男なんてどこか一つでも自分には叶わないと思えるところがあれば、それが一緒にいる理由になるのかもしれない

色気と思慮深さと、圧倒的な可愛さがあって、けれどそんな非凡さを飾り立てることなく、しっかりとした俗っぽさ(とてもいい意味で人間っぽさ)も持ち合わせた鈴木涼美さんは私にとっていつだってベストオブ女神だ。

そんな涼美先生の新刊発売イベント(2020.2.1)に参加したのだが、「可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい」(新刊タイトル)なんて言われた日には、もし涼美さんが妹だったらなんて考えずにはいられないし、逆にどういう男だったら涼美さんを満足させることができるのか(満足とまではいかなくとも、ある程度の快楽を与えることができるのか)と頭を悩ませてしまうほどに私は涼美さんに惚れている。

で、そんな妄想タイムはさておき、現実問題に向き合って、私が今付き合ってる(一応)男について考えてみる時間をくれたという意味でも、この新刊&イベントの価値は無限大に広がっている。

その、現在の私の彼氏なる人は、44歳バツイチなのだけど(色々突っ込みどころ満載なのはスルーして♡)、本当に子犬みたいにすり寄て来て、真ん丸な眼をウルウルさせて、「好き」とか言ってくるくらいには甘え上手であつあつで、私はその甘えっぷりに惚れている?というか承認欲求を満たされているといわれればそれまでなのだが、そんな安っぽいメンヘラ女にはなり下がりたくないので、ここで上等な理由をつけてそいつと付き合ってることを肯定したい。

多分、どうあがいてもこいつと付き合ってることを正当化するのは難儀かもしれないが、私が世の「この男と付き合ってる私、正解なの?シアワセになれる~?」とSNSなどで夜な夜な嘆きまくってる女子たちに捧ぐとすれば、男なんて、「ここだけは叶わない」と思える場所がたった一つでもあればもうそれだけで十分であるということ。

某マイ彼氏は、その点、飲食店の店長をやっているということもあって、料理の腕は到底叶わないし(特に私は自炊もしない、エブリデイコンビニ飯のずぼら人間なので、彼の作ってくれるごはんには毎回全米が泣いたレベルの感動をすることができる)、けどそれだけだったら何となくほかの男でも代替可能なのでは?と思うレベルだが、それに加えて彼の顔面がド直球ストレートで私のタイプだという事実も忘れてはならない。

だが、この「顔が超絶タイプ」とかいう中高生恋愛論みたいなあっさい理由で片づけてしまうほど、私の脳みそも経験も小さくはないし、あえてこれに付け加えるとしたら、そう、彼は「芸人に対するコメント」に関しては的を得て秀逸なことを言ってくれるのだ。

こないだも、「THE MSNZAI」をみているとき。芸人に関して疎い私は、パンク・ブーブーとかいう世間では有名芸人とされているコンビのコントも今まで一度も見たことがなかった。

そのコント自体、「イヌとの出会い」というタイトルで、こないだ道でイヌに遭遇したんだけど~という入りから始まり、そこからボケの人の通常の感覚とはズレまくったボケが連発され(そのズレ具合が絶妙で笑える)、ワンフレーズに詰め込まれたセリフの多さに息継ぎの暇もないくらいなのだが、それでも全然かまなくて、そのプロ意識に圧倒されつつ、心地いいテンポで場面展開していくスピード感がなんとも爽快だった。

こうして、今自宅で飼ってるイヌとの出会いについてのやや常識を逸した爆弾エピソードは終焉をむかえ「実は、うちの猫、イヌって名前なんですよ」という最後で幕を閉じるのだが、「やっぱりオチが弱いよね」と横の人(彼氏)が言ったので、私は激しく同意した。

こんなにギア全開で、高速トークを繰り広げてきたのに、最後は尻すぼみとばかりに急ブレーキをかけられ、みているこちらは調子が狂うし、車酔いのようなむかむかが胸につかえる。その車酔いのようなむかむかを、彼は一言「オチが弱い」とまとめてくれたから、私はすっきりして今夜もいい夢みれそう♡となれるわけなのである。

こんな話、芸人評論家、よしもと通い詰めて何十年とかいう人とか、普通に「芸人好き」と言って毎日バラエティー三昧な人たちにとっては痛くもかゆくもない、平凡な見方で、世の中もっと秀逸な芸人論を持ち合わせてる人なんていっぱいいるのだろうけれど、芸人無知な私からしてみればこれくらいのレベルでちょうどいいわけだし、それは、ミシュラン何個星とかいう高級レストランよりも、鳥貴族や吉野家、サイゼリヤあたりでメニュー抱えて「どれにしよう~」と時間をつぶすことに幸せを感じる自分の性格を考慮すると至極全うなレベルの話にも思える。

要するに、芸人でも、日本史でも、アイドルでも、映画でも、家電でも、花でも、ギャンブルでも、ラップでも、風俗店でも、ファストフードでも、なんでもいいから自分より勝ってる、詳しいと思える知識が相手に一つでも備わっていれば、それだけで相手から得られるもの、学ぶものがあると考えられるから、その人と付き合ってる(一緒にいる)ことを肯定できるのではないでしょうか。もちろん、それだけでは長続きしないし、一生一緒にいる理由にはならないと思うけど、(なる場合もあるけどそれは今すぐにはわからないじゃん?)「今がシアワセ楽しいハッピーなら、オールオッケー」という90年代の少しモラルが崩壊気味のギャルマインドを崇拝して生きている私からすれば、そういうことなのだ。

AV女優の知識なんて場合は、間違いなく、ほぼ100%の確率で、むこう(男)のほうが詳しいに決まってるのだから(そりゃ女のほうが詳しいというパターンもあると思うがそれはそれで素敵♡)、相手の男から得られるもの(不毛な知識や情報であるかどうかはともかく)はどんなカップル同士だって、掘ればまだまだあるはずなのだ。

そんなふうに思えるから、私は今宵も「もらえるものはもらっとく♡」精神で、好きな男からさえも、ねこそぎいろんなもの(競艇から美味しいすき焼きの作り方まで)を吸いとって元気に前を向いて生きてます♡


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