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【囲碁】有料棋譜解説 実際の講義から 20230627

こんにちは。
 
IGOcompany【U】です。

囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。

今年の4月からは「新百合ヶ丘囲碁学園」の学園長を任されました。

本日のnoteは「有料棋譜解説」シリーズになります。

今回のテーマは、

「ついつい打ってしまう一手 緩着(かんちゃく)」についてです。

6月15日(日)に新百合囲碁学園で講義した内容になります(上の題名はnoteを書いた日の日付)。

参考教材(実際に使った教材)は、こちら。

実際の教室で、生徒さんからお金を頂いて講義している内容の棋譜解説になります。

緩着っていうのは、自分だけでは気づかないことがほとんどです(だから、打ってしまうワケですが)。

皆さんも、普通に打っているつもりでも、段々と布石が遅れること(自分の方が悪くなっていくこと)ってよくありますよね?

気づいたら盤面での差が明確に10目以上なんて事も。。。

囲碁の基本的な考え方(棋理)を知っていないと、それは永遠に治らない(改善しない)問題ともなってしまいます。

今回は、

そんな自分一人ではなかなか気づかない一手「緩着」についての解説です。

実際の講義ででは、生徒さんの反応をみて、簡単にしたり、ちょっと難しい事を説明したり、質疑応答を織り交ぜて、満足して頂けるように伝えているのですが、

今回は、このnoteでも「なるほどなぁ」って思ってもらえるように、出来るだけ簡明に伝えてみます。

どうしても難しくなってしまう点もあるかもしれませんが、良かったら気楽に眺めてみて下さい。

いつも書いていますが、

(そして、講義でも言っていますが)、

解説を全部覚えようとする必要はありません!

このnoteの中から何か一つでも新しい事を知って、囲碁の引き出しを増やして頂けたら嬉しいです。

ちなみに、

【囲碁】棋力向上に役立つ無料のマガジン、にある無料の棋譜解説「役立つ棋譜解説」シリーズと何が違うかというと、

説明している部分の密度が違うと思います。

役立つ棋譜解説は、1時間~2時間くらいで書ききれるように、3000文字以上(前回は5000文字くらいになっちゃいましたけど)、参考図も10図くらいって決めて(軽めに)書いてたりしていますが、

今後も書き続けようと思っている「有料棋譜解説」シリーズは、文量は倍以上、参考図も約3倍の30図以上にするつもりです。

有料記事にふさわしいクオリティでお届けします。

途中までは無料で読むことが出来ますので、

良かったら読んでみて下さい^^。

それから、

有料部分に行く前に、ちょっと宣伝。。。

有料noteのマガジンを(サブスクにするのは嫌だったので)単発5980円で提供しています。1回購入してもらえれば、これから書く有料記事分も含めて(25本分以上を)、ずっと無料で読むことができます。

【囲碁】棋力向上に役立つ有料noteのマガジン|IGOcompany『U』|note

販売している囲碁教材もダウンロードし放題です。

例えば、こちらの記事もマガジンに入っていますし、今ある分だけでも5980円よりはお得になっていると思います。

(すみません、ちょっと宣伝でした。。。)

それでは、

有料解説に入ろうと思います。

前半部分は、無料でご覧頂けます。

解説した参考図などの「題名」を載せてみますので、興味がある方は、是非ぜひ購入をご検討頂ければと!

題名

【総譜 1手目~64手目まで】
【緩着を見つけよう!】
【黒11のツメについて】
【黒11のツメに対しては白はツケヒキが有力】
【四線の石に対するケイマの三線はよくある形の急所】
【鉄柱で受けるのは利かされ】
【何故利かされなのか?】
【黒13が利かされと考えられる理由】
【有力なDのオキ】
【実戦の進行について】
【黒21のケイマもやや緩着】
【布石の遅れについて】
【捕捉】
【白は落ち着いた進行を目指して打ち進めています】
【白22のスベリでは】
【白Aのツケコシや、白Bの打ち込みが後の狙い】
【生きている石の近くは小さい】
【左上隅は手を抜いていても生きている】
【黒35での黒の着手の候補手は?】
【白36のオキは、二間ジマリに対する形の急所】
【二目の頭をハネた場合の変化】
【黒39と打ってからの黒41は手厚いですが、緩着】
【黒47を緩着と感じられるかどうか】
【白48と応じるのは手厚すぎる】
【利かした石を軽く見る】
【味消しの一手】
【左下隅、コスミツケた後の三々定石の変化】
【外の石をまだ狙えるならAのサガリ】
【隅を確保したい時はBのオサエ】
【白64のツケコシから形勢はハッキリ白良し】

引き続き、少しでも役立つ情報を発信していきたいなと思っています。
応援よろしくお願いします。

それでは、開始です。

【囲碁】有料棋譜解説 実際の講義から 20230627

定先の碁。

白番は僕で、お相手はO矢さんという有段者の方なんですが、普段は3子局で打つことが多いです。互先の勉強をしたいということで、この碁は定先で打っています。

置き石なしで打ってみると、定先の碁っていうのはシビアなんだと感じます。いつもは、最後までちょうどよい形勢で進んでいるんですが、置き石がないと一手の「緩着」で形勢に差がついていってしまいます。

囲碁ってお互い一手ずつ、イメージとしてはゴールに向けて一歩ずつ進んでいくんですが、

例えば、たまに半歩分、あるいは0.1歩分でも「遅れる」手を打ってしまうと少しずつ差が開いていってしまいます。

その一着の事を、それを囲碁では「利かされ」と言ったり、「緩着」と言ったりします。

出来るだけ「遅れないように」碁を打ち進めていきたいですよね。

【総譜 1手目~64手目まで】

もし可能なら、ここで読むのを1回止めて、下の棋譜を並べて(眺めて)みて下さい。

その中で違和感のある着手はありますでしょうか?

左辺白64のツケコシまでをテーマ図とします

是非ぜひ「これが緩着かな?」と考えてみて下さい。

※ちょっと行間を空けてみます。

下の図で、講義の時に「緩着」と説明した部分に△印をつけてみました。

ちなみに、「緩着」「悪手」は違いますので、それを打ったらかといってすぐに負けになるものではありません。

囲碁は長い勝負ですので、最強の手が、最善の手とは限らないのです。

その後の打ち方次第で、その「緩着」と考えられる手を有効活用できる場合もあります。

ちょっと表現が難しいのですが、必ずしも「悪い」というワケでもありませんのでご了承頂ければと。

例えば、指導碁の時にその手を打ったからといって、すぐに注意される類のものではないです。

置き碁だったら「手厚い一手ですね」とか、「部分的な形ですね」とか言われる場合も多いでしょう。

僕も、そこまで細かく一手一手を駄目だしすることもないのですが(囲碁は大筋が合っていれば大丈夫です)、互先の碁なので、ちょっとシビアに説明しています。

ちょっと違和感がある、くらいの感じなんですが、その積み重ねが囲碁なので是非ぜひ参考にしてみて下さい。

【緩着を見つけよう!】

下の図の△印が、講義では「多少」「緩着だよ」と説明した部分です。

皆さんの印象との違いはありましたでしょうか?

黒△の手が、「若干」の「緩着」

それでは、何故その手が少し遅れているのか、解説していきたいと思います。

【黒11のツメについて】

黒11のツメは、「悪手」というワケでは絶対にありません。
この手も「あるでしょう」。

まあ、この場合のツメは、四線よりは三線に打つことの方が多いですね。

先程、半歩分、あるいは0.1歩分でも「遅れる」手を打ってしまうと、少しずつ差が開いてしまいますと書きましたが、

これは0.1歩分くらいのイメージです(笑。

この後の打ち方次第で好手にもなりえます。

黒11はホンの少しスピードのない手

AIにかけてみると、黒11は候補手にありませんでした。

素直にA~Dの大場や、あるいはEのオキを狙うのが良かったようです。

とはいえ、何度も言いますが、黒11を打ったからと言って、すぐに負けになるワケではありません。

【黒11のツメに対しては白はツケヒキが有力】

黒11のツメが四線だったので、この手に対して白はすぐにツケヒキを決めるのが有力だったようです。

この図では白3までにしていますが、仮に黒が4の手でカタツギを打ったりすると少しコリ形。黒の幅が狭いのです。

白1のツケヒキは簡明な打ち方

とはいえ、白も形を決めてしまうので、すぐに白1のツケヒキを打つのは躊躇ってしまいますね。

実戦は白12のツメを選択しました(こちらも候補手)。

【四線の石に対するケイマの三線はよくある形の急所】

白12のツメはよくある形の急所。

黒9がケイマではなく、一間ジマリの時によく打たれる手です。

ここに打たれると、黒は対応に困ってしまいます。

ここで黒番。

皆さんだったら、どう打ってみたいですか?

白12が部分的な形の急所。この時の黒は?

【鉄柱で受けるのは利かされ】

白12に対しては、

下の図のように、黒13の鉄柱を考える人は多いのではないでしょうか?

また、鉄柱ではなく黒Aで受けるのも形です。

黒13の鉄柱は利かされになってしまいます…

しかし、

厳密にいえば、黒13と鉄柱で受ける手は利かされと言われています。

ないわけではないです。よく解説では「打ち難い手ですね」と言ったりします。

厳密にいえばと書いたのは、部分的にはこの手は自然な発想だからです。

黒の根拠を確保しつつ、隅を守っている手になります(なので悪い手ではないです)。

例えば、置き碁で上手が白12と打ってきた時に、下手が黒13の手を打ったとしても「緩着」とは言いませんね。

「良い手ですね」とコメントすることも多いと思います。

とはいえ、プロの碁ではあまりこの手は打たれません。

この手を「利かされ」と言われても、何が悪いのか、僕も最初は全然わかりませんでした。

【何故利かされなのか?】

それでは、何故、黒13の鉄柱が悪手なのか説明してみたいと思います。

これ以降を、有料部分に設定してみます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

これから何十本も何百本も皆さんの役に立つ記事を発信していきたいと思っています。応援よろしくお願いします。

最後にサポート部分の文章をつけて、有料部分に移ります。

「サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。」

記事にリアクション頂いた方のnoteは、(時間がかかってしまうかもしれませんが)必ず拝見させてもらっています。

是非ぜひ、また覗きにきて下さい。

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