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虚ろなあの子

私は中学生の時からネットで友達を募集して、同じ年代の子と仲良くするようになった。今まで繋がった人数で言えば50人は軽く超えてるし、割とみんなと仲良くなれていたと思う。ただ残念なことに今繋がってるネットの友達は10人ほど。みんな何らかの理由で離れてしまった。そんな中には未だに忘れられない子は何人かいる。「ずっと一緒」って約束した子だって、私の全てを受け入れてくれた子だっている。その中で今日は特に覚えていて誰より儚い昔のネットの友達についての話をしようと思って今これを書いている。

その子の名前は「のぞみちゃん」多分本名。顔が可愛くて学校ではかなりモテていたらしいし友達はたくさんいた。だけど本人は毎日「生きることに疲れちゃった」と言って私に相談してくれていた。時にはのぞみちゃんがヒステリックになってしまって「みんな嫌い!死にたいよ」とLINEを送ってくることだってあった。その度に話を聞いていたからかのぞみちゃんは私のことを大事にしてくれるようになって、一時期はのぞみちゃんの1番仲が良い友達にまでなれたこともあった。私ものぞみちゃんにたくさん相談したし、私がやってしまったこと、あまり良くない話だって受け入れてくれた。私ものぞみちゃんに頼っていたし、のぞみちゃんも私に寄りかかってくれていた。そんな時間が過ぎていくにつれてある日、のぞみちゃんは私に「そろそろ白夜ちゃんに依存しそう、白夜ちゃんは私のこと好き?」と言ってくれた。学校ではトラブルばっかりで毎日死にたかった私からすればこの言葉で世界が明るくなったし、依存は本来は悪いことなんだろうけどこの時は嬉しくて堪らなかった。だから私は「大好きだし依存していいよ、共依存する?笑」とか言った記憶がある。そう言ってしばらく経ったある日、のぞみちゃんからのLINEに私は驚いた。

「心中しない??」

こう言われたのは後にも先にものぞみちゃんだけだし正直、困った。心中したい気持ちは山々だったけど死ぬのはやっぱり怖いし、まずのぞみちゃんは本気なのか分からなかったし私は「本気?笑 したいけど死んじゃっていいの?」と送った。その後はのぞみちゃんから最近上手くいってなくてそろそろ限界と言われた。そして立て続けにいつ会って心中するか、どこで会うかを聞いてきた。そこからのぞみちゃんは止まらなくなってしまって繰り返し心中を誘ってきた。私はさすがに怖くなってしまい、のぞみちゃんから離れてしまった。そこからのぞみちゃんの生存は分からないし今や知る術がない。だけどたまに思う、あの時のぞみちゃんの誘いに乗っていたら幸せだったのかな、と。

のぞみちゃんへ

あの時ろくに返事もしないで逃げてごめん。私が知ってる限りではのぞみちゃんが私に嫌われたと思って落ち込んでた所まではのぞみちゃんの友達から何となく聞いたよ。のぞみちゃんと繋がってたのはほぼ3年くらい前だし私のことは忘れて今は幸せに生きてるかな?だったらいいな。私は楽しいよ。死にたいけどね、何とか幸せなこともたまにあるから生きてる。のぞみちゃんと離れてからもネットの友達たくさん作ってたけど、やっぱりのぞみちゃんって特別だった。私がネットのこと、自分のこと、世界のこと、よく分かってない時に仲良くなって自分を取り繕うこととか綺麗に見せることを知らなかった汚い私を知ってる数少ない大事な人であり、私を強く好きでいてくれた人だから。ありがとう。私達生きてる方が良いのかな、のぞみちゃんはずっと生きてるだけで迷惑を掛けるって言ってたけど、生きてることで迷惑しか掛けない人間なんてこの世界にいないんだよ。今のぞみちゃんが何をして何を考えてどう生きてるかなんて分からないけど、のぞみちゃんが生きてるならそれで良いの。最後に、好きになってくれてありがとう。のぞみちゃんに関われただけで幸せです。私はずっと大好きだよ。

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