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相続税対策の定番 マンション購入節税対策はどうなるのだろうか?

2024年1月からマンション相続税に関する新ルールが適用されそうです。

1 現行ルール

①現行ルールの状況

現行ルールでは、大半が相続税の課税評価額が実勢価格より大幅に少なくなるようです。
理由は居住している不動産に多額の相続税が課税されると相続人の日常生活が脅かされるからだと私は理解しています。
一方で、評価額と実勢価格の乖離に着目して、富裕層が相続税対策としてマンションの高層階を購入している例も数多くあるようです。

②現行ルールの計算式

土地:敷地全体面積×共有持分×路線価
建物:建物固定資産税評価額

(説明)
土地:路線価×面積でも実勢価格よりかなり安価な上に、共有持ち分を掛けるので面積がかなり狭隘になるからさらに安価になる。
建物:建物固定資産税評価額も実勢価格の7割程度に設定されている。さらに年数が経過すると減価償却されるので安価になる。

2 新ルール

①新ルールの状況

新ルールでは、相続税の課税評価額と実勢価格に大幅な乖離がある場合は、相続税評価額がアップします。(下記計算式)
なぜ国税庁は新ルールを策定したのか?富裕層の税金逃れの温床となっているマンション節税にメスを入れたのだと思います。
一方で、生活用として使っている中流家庭の持ち家の相続税課税価格がアップも想定されます。日常生活が脅かされるほどの負担になる可能性もあるかもしれません。

②新ルールの計算式(案)

まだ決定ではありません。案の段階です。

現在の評価額×乖離率×0.6
※乖離率が1.67倍以上なら新ルールで評価。それ以外は現行ルールで評価
※乖離率=築年数×(-0.033)+総階数指数(※1)×0.239+所在階×0.018+敷地持ち分狭小度(※2)×(-1.195)+3.220
(※1)総階数指数=総階数÷33(1を超える場合は1)
(※2)敷地持ち分狭小度=1室の敷地利用権面積÷1室の専有面積

7月22日日経新聞より一部引用

乖離率が67%増を×60%ですから、乖離率が高ければ評価額は増額になるということになります。複雑ですが、増額になることは理解できました。


3 まとめ

新ルールが適用されると、マンション節税が通用しづらくなります。マンション購入している場合は、売却しないと相続税が納税できないという額にもなりまなりかねません。
相続人が引き続きそのマンションに居住する場合は、小規模宅地の評価減が利用できるので負担は小さいものの、金融資産が少なくマンション評価額が高額だった場合は要注意です。
相続税対策として投資用マンションを購入している場合は、国税庁のターゲットです。隠し事をせず適切に対処したほうがよさそうですね。

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