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【出版物紹介】アダム・ネイマン『デヴィッド・フィンチャー マインドゲーム』

アダム・ネイマン『デヴィッド・フィンチャー マインドゲーム』井原慶一郎訳、DU BOOKS、2023年


書評掲載情報

▼BRUTUS(ブルータス)2024年1月15日号【特集:理想の本棚。】において紹介(30頁)。紹介者は映像ディレクターの大根仁氏。

日本では今まで周辺書に恵まれなかった、ミステリに親和性のある映画監督に関する本が三冊も出版された。その中でも特に待望の一冊が日本初の関連書となる『デヴィッド・フィンチャー マインドゲーム』だ。映画の図版をふんだんに取り込み、全監督作を個別に批評した本書では、著者は撮影技法や制作の背景を交えながら、自作で同じ装飾的な連続殺人を描くのでも、創作の『セブン』と実在事件を取り扱った『ゾディアック』とでは向き合い方が違うことを示すなど、対象作品以外の創作物との接点・共通点や差異を通じて、フィンチャー作品の実像や特質、監督の果たした役割を探っている。(嵩平何氏=探偵小説研究会会員)

「ミステリマガジン」2023年7月号【〈今月の書評〉ミステリ・サイドウェイ】

本書ではフィンチャー作品を「11本の長編映画と1つのドラマシリーズを6つの章に分けて」論じ「豪華図版を駆使して徹底分析」している。年代順ではなく「犯行現場」や「不気味の谷」などテーマごとに作品を分け、章立てしている点が面白い。また、1作品ごとに「影響を受けた作品・人物・事項」についても検証されている。中でも映画「ファイトクラブ」の主人公で「廃墟同然の空き家」で暮らすタイラー・ダーデンと「大だるをすみか」とする古代ギリシャの哲学者ディオゲネス(1784年の版画)の対比が面白い。両作品には200年以上の隔たりがあるが、視覚芸術の奥行きを一瞬で体感できる貴重な資料と言える。(大寺聡氏=イラストレーター)

「南日本新聞」2023年4月22日【テーマ別に映画を分析】

ポリコレで衰退の一途を辿るアメリカ映画界で、牙を剥き続ける孤高の鬼才。……破壊衝動をスタイリッシュに描く悪魔的魅力はどこからくるのか。両義性を暴く考察と美しいデザイン、本書自体がフィンチャー流儀。長編11本の影響を受けた作品・人物・事項がまとめられているのもありがたや。序文はポン・ジュノ。(荒木重光氏=編集者)

「EYESCREAM」2023年4月号【監督は体制の内側にいながら反体制的な姿勢を維持できるか?】

▼「シネマカフェ」にて紹介。

▼「映画.com」にて紹介。


▼目次

▼ためし読み(インタビュー with エリック・メッサーシュミット)



▼『ポール・トーマス・アンダーソン ザ・マスターワークス』と『デヴィッド・フィンチャー マインドゲーム』の日本語版を手にした著者アダム・ネイマン氏のコメント。