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ジョージアの物価の安さを誇張に表現してインプレッション稼ぐの止めませんか?【2023年版】

こんにちは、ジョージアのトビリシに住んでいる飯田さん(@iida_shi)です。

最初にこれだけは言わせてください。

ジョージアに安さを求める時代は
終わりました!!!

安い物価を求めているならジョージアへ行くより、
日本の田舎へ行った方がいいです!!


この記事はTwitter(X)でたくさんいいねがついたジョージアの物価安ツイートに対してのアンチテーゼとして書きました。もちろんジョージアは大好きです。

当記事を読んでくださった方からの感想や意見を共有します。

最初に私の話をさせてください。
私は高校卒業後、アメリカの大学へ進学するため、日本の新宿にある1年制のインターナショナルスクールへ通いました。
しかしインターナショナルスクールの時点でかなりお金はかかり(年間150万)、家計的に余裕がなかったためアメリカへ進学することを諦めました。

時が進み2019年、僕がまだサラリーマンをしているとき、このツイートを見て諦めていた海外移住を、再び志すようになりました。


なんて素敵な国なんだ!!
ジョージアへ行こう!!


2年後の2021年10月、晴れて片道航空券でジョージアへ訪れることができました。

ジョージアに来てからは、それはそれは綺麗な自然に触れ、日本ではあり得ない野良犬との遭遇、苦手としていたワインの美味しさを教えてもらったりと、新しい世界を開けてもらいました。

何よりフリーランスとして収入が安定しない働き方をしている身として、日本と比べて物価が安かった点には強く感銘を受けました。

私が来た2021年10月時点のジョージアの生活にかけたお金に金額は以下の通り。

・コーラ500ml:50円
・ビール3ℓ:300円
・ワイン1ℓ:120円
・賃貸2LDK:50,000円(もっと安い物件あり)
・公共交通機関(バス・電車):18円
・タクシー3km:150円
2021年10月 1GEL36円(GEL=ラリ)

驚きました。なぜお金に困っている日本人はこの国に来ないのか不思議でたまらなかったです。

しかし時は進み、2022年2月。隣国ロシアがウクライナを襲撃しました。
この国際的な事件を皮切りに、ロシアやウクライナ、近隣諸国の人々がジョージアへやってきました。

街からジョージア語よりもロシア語の方が聞く機会が多いくらいです。

そして大量の人が1つの国に押し寄せるとどうなるか?
インフレが起きました。

ラリはどんどん価値を上げ、2022年の年始1ラリ37円だったのが、半年後には44ラリ、9月には50ラリを超えました。

5年のラリ円の為替

在住邦人たちのラリ高に対するつぶやき。

そんな今でもラリ高が続く中、このようなツイートがオススメで流れてきました。

ジョージア🇬🇪のすごさ
☑︎ ビザなし1年滞在できる
☑︎ フリーランス税率1%
☑︎ 世界治安ランキング過去11位
☑︎ コーヒー1杯60円
☑︎ ビール80円
☑︎ タクシー3km350円
☑︎ ワイン1リットル150円
☑︎ 1LDK家賃4万円(家具付き)
☑︎ 通信費1ヶ月2000円(使い放題)
☑︎ 地下鉄乗り放題18円
☑︎ 世界中からノマドが集う
☑︎ まさかの温泉街がある
☑︎ ヨーロッパへのフライト格安
午後1:11 · 2023年10月19日

発信元

・ビザなし1年滞在できる
・フリーランス税率1%
・世界中からノマドが集う
・まさかの温泉街がある
・ヨーロッパへのフライト格安
この5つはまさにその通り。僕もジョージアが好きなポイントであり、住み続けている理由。

ただ「地下的乗り放題18円」と書いてある時点で、この方が発信していることは、ジョージアはラリ高前の2021年以前の情報だということがわかります。

なぜなら2022年2月からジョージアの地下鉄は1ラリに値上げしているから。

2022年2月から、トビリシの公共交通機関の一回限りの交通費が1GELに値上げされるが、国民が割引価格で旅行できるパスシステムが導入されるとカカ・カラゼ市長は発表した。

From February 2022, one-time transportation fees for public transport in Tbilisi will increase to 1 GEL, however, a system of passes will be introduced which will allow citizens to travel at a reduced price, Mayor Kakha Kaladze announced.

引用先:Transportation Fee in Tbilisi to Increase to 1 GEL, Passes to be Introduced

いわとぅーんさんという発信者に対して愚痴になってしまうのですが、旅人を作る人と銘を打っているのであれば、その情報が今でも正しいかどうか確認してから発信をしてください。

嫌なんです。ジョージアで出会った日本人と酒の席で「ジョージアの安さを紹介しているツイート見て来たら、日本よりものが高くて、割とお金なくて焦ってます…」と言われるのが。向こうの財布に気を遣ってしまい、酒が不味くなるんです。

もしかしたらコーヒー60円ほどで販売されているお店や、ワイン1ℓで購入できるお店があるかもしれません。家賃4万円1LDKで住める部屋もあるでしょう。現に私はジョージアでシェアハウスをすることで1ヶ月3万円の家賃で済めています。

ただ上も下も見たらキリがないので、この価格をデフォルトだと思って今のジョージアへ来ることは絶対にやめた方がいいです。
特にジョージアの首都トビリシへ滞在するならなおさら。

2023年夏のジョージアで生活した日本人の方が1ヶ月の生活費をわかりやすくまとめてくださりました。

今のジョージアに住んでいる身として、1ヶ月83,940円はかなり頑張った方です。

彼女曰く食費を削ったみたいですね。確かにお会いしたとき握力で潰せそうなくらい腕が細かったです。

なお旅人が長期滞在する際にお世話になるであろうAirbnbで2023年11月~12月の1ヶ月部屋を借りると以下のような結果が出て来ました。

4万円以下の部屋だけで絞り込みをしてみると、ちらほら出てきました。
ただ多くがシェアハウスやドミトリーだったりしますね。
プライベートな空間が欲しい人は少なくても5万円以上は必要になるでしょう。

ちなみに私は先ほども記述しましたが、ジョージアで知り合った日本人とシェアハウスしているため1ヶ月の家賃は3〜4万円で抑えることができています。(人数の変動によって価格が変わる)

ジョージアに住んでいる家の様子

なので工夫次第でジョージアで安く暮らすことはできます。
シェアハウスでなくても田舎へ行けば、月4万円の家賃で家具付きの部屋を借りることだってできるでしょう。

ただ2023年にSNSでジョージアの安さをツイートしている人の情報は疑った方がいいです。
ジョージア在住日本人で今のジョージア(主にトビリシ)を安いと思っている人は中々いないと思います。

それでもジョージアはワインやビールが美味しく、自然が豊かで、野菜や果物は日本と比べて安い傾向にあります。ぜひ人生に一度は訪れてみてください。
一緒に乾杯しましょう🍺

最後に、宣伝にもなってしまうのですが、よりリアルなジョージア生活に関しては、私が出版したKindle本にまとめられています。
私が2021年10月にジョージアへ来てから部屋を借りるまでをまとめた1冊です。

本書に書かれていることは少し前の情報ですが、前書きをしっかり読んで読み進めれば今でもタメになる情報をキャッチできたり、ジョージアの雰囲気を味わうことができます。

p.s.そして私もこうした物議を醸すツイートを棚に上げて、インプレッションを稼ぐSNSに毒された人間の1人であった。

【追記】
なぜジョージアの昔の情報をあたかも今の情報かのような発信したツイートに対して違和感を抱き記事にしたか?

それは、発信者が私と同じコミュニティの講師であり、共通の知人がたくさんいるから。いわゆるお互いが同じ界隈にいるからですね。

では同じ界隈の発信者が誤った情報が流れるとどうなるか?
今回の場合、多くの人が「すごい!」「そんな国があるんだ!」「行ってみたい!」といいねを押したり、拡散をしていました。

しかし、それが誤った情報だとわかると、「あー、ノマド系ね。ああいう人たち怪しいよね」と思われてしまう可能性だってあった。その火付に加担した私がいうのも変ですが。

感情的に怪しいと思われる分には仕方がない。だってノマドって怪しいもの。

ただ『嘘をつく人が多い』といったわりかし過去の事実が証明してしまうような界隈にしたくないのが私の願い。

1人の発信がその界隈を毒することだって大いに考えられる。
もちろん人間なので誤った情報を流すことはあるでしょう。

ただそれは陳謝すればいいだけ。

残念ながら、今回彼からメッセージをもらうことはなかった。
引用RTをし、クローズドなコミュニティ内でメンションもしたが、応答はなし。

それでも彼がいつも通り無鉄砲にツイートする姿に正直ムカついた。ただそこに感情が動いたところで何も変わらない。

何より驚いたのは、彼らのことを多くの旅人がフォローしており、ジョージア在住者もいたはず。なのにも関わらず誰も彼の情報の間違いを指摘していないということ。間違っていることを誰1人指摘することができない不健全な1面をみて大きな違和感を持った。

私のエゴでもありますが、一人一人がその界隈の模範となる発信をしてくれることを切に願います。

どうか目先の数字にとらわれないで。

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