来ない空の色とか、そういうものがあることも、否定はしない。

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