「囲碁、指導碁の棋譜解説(厚みを活かすボウシや、有力な手抜き)」
こんにちは。
IGOcompany-Uです。
囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、様々な場所で講義をしたりして、囲碁でご飯を食べています。
本日は、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて、僕の「月曜日の指導碁会」がありまして、
その指導碁の中から気になった局面を(久々に)解説しようと思います。
お相手は有段者の方で、三子局です。
白43と打った局面で「黒番、どう打ってみたいですか?」ってのがテーマ図なんですが、
まずは、そこに至るまでの解説を少々。
白17までは定石形。右下隅は小目の定石、右上隅は三々定石です。黒番は、黒18をどこに打つか少々悩むところですが、お相手の方は左辺に打ちました。この手では、左上隅のシマリもあったと思います。
ここで白19のカカリに対して、黒20とハサミ。白は安易に白21と両ガカリしてしまったんですけど、ここでは黒から強烈な反発がありました!
黒Aと三々に打って、厳しく白を分断して戦っていく発想があります。
「ヒカルの碁」で伊角さんが中国に行った時の話で、この手の描写がありましたね(マニアック)。
というワケで、実は白は三々入りの方が無難でした。
黒32のケイマでは、下辺に打ち込んで、白模様が拡大しないように打った方が良かったと思います。
右上隅、白37のブツカリから望外に先手を取ることが出来たので、テーマ図①のように白43と、なんとなく打ってみたんですが、この手は正直あまり良い手ではなかったかと。。。
右下隅のカケなどが自然です。
実戦は、ちょっと黒の錯覚もあり黒1と一手かけてくれたので、白6と中央を消しながら打つことができて(三子局なのでまだまだ形勢は黒が良いですけど)白不満はありませんでした。
この局面がこの碁のポイントで、局後の検討では、白43に応じずに、手抜きをして下辺にまわる手や、こういう感じで下辺を制限してから、ボウシが良いんじゃないですかと話したんですが、
念のため、AIにかけてしっかり確認をしてみました。
やはり素直にボウシが有力のようです(もちろん手抜きも考えられます)。
一例を示すと、下の図のように上から白の石を圧迫し、
こんな感じに進めていけば、中央の黒が厚く、黒優勢!
ここで言いたいのは、指導碁の時に上手に白43と打たれると、
ほとんどの方は左辺を守りに行ってしまう(白の着手に応じてしまう)発想をしてしまいがちですが、
厚みを活かしてボウシでの反発や、手抜きで他の場所にまわる発想が持てると囲碁の幅が広がると思います。
最近よく感じるのが、指導碁の時に黒番の方は、白番(上手)の着手に対して、必ず「何か受けないといけない」と、その手に対しての応手を考えてしまいがちですが、手抜きをされると意外と上手は困ってしまいます。
日常生活の手抜きは良くないこともあるかもしれませんが、囲碁においては手抜きは立派な好手です(どの先生が言ってたかは忘れてしまいましたが、着手の時はまずは手抜きを考えるのが大事って言ってました)。
相手を攻めるボウシや、着手に応じない手抜きを、是非ぜひ普段の対局でも使ってみて下さい。
今日は、そんな「囲碁、指導碁の棋譜解説(厚みを活かすボウシや、有力な手抜き)」っていうnoteでした。
少しでも囲碁を打つ時の参考になれば嬉しいです。
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