そりゃ衰退しますって、日本のテレビ局は

上記を読んでいて、モーリー・ロバートソン氏や山本一郎氏の主張したい点は全面的に賛成するのですが、営業や編成周りの論点がおかしいと思うので書いてみようかと思います。今回は山本一郎氏の論点を抜粋しながら考えてみたいなと思います。

論点1. ワイドショーのような情報制作で世の中を無理に動かそうとするな

私は報道・情報番組を経験した事がないので分かりませんので特に書きませんが一言だけ・・・。
自局の社員を見ていると、そんなに深く考えていないと思います。どちらかというとマッチポンプ的展開にしないと番組を作れない、視聴率を取れないと思いこんでいるだけで世間(特にSNS界隈)とのズレを理解していないだけではないか思います。

論点2. 「番組で取り上げられました」を誘発するステルスマーケティングをやめろ

資金が動いているにもかかわらず番組内では広告と銘打たないという明確なステルスマーケティングが横行

放送局が金銭を広告会社やPR会社から受け取っている場合だとご指摘の通りステルスマーケティングですし、法的にアウトです。ただ、後述しますがほとんどのケースは金銭を受け取っている事例はないかと思います。むしろ、ほとんどの場合において、PR会社等から売り込みを受けてそれを報道する事例の方が多いかと思いますが、それでも金銭が発生した上で取り上げられる事例はほとんどないのではないかと思います。

極稀な事例として明治R1のようなストレスマーケティングを行っているとされた場合もありますが、実態としてはほとんどないと思います。


論点3. 業界の構造が変わっているのに同じ仕組みで作り続けるのをやめろ

 ある予測では、2020年を通じてNetflixはコンテンツ制作のための予算だけで173億ドル(約1兆8,400億円)を投資すると見込まれていて、恐らく着地のコンセンサスでは150億ドル(約1兆5,800億円)ぐらいだろうとされています。 
 けたが大きすぎてイマイチすぐにはピンときませんが、我が国のテレビ局という意味では私たちの大正義・NHK様の放送経費全体が3,460億円(2018年)ほど、うち、真水のコンテンツ制作費は年間2,770億円(同)ほどです。民放はと言えば、日本テレビ放送網が977億円、テレビ朝日が874億円であって、それでも定常放送枠の制作経費が削減されるってことで出演しているタレントギャラを減らそうとか言っているわけですから、まあ太刀打ちできないよねという話でもあります。相手は1兆円ですよ、1兆。

金額が大きいので日本の放送局とNetflixを比べたがりますけど…。
Netflixは中国、クリミア、北朝鮮、シリア以外の国で事業展開をしています。つまり、ほぼ全世界です。全世界で事業展開している企業のコンテンツ投資で1兆円と、たかだが極東の島国で6放送局で年間4000億円ぐらいのコンテンツ投資を行っている企業とでは全然違うかと思います。

言い方を変えると、1.5兆円で190国以上63億人相手に事業展開している企業1社と、0.4兆円で1国1.2億人に相手をしている首都圏の主要6放送局(と全国に点在する地方列局)というのが本来あるべき比較対象なのかなと思います。

ただ、ここでのポイントはNetflixはどんなに頑張っても地球の人口以上の契約は取れないので、その点において広告ビジネスの強さ(そして不安定でもあるものの)が浮き彫りになるかと思います。

テレビコンテンツの海外展開って?

 ただし、それ以上に問題となるのはこういう「日本の制度下で、電波村によって規制された業界が、日本人に向けてスポンサードベースのコンテンツ提供体制を続けていく」ことの是非は、ダイレクトに「世界にいる非日本語話者に対するマーケットをまったく取りにいけていない、後進的で閉鎖的なテレビ局の駄目すぎる経営」を浮き彫りにしたとも言えます。
(中略)
 結果として、海外市場でのコンテンツ配信においては、むしろいままでさんざん馬鹿にしていた韓国のエンタメ業界に負けて後塵を拝することになってしまいました。当たり前のことですが、韓国の人口はざっくり日本の半分。海外に出ていかなければやっていけない規模の経済であり、かたや日本のテレビ局はいままでずっと日本市場だけでも十分に稼げる優良企業であると同時に不動産収入も各社大きいので危機感を抱かぬうちに海外にボロ負けしてきた経緯があります。

ご指摘の通りだと思うんですが、これはクールジャパン機構がダメダメだったったというのも一因だったのもあるかと思います。なぜならば、コンテンツを海外に売り込む国策なのにも関わらず、色々と大失敗という結果になった訳ですから…。

要因としては色々とあるとは思いますが、そもそも放送局は事務所に対してそんなに強く出れないという事に起因しているのかなと思います。結局、韓流スターみたいな清潔感のある中性的でもありつつも大人の男性であるタレントが日本にいないというのは要因の一つであるかと思います。

日本において清潔感のあるジャニーズと男性らしさがあるLDHの中間を埋める存在がいなかったところに韓流スターがいるというのが大事かなと思います。そして、グローバル(特に欧米諸国)においてもこの韓流スターのように存在(マッチョイズムにブレすぎる)がいなかったというのは非常に大きかったかと思います。

締まりがない感じですが、今日はこれまでとさせて頂ければと思います。

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