【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第26回「古碁に学ぼう。第6期棋聖戦第7局 林海峰九段対藤沢秀行棋聖」
こんにちは。
IGOcompany【U】@毎日note継続中(326日目)です。
公益財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、文章を書いたり、「囲碁」の普及活動をしたりしています。
本日のnoteは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第26回「古碁に学ぼう。第6期棋聖戦第7局 林海峰九段 対 藤沢秀行棋聖」
です。
※どこから「古碁」っていうのかの定義は、人それぞれですが、
この対局は、1982年(42年前)の対局です。
今、ちょっとした縁がありまして、藤沢秀行先生の親族の方に囲碁を教えてるんですが、周りの生徒さんからも秀行先生の棋譜を解説して欲しいとリクエストがありまして、
僕の持っている囲碁年鑑から何局か並べて、
この碁を教室で講義してみました。
藤沢秀行先生が、棋聖戦を6連覇した時の棋譜ですね。
趙治勲先生が、史上四人目の名人本因坊になった年でもあります。
ちなみに、この当時は、囲碁のタイトル戦が終わると、テレビで特別番組が組まれたりしていたらしいです。生徒さんが「イレブンピーエムの後に、臨時の囲碁の放送あったよ」と教えてくれました(笑。
その当時の人気から、何故、更に発展できなかったんでしょうね。。。
昔の碁なので、今の碁の感覚と違うトコロがあるんですが、それが逆に面白いと言いますか、並べていて楽しかったので、皆さんにも、その「感じ」をお伝えできればなと思います。
良かったら、皆さんも並べながら解説を読んでみて下さい。
この解説シリーズは、
僕の書いている有料noteの「全て」のマガジンと、
全100回を目指す棋譜解説シリーズのマガジンに、
記事は随時追加していきます(良かったら、ご購入をご検討下さい)。
前回のnoteは、こちら。
※必ず前回の棋譜解説を載せていますので、良かったら遡ってみて頂いて。
囲碁の棋力向上のためには、
兎に角、たくさん勉強すると言いますか、
様々な棋譜解説に触れ「棋理」を理解していくことが大事だと思いますので、拙い文章かもしれませんが、(前半の無料部分だけでも)サラリと眺めてみて下さい。
ホント、色んな解説を気軽に読んでみるのがオススメです。
スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、宜しくお願い致します!!
今回の参考教材。
それでは、
棋譜解説noteを始めていきましょう!!
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第26回「古碁に学ぼう。第6期棋聖戦第7局林海峰九段対藤沢秀行棋聖」
【解説に使った棋譜の総譜 黒85手目まで】
第6期棋聖戦第7局 林海峰九段 対 藤沢秀行棋聖
実は、黒85が「後悔の一手」だったらしいです(理由は、後半のnoteで)。
【実戦の進行 白10手目まで】
右下隅、ツケヒキ定石の途中。
ここで白10と「様子見」をするのが、定石化されたような手順になります。
【参考図① ツケヒキ定石後の狙い】
単にツケヒキ定石を打つと(それでも問題はないのですが)、下の図の黒13のツメを打たれるのが、白は何となく嫌です。
それを防ぐために、白10の様子見。仮に黒11と受けてくれた後に、ツケヒキ定石に戻れば、黒は、Aに打ち難い(黒11と打った後、黒Aに打つのが二度手間のような印象)という理屈です。
【参考図② 黒の反発もありえます】
とはいえ、白1の様子見に対して、
黒2と反発する手もありますので、これはこれで難しいです。
黒2に対して、白も手抜きで右上隅を両ガカリするか、
次の図のように白3のノビで打つ場合もあります。
【実戦の進行 白14手目まで】
実戦は、白10の様子見に黒が素直に受け、白14までの「ツケヒキ定石」に戻りました(ツケヒキ定石についても、今年中に本を書いてみたいです)。
【実戦の進行 黒15のハサミ】
黒15のハサミで、黒1から白10に対してコスミツケを決める発想もあるでしょう。現代の碁は、この当時より隅を重視する傾向にあります。
この後も出ますが、昔の碁は、今よりホンの少し、辺を大切にしているかもしれません。
【実戦の進行 白18のハサミまで】
この局面の白18のハサミは、
ちょっと違和感と言いますか(もちろん、秀行先生が打ってますし、悪い手ではないんですよ!)、生徒さんにはお伝えし難い場面。
【参考図③ ここはこう打ちたい!】
素直な感覚として、白16のスベリと黒17の受けを決めたのなら、白18とヒラキを打つ一手だと思います(生徒さんには特にそう伝えたいです^^)。
念のため、AIで検討したんですが、やはり白18で問題ありません。
積極的に打つなら、白18と打つのもあると思いますが、兎に角、上辺の方に打ってみたいです。
【実戦の進行 黒25手目まで】
実戦の進行は、こんな感じに。
辺に打つ黒21のワリ打ちなど、自然に見えますが、現代のプロの碁だとなかなか見ない手かもしれません。
先程も言いましたが、昔の碁は、今よりホンの少し、辺を大切にする傾向にあるんですね。
【実戦の進行 黒31手目まで】
白は待望の白26の位置に戻り、落ち着いた展開になっています。
黒29のスベリから、黒31の守りも、(当たり前の手なんですけど)何故か、今だと長閑だなぁと感じました。
あっ、ちなみに、この時の碁は、コミが4目半くらいなので、今よりも黒がじっくり打って大丈夫な時代なんですよね。
※訂正。こちらで調べてみたら、コミは5目半でした。
【参考図④ 黒31では】
ちょっとのんびりしているかなぁと思って、他の打ち方はないのかと調べてみると黒31のトビが示されていました。
【実戦の進行 白34の手が打ち過ぎ?】
白は左上隅の白石を、白32のコスミツケで補強して、左下隅のコスミにまわりました。白34は相手の根拠を奪う厳しい手かなと思って並べてたんですが、当時の解説によると打ち過ぎとのこと。
ホントかなと思ってAIにかけてみたんですが、解説で述べられていた「こう打つ一手」の白34と合致していたので、当時の感覚とAIにそんな間違いはないことが分かりまして、ちょっと驚きました(当時のライターさんの棋力の高さが伺えます)。
【実戦の進行 黒45手目まで】
実戦は、このように進み、白46手目の局面です。
実は、この白46手目が「緩着」だったようで、形勢は一時黒に傾きます。
白46手目、皆さんだったらどこに打ってみたいでしょうか??
今日のnoteは、
これ以降を有料部分に設定したいと思います。
実戦での緩着、正着、そして、これからの逆転劇を解説していきましょう。
それでは、
一旦、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
良かったら、また読みに来てみて下さい^^。
以下、有料部分です。
【参考図⑤ 自然な着手はこちら】
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