音楽|小澤南穂子【ヒコウキグモ】
演劇と詩歌の親しい距離感については、よく指摘されることだろうと思うのですが、
我らがおぺさんは、日常に限りなく近い言葉で、音楽を奏でているのかもしれないと、ふと思った。
詩みたいな旋律が、セリフに存在しているように感じる。根拠はない。
それは韻律とか、そういうものではないから。多分。
「意味、な」
というのは、いいへんじの過去作品『仮眠』の冒頭で出てくるセリフの一部で、この音と空気が半端なく印象に残ってる。
これだけでもううたなんよ!(?)
(個人的にはいいへんじに入ってからなんとなく立場的に「いいへんじが好きです!」とか「『仮眠』しか勝たん!」とか言いづらくなったのがとても寂しく口惜しいのでありますがちょっとこれは言わせてくだせえ)
で、今回『薬をもらいにいく薬』で感じられるその戯曲の音っていうのがもちろんあって。
言うなれば、波みたいな感じ。
だいたい主人公がずっと喋ってて、一人の人間の声が引っ込んだり広がったりしぶきをあげたりするみたいなそんな印象を、私は、受けてるんです。で、他の登場人物の声とか存在は風とか船とか、はたまた浦島太郎みたいな・・・み、見ればわかってもらえるはずなんです・・・多分。
そこにさらにBGMが入ってくると、もうもはや魔法みたいでなんかやばくて。久しぶりにドキドキイイイイみたいな気持ちになりました。
ま、実際どんなものかは劇場で・・・♡
特徴的なリズム感覚を持った脚本家であり、音感覚を持った演出家なんだろうな、と、おぺさんが演出をつけているのを見ていると思う。ああ、この人の体の中かどっかには、心地の良い言葉の旋律的なものがあるんだろうな。
本能的に耳に心地よい音空間が、ある意味見えているのかもしれないなあ。聴こえているっていうより。
演出してる時おぺさんは結構タワタワ〜たわたわ〜っと動く印象が私にはあるんですけど、それがAR絵画?V R絵画?的なものを描いているように見えてきちゃう。
と、稽古に参加して同じ作品を作って演出を受けている役者らしからぬ、まるで稽古を見学に来たただの後輩みたいな感想を持ってしまった。
芸劇eyes番外編 vol.3
「もしもし、こちら弱いい派─かそけき声を聴くために─」
参加作品
『薬をもらいにいく薬(序章)』
日程
2021年 7月22日(木・祝)~7月25日(日)
会場
東京芸術劇場 シアターイースト
チケット取り扱い
【東京芸術劇場ボックスオフィス】
https://www.geigeki.jp/ti/
【チケットぴあ】
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2112236
【イープラス】
https://eplus.jp/sf/detail/0560990001
【ローソンチケット】
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【カンフェティ】
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=61631&
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