見出し画像

多彩な領域のプロを社内外からアサイン。一社完結で幅広いマーケティング支援を担う伊藤忠インタラクティブ

総合商社の伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)では現在、天然ゴムのトレーサビリティとサステナビリティの実現を目指す「PROJECT TREE」を商用展開しています。伊藤忠インタラクティブ株式会社(以下、IIC)では、当プロジェクトの立ち上げ期から、マーケティング・プロモーション支援を相談されていました。
 
ターゲットとなる消費者への認知拡大を達成するためには、「どの媒体を活用し、どのようにコミュニケーションを設計するか」が重要です。今回は、さまざまなマーケティング施策を手がけてきたデジタルマーケティング事業部のメンバーに、当プロジェクトのマーケティング・プロモーションにおける取り組みやこだわりについて聞きました。
 
自社サービスや商品のマーケティング・プロモーションを検討されている方は、ぜひご一読ください。
 
◎interviewee ----------------------------------------------------------------------
 デジタルマーケティング事業部 デジタルソリューショングループ
 冨田健介
--------------------------------------------------------------------------------------

■「認知度を高めたい」。日本での展開に向けてマーケティング・プロモーション施策を担当


――「PROJECT TREE」の概要と、立ち上げに至った背景について教えてください。
 
冨田:「PROJECT TREE」は、持続可能な天然ゴムの取引を目指す伊藤忠商事の取り組みです。輪ゴムやゴム手袋などに使われる天然ゴムは、私たちの生活に欠かせない天然資源。中でも、世界消費量の約70%を占めるタイヤの需要は、モータリゼーションの進展とともに、今後も拡大が見込まれています。しかし、タイやインドネシアなどの主要生産地では、森林減少や貧困問題など、解決しないままにしておくと、天然ゴム産業の継続が困難な状態に陥ってしまいます。
 
このような状況を受け、これまで天然ゴムビジネスに深く関わってきた伊藤忠商事は、事業の発展とSDGsへの貢献を目指して、当プロジェクトを立ち上げました。
 
当プロジェクトの特長は、グループ会社が独自に開発したトレーサビリティシステムを活用していることです。このシステムを使うことで、取引内容や位置情報などが詳細に記録され、生産地の状況や生産量、供給率などが可視化されるようになります。これにより、生産地の環境を守りつつ、需要拡大に伴う生産量増大の仕組みが構築できるようになるのです。
 
――2021年に商用運用をスタートさせた「PROJECT TREE」ですが、IICがマーケティング・プロモーション支援を担当することになった経緯について教えてください。
 
冨田:当プロジェクトがローンチする前の2019年頃、伊藤忠商事の担当者より、「マーケティング・プロモーション支援をしてほしい」と相談を受けたことがきっかけです。当時、サステナビリティへの意識がより強い欧州を中心にPRしていました。その後、日本でもPRをスタートさせるという流れが決まったため、「日本での認知度を高めたい」という依頼のもと、マーケティング・プロモーション戦略を提案することになりました。

冨田さん

■「生産地」と「消費者の日常」のつながりを表現し、ユーザーの興味喚起を狙う


――マーケティング・プロモーションについて、具体的にはどのような取り組みを行ったのでしょうか?
 
冨田:エンドユーザーとなる消費者に向けて、当プロジェクトを知ってもらうためのコミュニケーションを設計し、「動画」「ポスター」「日本語版Webサイト」を制作しました。
 
動画とポスターからWebサイトに誘導し、より詳しい情報を伝えて興味を深めてもらい、環境に配慮したタイヤやゴム製品の購買促進につなげることが狙いです。具体的な発信方法としては、タイヤ販売店などで動画とポスターを活用してもらい、来店した人の目に留まるような施策を予定しています。
 
――3つのクリエイティブにおけるキーメッセージについて教えてください。
 
冨田:最も訴求したかったのは、タグラインとして使用している「天然ゴムをつなぐ」というメッセージです。生産現場のリアルを可視化した上で、天然ゴムと私たちの生活のつながりをきちんと伝えられるようなクリエイティブを目指しました。
 
――「天然ゴムをつなぐ」というメッセージを打ち出すために、どのような部分にこだわりましたか?
 
冨田:「生産地のリアルな様子」と「消費者の日常」の、対比とつながりを見せる構成に重きを置きました。特に伝えたかったのは、「天然資源であるパラゴムノキから得られた樹液が、タイヤに変わり、私たちの日常のそこかしこに存在し、役立っている」というストーリーです。生産者のみにフォーカスするのではなく、日常の中でタイヤを使っている消費者の生活も垣間見せることで、より身近に感じることができ、天然ゴムの流れを効果的に伝えられるのではと考えました。
 
動画冒頭の母親と子どもが車で外出するシーンも、「身近な生活の中の天然ゴム」を伝えるための工夫の一つです。動画は、画像やテキストに比べて多くの情報を届けることができるので、世界観を伝えるには有効な手段です。ユーザーの印象により深く残る動画を作るべく、検討を重ねてシナリオを作成しました。

■適材適所のプロフェッショナルをアサインし、一つのゴールを目指す


――当プロジェクトの制作体制について教えてください。
 
冨田:私がプロデューサーとして全体の舵を取り、実作業は各領域のプロフェッショナルに依頼しました。例えば、タグラインは社内のコピーライターとコミュニケーションプランナー、ポスターデザインは協力会社のアートディレクター、動画の絵コンテはグループ会社の映像制作チームなど。当プロジェクトのコンセプトを共有した上で、スケジュールに則って制作を進行してもらいました。
 
中でも動画制作は、天然ゴムの生産地であるインドネシアで撮影する必要があり、出演してもらう生産者さんも含めると、たくさんの人の協力を得ることになりました。また、撮影はインドネシアバンドン在住のクリエイティブチームが担当することになったため、事前ミーティングはすべてオンラインで実施。画面越しに細かいニュアンスを伝えるのに苦労しましたが、絵コンテを元にすり合わせを行い、撮影現場で対面したときに互いの認識に齟齬がないかを確認しながら進行しました。
 
――インドネシアでは、どのように撮影を行ったのですか?
 
冨田:3日間がかりで、スマトラ島のゴム農園の撮影を行いました。伊藤忠商事の事業投資先でもある天然ゴム加工会社、ABP社(PT. Aneka Bumi Pratama)のスタッフさんに現地をアテンドしてもらい、農園で働く生産者さんにも協力してもらいながら、「生産現場のリアル」をカメラに収めることができました。
 
期間中はスチールカメラマンも同行し、ポスターやWebサイト用の現地風景・人物写真を数多く撮ってもらっています。たくさんの人の協力のおかげで、より良いクリエイティブにつながったと感じています。
 
完成した動画やポスターは、これから販売店やメーカーに浸透させていく予定です。良い反応が来ることを期待しています。

ラテックス採取(左) スマトラ撮影地のひとつ(右)

■一気通貫の制作体制を強みに、多岐にわたるプロモーション戦略を構築


――マーケティング・プロモーション支援におけるIICの強みはどのようなところにありますか?
 
冨田:マーケティング戦略立案からコミュニケーションの設計、広告の運用まで、デジタルマーケテイングに関わる幅広い工程や作業を、一気通貫で対応できることだと思います。例えば、事業・サービスに関わる戦略立案から、CXを策定しUI/UX設計に反映、そこからクリエイティブのコンセプトワークを行い、ロゴ作成など実際のつくりものへ、あるいはシステム設計・開発をする、そしてそれらを広めるためのプロモーション策定する、など。社内外の最適な人材をアサインし、一貫して対応することが可能です。さまざまな実績を持つ社内メンバーだけでなく、外部の協力者とのつながりも豊富なので、依頼先を分散せず、一社で完結できるメリットは大きいのではないでしょうか。
 
また、サステナブル・コミュニケーションに関わる知見も多く有しているため、今回のようにサステナブルな取り組みのPRやコミュニケーションデザインも得意とするところです。マーケティング・プロモーションにおけるコミュニケーション設計やクリエイティブ制作にお悩みの企業様はぜひご相談ください。
 
<サービス概要ページはこちら>
https://project-tree-natural-rubber.com/jp/