見出し画像

リモートワークの最大の敵は自分の想像力だと思った話

さて、実は2021/4/1でLAPRASに入社してから1年が経ちました(わーい)

振り返ると1年前、Covid-19(コロナ)のせいで、PCを受け取りにオフィスに行った次の日からそのままフルリモートになりました。それまでLAPRASは全員出社の会社だったので、フルリモートの業務は私だけでなく既存メンバーも試行錯誤しており、今思えばかなり難しい時期に飛び込んだものだと思います。

そんな入社から一年、私は結構フルリモートによるコミュニケーションに苦しんだ人間だったので、振り返りも兼ねて、フルリモートで入社して働き続けることの大変さと自分が取った対処法のお話をしようと思います。

いつもの自己紹介

LAPRAS株式会社で法務部門の責任者をしています、飯田裕子です。LAPRASでは法務全般にプラスして、WorkingEnvironment、新入社員オンボーディング 等 興味のある仕事を欲張ってやらせてもらっています。

また、このお話の前提となるのですが、私は文章が好きで、結構「視覚」に頼って生きています。本を読むのも文章を書くのも好きですが、「耳で聞いた情報」を処理することにも、「話して伝える」ことにも苦手意識があり(特に話すのは緊張して常に超早口です)、良くも悪くも話している内容より、相手の顔色・仕草からメッセージを受け取ってしまうタイプです。

リモートで苦しんだ「顔が見えない相手」とのコミュニケーション

入社してまず一番”苦しい”と感じたのは、テキストメッセージをメインとするコミュニケーションです。

例えば、業務の進捗を「進捗どうですか?」と聞かれて、「今週中には終わります!」と伝えた時の「わかりました」という回答。私からすると、情報量が少なすぎると感じていたのです...。

例えばリアルのコミュニケーションだと、回答には表情が伴います。
こんな感じで
😄「わかりました」(お、早いじゃん!のようなリアクション)
🙂「わかりました」(あぁ、それくらいならOKのリアクション)
😅「わかりました」(あ〜そんなにかかるかぁのリアクション)

特に法律事務所で補助者をしている時には、この先生の同じ言葉でも意味の違う微妙なニュアンスを表情から読み取ることで、非常に仕事がしやすくなっていたこともあり、その感情の情報がテキストで抜け落ちることが、とても不安で苦しく感じていました。

特に怖かったのは「良かったですね」のような褒め言葉...
😄「良かったですね」(本当にそう思ってそう)
😅「良かったですね」(良い訳ではないし、むしろ皮肉っぽい意味だな)
😠「良かったですね」(絶対に良くない。気に障りましたか?の準備)

今は弊社のメンバーは、遅ければ早くしてってリマインドしてくれるから、わかりましたならそのまま進めよう〜」くらいにしか思わないし、「良かったですね」は「😄」として受け取るのですが、当時は本当にコミュニケーションが不安で、顔も知らない相手の顔を想像し、テキストチャットの文脈を読んで推測できないか考え、なんとかして不安を和らげようとしていました。

ただ、相手が特に何の感情も載せていない言葉から、感情が読み取れるわけもなく、繰り返しているうちに「他のメンバーが何を考えているかわからない」という悩みに落ちていってしまいます。

前職でも沖縄事務所のメンバーとは数回しか会ったことがなく、東京でフルリモートしていたのですが、前職の場合は沖縄内にも複数事務所があり、「会ったことない」人同士で働くのが当然だったので、さほど違和感はなく仕事ができるという自信が、入社前にはありました。

ただ、LAPRASでは「自分以外はこの間までほぼ毎日同じ空間にいた人」「自分だけがその空気感を知らない人」であり、それを入社時に強烈に意識してしまったことで、メッセージを1つ送るのにも受け取るのにも「自分だけが分かってない空気がある??」と、かなり最初は戸惑いを感じていました。

苦しさは、全て英語にしたら解決した

そのうち、誰かから受け取るメッセージや、ミスの指摘がどんどん怖くなってしまった時期に、必死に対処法を考えていました。

そこで色々と試した中で一番有効だったのが「Google翻訳にかけて英語にする」ことでした。

例えば「〜〜をやりたいと思うのですが、懸念はありますか?」と聞いた場合に「悪くはないと思うから、進めてみたら?」という回答が来た場合。

当時の自分だと「あれ?変なこと聞いた?悪くないってことは、良いわけじゃないんだよね?もっと考えてから進めた方が良い?」みたいなループにハマりがちだったので、そこで一度社内メンバーの答えをGoogle翻訳にかけます。

すると、こうなります(当然)

スクリーンショット 2021-04-05 19.08.58

この時点で、英語だけを読むと、私の中では裏にある感情や表情に思いを寄せることなく、普通に「進めてみるか〜」くらいの受け取り方になります。

おそらく、私は英語にはさほど強くなく、普通に意味がわかる程度なので、そのレベルの言語だと「言葉の裏にある意味」を考えられず、かえってストレートに受け取れるんだと思います。

ただたまに、単純に相手が忙しかったりして素っ気なく、英語にしても受け取り辛いと感じることもありました。そんな時は、翻訳した英語をさらに日本語に戻します。

スクリーンショット 2021-04-05 19.10.28

すると、なんということでしょう。割とポジティブになる。進めて良い気になる。しかも、心なしか言い回しも丁寧になります。

いやこれだけで?と思う方もいるかもしれませんが、視覚×言葉×個別化のような特性を持つ私にとっては、すごい発見&効果でした。

もちろん、社内でたくさん声をかけて支えてくれるメンバーがいて、コロナの状況が落ち着いてオフラインで会えて距離が縮められたりして、いろんな要素が絡まって、今は「社内のメンバーとはいっぱい話したい!!」くらいのテンションになっています。

ただ、他人任せではなく、「自分で変えれたもの」があったとしたら、それはやっぱり翻訳による「訓練」だと思います。

リモートワークの最大の敵は自分の想像力

そうは言ったものの、個人的には人の顔色を伺うことは、結構役に立つことでもあると思っています。やっぱり、表情と言葉が一致していないと、裏に本音が隠れていたりすることもあるし、相手のLINEの言葉だけを信じてると、なんで分かってくれないの?って言われることもあるし(経験談)。

また、どんな文章でも、やはり書いている人がいる以上、おそらく無感情なものはないと個人的には思っています。私はそういう感情が載った文章が好きだし、契約書の文章や判例の文章のような感情が載ってきづらい文章にも、やはり人の意図や意思のようなものが込められていて、そういうのを大事に受け取りたいとも思っています。

だからこそ、人に合わせて裏を読むのを完全に消し去るのではなくて、「信頼できる仲間の前では、そのスイッチをOFFにする」ことが必要なのだと途中で気づきました。想像力をあえて働かせずに、そのまま受け取る。

そして、私は日本語だと、もう息を吸うように裏にある言葉まで想像してしまうので、表現をストレートに受け取るにはとにかく「訓練」が必要。ということで、とにかく英語に翻訳して、その意味で取る。苦しいと思ったり、怖いと思ったら、英語に翻訳して、その意味で取る。

ちょっと奇妙とも思えるこの繰り返しで、かなりスイッチのON・OFFができるようになったし、最初は怖かった「ストレートにコミュニケーションをする」というLAPRASの文化も、慣れてしまえば「腹の探り合いをしなくて良い」という、とても気持ちが良く信頼が置けるものだと思えました。

他にも、レスが返ってこないと「え、変なこと送ったかな」とか「分かりづらかったかな」と思ってしまう想像力も、仕事中は封じて良い。だって、わからないなら弊社のメンバーは質問してくれるし、忘れられてたらリマインドすれば良いと信じる。

MTGがたくさん入っている人の予定を埋めるの時の、大変そうな姿の想像力も封じて良い。本当にまずかったら予定はブロックしてあるし、嫌だったら相手がスケジュールを再提案してくれると信じる。

結局、リモートワークの最大の敵は自分の想像力であり、最大の味方はチームの他のメンバーへの信頼感なんだな。というのが私のここ一年での一番大事な学びだった気がします。

ということはやっぱり、個人訓練だけじゃきっと足りなくて、その都度その都度手を差し伸べてくれたメンバーに全力で感謝したいです。今のメンバーにも今は別の会社にいるメンバーにも、本当に感謝しているので、ちゃんと成長して結果を出すことで恩を返せるといいな。

その一方で、自分にできる「訓練」も重要だったと感じているので、もし今リモートで同じ悩みの人がいたらその人に、「翻訳解消法」が届くといいなと思って今回書きました。

来年の4月、私はどんな気持ちで仕事をしているんだろう。
2年目は、どんな学びがあるんだろう。
それが、今からとっても楽しみです。


画像3




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?