見出し画像

頼まれてないことに手を伸ばして、パフォーマンスを下げる自分への処方箋を考える

ここ1年くらい、ベンチャーのバックオフィスの人間が「おかん」化していく現象の真っ只中に自分がいると感じていて、それでもってそのポジションを上手くやれていないと感じるのが厄介なのです。(ちなみに私は自分が弊社のおかんだとも、おかんになりたいとも微塵も思ってないけども、この表現が一番今の状況のニュアンス伝わりやすいかなと思って、ワードを選んでおります。)

一番良くないと思っているのが、元々法務以外にもいくつか仕事を抱えているのに、範囲外の困っている部署やメンバーを放っておけずに、頼まれてないのに「優しさ」だと思って手を出すんだけど、そのうち「越境させた優しさ」で引っ張ってきた業務によって自分のパフォーマンスが下がっていく…そして他のメンバーにそれを指摘されて手放す…ということが、この1年くらい多いなぁと思ったので、今回はその件について考えてみようと思います。

もちろん、気軽な気持ちで拾いに行ったボールがギリギリスライディングキャッチできて窮地を救うこともあるけど…悲しきかな、手放しても案外問題なくて、本当に自分が出しゃばってただけの時も少なくないんですよね…。

「優しさ」を越境させることの功罪

『頼まれてもないことをやって、消耗するなんて、アホみたい』と思う方もいるかもしれないので、ちょっとだけこちらサイドの言い訳もさせてほしくて。

特に小規模なチームや組織や会社で働いていると、常に社内全体でリソースが足りていない訳です。その中で、バックオフィスのリソースは売上に直結しない部分が多く、良くも悪くも『融通が効く』ので、本当に誰も拾えないボールがある時に、自分のタスクを犠牲にしてでも拾いに行くことに、一定の合理性がある場面もあるっちゃあるんです。

あとはまだ組織として未熟なので「誰も自分を見てくれない」という孤独感や孤立感で心が折れそうになる場面もあって、そういう時に誰かがちょっと出しゃばってきて「大丈夫?」って声をかけたり、ちょっとだけ手伝うことで、その人がバーンアウトせずに頑張れたり、本人の中で絡まっていた糸がほぐれたりするんです。個人的にもそういう時に越境してきた「優しさ」に助けられたことが何回もあるし、社歴が長くなってきたこともあり、そういう役割を担いたくなってしまう性格でもあります。

だから、「優しさで手を伸ばす」ことが、必要な場面も絶対にあるし、そこを全部否定されるとちょっと辛いなぁと思っています。

とはいえ、それによって本来の仕事が疎かになると話は別で。本業を疎かにせずにそういう「優しさ」を発揮できるスーパーマンのような人もいるのですが、私はそんなに器が広くなくて、しっかり消耗するタイプです。特にやりがちなのが、法務の大きなタスクが終わった時に一瞬「凪」の時期が来て、その時に優しさを越境させてたら法務でも波が来て、バーンっとタスクが膨れ上がってパニック寸前、みたいな場面です。弊社の仕事の近いメンバーなら、多分今ここで私のその時の様子が浮かんで苦笑するんじゃないでしょうか…いつもごめんなさい&止めてくれてありがとうございます。

そして厄介なのが、「優しさ」を越境させたつもりでいるから、他のメンバーに「そこから手を引けば?」と言われると、反射的に『優しさでやっていることを批判するの!?』となってしまうこと。少し時間を置いて落ち着くと『頼まれてないことやって消耗して、辞めさせようとしたら凹まれたら、もうその人のことどうしようもないじゃん…素直に聞こう…』となるんですが、どうしても最初に反射的に悲しくなるのは、我ながらどうにかならないかなぁと思っています。

ちなみに、「法務が法務外に出しゃばる」ことに違和感がある方もいるかと思うのですが、今の私の所属はベンチャー企業なので、そもそも「法務」であることよりも「同じ船を漕ぐメンバー」であることが求められているし、私もそこで法務に固執せずに法務以外のボールを拾うこと自体には全く違和感も不満もないです。そこは、LAPRASの法務である以前に、LAPRASのメンバーなので。ただ、問題はそこでボールを拾う範囲を広げすぎて、勝手に疲れたり悲しくなったりしてるとこで、それが大問題なのです…。

まぁ要約すると「頼まれてないことに手を伸ばして、パフォーマンスを下げている」状況が最近起こりやすいので、どうしたら防げるかをちょっと考えたいなという感じですね。このあと、自分なりに考えた方法を書くのですが、なんかもっと良い方法がありそうな気もするので、この問題に良い処方箋をお持ちの方がいたらぜひ教えてください。

対処案1:「頼まれたらやるよ」って伝えて、それでも頼まれないなら、やらない

「頼まれてないことに手を伸ばして、パフォーマンスを下げている」の「頼まれてないこと」の部分をなんとかするパターンですね。おそらく「片手間」でやっていると、私の中に「優しさでやっているのに」感が出やすいのかなと思うので、それを潰したらどうだろうという案です。

手を伸ばす問題が自分の立場だから見えている(担当者だと逆に見えていない)パターンの時は、特に一人で頑張って抱え込みがちだし、外から何か言われても「いや自分だけしか対処できないじゃん!(そんなことはなくて、問題を共有すれば対処できる人が他にいるが、問題を共有していないのでそう感じる)」となりがちな気がしたので、そういう時はきっと「こういう問題があるよ、頼まれたら私がやるけどどう?」って先に聞けば良いのかなって。

「あ、そこ問題あったんだ、サンキュ」で終わるようなら、別に解決しなくて良い問題とか他のチームで解決できる問題かもしれないし、「え!?まじか頼むわ」だったら、正式な自分の仕事としてちゃんと取り組んでしまえば良いわけで。

思うに、誰にも頼まれない仕事を拾うと、誰かに「感謝」されたくなる傾向が自分にあって、それを「頼んだ」と言われることで、感謝の先払いというか、頼まれてるからやってるという大義名分ができて、少し楽になるんじゃないかなと思っています。仮説なので、実証実験は、これからやります。

対処案2:パフォーマンスを下げない範囲でやる


「頼まれてないことに手を伸ばして、パフォーマンスを下げている」の「パフォーマンスを下げている」の部分をなんとかするパターンですね。今自分が拾える範囲で拾う。拾えないものは、拾わない。

多分拾っているものの中に「仕方なく拾っている」スタンスのものと「拾いたくて拾っている」ものがある気がして、前者は1で解決するけど、後者は解決しない気がしていて。「やっとくよ」って言われると「え〜自分でやりたかったのに…私が見つけた問題なのに…」となる予感がするので、拾う前提のソリューションが必要だと思っています。

どうしても拾いたいものは、リソースを調整して、絶対にパフォーマンスを下げない覚悟で拾う。そうじゃないものは、いっそのこと拾わない。

これ簡単に言ってるけど、難しいよなぁ〜と書いている時点でもちょっと嫌な顔をしています。まぁでも、自分だけの目線だと「見えてるのに拾わない」のはすごく苦しいのですが、会社全体で見ると『なんで頼まれてもないことでパフォーマンス下げてるの』ってなるのは至極真っ当なので、「拾わないことでこれ以上に(気になったりして)パフォーマンスが下がるんです!」って言えないものは、会社にお金をもらって働いている以上、拾うべきじゃないなというロジックで自分を落ち着かる作戦で行ってみたいと思います。これも明日から、実証実験です。

やることを決めるより、やらないことを決める方が難しい…

個人的には「やらないで放置する」ことよりも「自分がやる」ことの方が楽だと思って手を伸ばしがちなのですが、メンバーが増えた時に私のせいで異様に法務の業務範囲が膨らんでるのは論外だし、法務を疎かにして他の業務に首突っ込むのもやめた方が良いし、ここから半年くらいは「お節介長女」な性格を抑え込むことが当面の課題となりそうです。

とはいえ、そこはきっと自分の長所でもある部分なので、全消しするんじゃなくて「ここは拾っていい」「ここは拾えても拾っちゃいけない」というラインを決めつつ、実践していくしかないのかなと思っています。

そしてお節介な性格なので、拾っていいラインを決めるとどんどん拡張していく自信があるので、今回は「拾わない」ラインをしっかりと決めるしかないということで、対処1と2を一旦自分のラインとして引いてみて、いい感じになるのか、全然改善されないのか、ちょっとやってみようと思います。

繰り返しになりますが、この問題に、良い処方箋をお持ちの方がいたらぜひ教えてください。。。

そしてこんなモヤっとした悩みのnoteの最後で恐縮ですが、無事に寄稿させていただいた書籍が出版されました。読んでくださっている皆さんのおかげで、noteが書き続けられて、そこから繋がったご縁なので、いつもありがとうございます。感謝です。

KANSHAKANGEKIKATTENE!

(後日談)処方箋が集まってきた!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?