音を消させず、お届けさせて

ボーカロイドには全く詳しくないけれど、作曲工程の一部に「調教(調声)」と呼ばれるものがある、ということだけは何故か知っていて、その技術に深く感心したことがあります。
調教(調声)とは、製作者の意図通りに歌ってもらうための編集加工する作業のことを指します。音程に合わせた歌詞をそのままボーカロイドに歌ってもらっても、人間が歌った時のような抑揚が付かないので、その細かなニュアンスを調整するための作業らしいです。まあ、詳しいことは是非Googleで調べてみてください。わたしもよく分かってはいないので。

で、この編集作業の何がすごいって、抑揚を付けるために「歌詞をひとつずつの音」として捉え、それを分解している、らしいんですよ。
そもそも日本語は、母音(a,i,u,e,o)と子音の組み合わせで発音している言語であって、子音単体で発音することはほとんど無いんですよね。
でも、自然に会話してると母音を簡略化してる時があるじゃないですか。(日報に出されていた「お母さん唐揚げ食べれる?」→「おかーさnからーげたぅぇれる?」がまさに良い例。)
その自然さ=人間らしさを出すために、歌詞である日本語の音を細かく切って、その音ひとつずつに音程の高低差を付けて、抑揚とかリアリティを生み出しているんですと。

この技術を踏まえた上でボーカロイド楽曲の歌詞を見ると非常に面白いんですよね。
わたしの好きな楽曲に「ダーリンダンス / かいりきベア」ってのがあるんですけど 

ピンクと黒でかわいいね(^_^)

ではなくて、
冒頭の歌詞に
曖昧一回楽に アイマイミー快楽に
っていうところがあって、この歌詞を普通に読むと韻踏んでるなってだけなんですけど、歌ってるのを聞くと同じフレーズを繰り返しているように聞こえるんですよ。
恐らく、曖昧一回(AIMaiKai)ってMとKの子音を強く発音してiの母音が続く部分を繋げるように歌ってるのと、アイマイミー快(AIMaimiKai)って上記表現に加えてミーのMの音を控えめに歌ってるので、同じように聞こえるんだと思うんですけど、

これを技術として出せるの、
ほんとうにすごくね?????
ってなりません?????

ボーカロイドには全く詳しくないけれど(本日2度目)、この発想と技術に深く感動しまして。以来ボーカロイドを聴く時はそういうものにも耳を傾けるようになったんですが。

B4N4N4の歌詞にも、そういう発音の仕方や工夫で違う意味合いに捉えることが出来るポイントを仕込まれていたように思えるんですよねえ。
分かりやすいのが冒頭歌い出しの「規制 政府 悪」ね。
せいふあく、わりとそのまま読んでもそれっぽくは聞こえそうですけど、詰まる音を入れたり繋げて歌ったりすると結構煽ってる内容に聞こえますよねえ。

韻を踏むのとはまた違った音遊びがふんだんに盛り込まれてそうだなあ〜っていうのと、
きっとこういうところで知らず知らずのうちに身に付けてきた音楽的センスが光った楽曲に仕上がってるんだろうな〜と思いました。
それに、Make侍(some)noiseを生み出した方、つまるところ日英の音遊びに長けてる方もラップ詞書いてるんですもんね。

非常に興味深いですね🍌🍌🍌

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