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パラサイト問題。この映画はいつの映画なのか。

パラサイトを見ました。

当然というか、もちろんというか、めちゃくちゃ面白いです。コメディ、暴力、格差社会、気候変動など様々な要素をエンタメ映画にまとめきる監督の手腕に、見ている間はずっと至高の時間でした。

あー、面白かった。これは年間ベスト級だわ。

と、思ったところで気づきました。この映画、どの年のベストに入れるべき? と。

映画好きにとって年末といえば、その年に見た映画のトップ10を決めるのが、心の躍る恒例行事です。そこでこのパラサイト。東京の先行上映(2019年12月27日〜)で見たのですが、全国的な公開は1月10日からです。

個人的な映画鑑賞経験から考えると、当然2019年の映画ランキングに入ることになります。ただ、日本での全国公開は2020年なので、映画雑誌、ニュースサイトのランキングでは2020年のランキングで扱われることでしょう。なんか自分だけ先走ってる感あります。あれ、お前2020年はパラサイト入ってないのと言われた時の説明を今から考えておくべきでしょう。

でもですよ。2019年か2020年の違いはその数字だけではなく、ややこしい問題をはらんでいます。

1年違うだけで、2010年代か2020年代、どちらかの映画として扱われることになるのです。この違いはけっこう大きい。(そもそも10年ごとに振り返った時にでてくる映画なのかはさておき)やはり映画ファンともなると、10年ごとのランキングを考えるのも仕事のひとつですからね。この映画はどのディケイドに入れるべきなのか。なんとも悩ましい。

ちなみに海外では2019年に公開済みのようで、様々な人がその年の年間ベストに挙げています(あのオバマも)。

映画の内容的にも2010年代、というより間違いなく「2019年」の映画だと思いました。ですが年末の4日間だけ公開してた映画を2019年の映画にしていいもんなのかと。

でも来年、なんなら劇場で見逃して、配信かなんかで再来年の2021年に見て衝撃を受ける人もいるでしょう。そういうパターンで出会う映画もいいですよね。その人にとっては2021年の映画になることでしょう。

まあそもそも10何年後かに昔の映画として見た時には、だいたい2020年くらいの映画として見られるでしょうから、それぞれが勝手に決めていい、小さい問題なのかもしれません。

でもそんな小さなことで悩むのが楽しい。そんな年末。

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